■今年の為替相場の動きを振り返ってみる
みなさん、こんにちは。
早いもので、今月(9月)も第2週に入り、第3四半期も終わりに近づいてきました。
今年(2020年)最大のビッグイベントである米大統領選挙も間近に迫り、マーケットのボラティリティーも上がることが期待されることから、ここから11月までがトレード収益上、重要な時期に入ると考えています。
そこで、今年(2020年)の為替の動きを振り返ってみます。
2020年は、豪州の史上最悪の森林火災などもあり、豪ドル/円を中心にリスクオフ相場から始まりました。
【参考記事】
●森林火災危惧も、豪州株は最高値更新。豪ドルは底堅い! 対円は80円へ反発開始(1月16日、西原宏一)
そして、新型コロナウイルスの感染拡大報道を受け、2月中旬から、さらに事態は悪化。グローバルに株価は急落します。
【参考記事】
●FRBが流動性供給策導入も、米ドルの需給逼迫は継続! 株安でも米ドル/円は上昇か(3月19日、西原宏一)
リスクオフの環境下、為替市場では、資源国通貨を中心に米ドル高・円高が進行。
このコラムでよく取り上げますが、その「米ドル高・円高」がピークになったのが、3月19日(木)。3月19日(木)は、RBA(オーストラリア準備銀行[豪州の中央銀行])が政策金利を0.25%引き下げた日であり、豪ドル/米ドルが安値をつけた日です。
【参考記事】
●豪ドル/米ドルは、ゴールドとともに上昇! 金鉱株急騰の裏にウォーレン・バフェット(8月20日、西原宏一)
そして、その利下げが悪材料出尽くしとなったこと、RBAのロウ総裁が「RBAは、必要であれば為替相場に介入する」とコメントしたことで、豪ドル/米ドルは0.5510ドルを安値に反発を開始しました。
一時0.7414ドルまで一気に急騰し、5カ月弱で35%の急騰を見せました。
(出所:TradingView)
筆者は、今年(2020年)の為替市場を牽引しているのが豪ドルであると考えており、豪ドルの反発が他通貨の動きを牽引したと考えています。
まず、豪ドル/円も豪ドル/米ドル同様、3月19日(木)に、59.91円の安値をつけて反発しています。
(出所:TradingView)
さらに、英ポンド/米ドルが安値である1.1412ドルに到達したのが翌日の3月20日(金)。ユーロ/米ドルが安値に到達したのが、3月23日(月)となっています。
■トレンドが変わる節目の日などを捉えることが重要
他のプロダクツに目を向けると、ナスダック総合指数が安値である6631ドル到達したのが3月23日(月)となっており、豪ドルが急反発するに連れて、それまでの「株安・円高」の流れが、一気に「株高・円安」の流れに変わっています。
(出所:TradingView)
以下の表は、2020年年初から3月19日(木)までの主要通貨の騰落率です。
(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)
(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)
前述のように、3月19日(木)までは豪ドルが牽引する形で、NZドルや英ポンドといったリスクアセット通貨が米ドルや円に対し、急落しています。つまり、リスクオフ相場。
そして、以下の表は、3月19日(木)から9月4日(金)までの主要通貨の騰落率です。
(出所:Bloombergのデータを基にザイFX!編集部が作成)
3月19日からは一転して、豪ドルやNZドル、英ポンドなどが米ドルに対して急騰しています。これはリスクオンの流れであり、ナスダック中心に株価も急騰しています。
連日、メディアなどで多くのニュースが報道されますが、そうした「ヘッドライン」よりも、このように、マーケットのトレンドが変わる重要イベントや節目の日があり、そうしたタイミングを捉えることがトレードする上でもっとも重要なことと言えます。それが、収益に大きな影響を与えるのです。
次に、3月19日(木)に…
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