■7月のユーロ/米ドル急上昇後に感じたこと
7月に、ユーロ/米ドルが急上昇(つまり、米ドル安)した後から、ユーロ/ドルは1.30ドルとか、1.35ドルまで上昇するという予測をする人が出てきました。
(出所:TradingView)
このとき、僕は、「いつもパターンだな」と、正直、感じました。それは、すでにご紹介しているとおりです。
【参考記事】
●クロス円中心の押し目買い継続。ただし、上がったところを追いかけて買うのはNG!(9月3日、今井雅人)
●なぜ、米ドル安の長期化を予想する人が増えたのか? 米ドル安第2弾は本格化しない(8月20日、今井雅人)
●予想を超えた米ドル安の背景を整理。ここからの米ドル安は、あまり想像できない(7月30日、今井雅人)
■見方がどちらかに偏ったときが危ない!
1つ、例をお話ししましょう。かなり古い話ですが、バブル時代、日経平均が4万円近くまで急騰したとき、6万円まで上昇するという類の強気の予測が、当たり前のように語られるようになりました。
その後の結果は、みなさんが知っているとおり、そこからバブルが弾け、底なし相場が始まりました。
(出所:TradingView)
一般論で申し上げると、人は、今、見ている流れを肯定し、それに影響を受けて、もっと行くのではないかと考えてしまう傾向にあります。それは、カジノなどの博打で儲かっているときなどにも表れる心理状態です。
しかし、そのときは、すでに相場はかなり伸びてしまっている可能性があります。
もちろん、必ずそうとは言い切れず、そのまま相場が走り続けることもありますが、かなりのケースは、反転することが多いというのが、私の経験則です。
ですから、いろいろな人のコメントをときどきチェックして、それが、どちらかに偏るようなことがあったときは要注意だと思うようにしています。
■ポジション動向も必ずチェック!
それと、もう1点、よく見ておいた方がいいのが、ポジション動向です。
世の中のポジションがどうなっているのかを合計したデータは、世の中には存在しませんから、何かの動向を見て、それで推計、推測することです。
私は、IMM(国際通貨先物市場)のポジションデータを、毎週、必ずチェックしています。
直近の、投機筋の米ドルに対するユーロのポジションを見ていると、過去に例がないほどネットロングポジション(=買い越し)が積み上がっていることがわかります。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移)
こういう状態になっているときに、さらなる強気論が出てくるのは、経験則から言って非常に危険です。そういうところも、重要な視点だと思いますので、参考にしてみてください。
【参考記事】
●目先、調整のユーロ/米ドルは戻り売りで! 新たな買い材料がないと上昇は継続しにくい(9月8日、バカラ村)
●1.20ドルを背に、ユーロ/米ドルを戻り売り! ラガルドECB総裁はユーロ高を牽制するか?(9月7日、西原宏一&大橋ひろこ)
さて、足元の相場状況ですが、2つのことが起きています。1つは…
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