■ドルインデックは日足チャートでも上昇のサイン
日足におけるサインも、鮮明になりつつある。
8月までの安値トライ、また、その後の切り返しは、下のチャートを見てわかるように、6月末から形成されてきた「下落ウェッジ」の上放れを果たし、9月途中の押しがあっても92後半のサポートゾーンを維持。上放れの可能性を暗示した。
(出所:TradingView)
9月後半には、94後半をトライし、その後、再反落してきたが、今週(10月12日~)93の節目の維持を再確認。9月安値を起点とした上昇幅の半分押しを守ったところで、また切り返しの継続を示唆した。
昨日(10月15日)の続伸もあって、9月25日(金)高値を起点としたレジスタンスラインのブレイクが鮮明となり、また、10月9日(金)~13日(火)のローソク足の組み合わせ(矢印)が示した「明けの明星」のサインの点灯から考えて、ここから9月高値の再更新を果たすだろう。
(出所:TradingView)
要するに、月足で点灯した、いったん底打ちのサインが、目先、なお効いているから、短期スパンにおける米ドルの上値余地に注目したい。
■EUとの協議がまとまっても、英ポンドの上値は限定的
ドルインデックスの上昇は、主要な外貨の下落を意味するから、ユーロや英ポンド、豪ドルの反落が想定される。
そのうち、英ポンドは一番「気まぐれ」だ。材料に振り回され、値幅が拡大したものの、EUとの協議が楽観視できない以上、また反落波動へ復帰。さらに、下落モメンタムを加速していくと推測される。
仮に、EUとの協議が何らかの形でまとまったとしても、マイナス金利の導入が予定され、また、実現される可能性が高い以上、英ポンドの上値は限定されるだろう。
■クロス円は下落。米ドル/円はトレンドレスが続く
主要な外貨の反落が続くのであれば、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)における外貨安・円高の流れも続くだろう。
ただし、この場合は、円高があっても、あくまで受動的だ。本格的な円高には程遠いから、米ドル/円は、引き続きレンジ変動に留まり、「蚊帳の外」に置かれるだろう。
米ドル/円のトレンドレスは、しばらく続くと見る。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
主要なクロス円の動向は外貨次第なので、「気まぐれ」な英ポンド/円も、材料次第で一段と下落幅を拡大させ、9月のパフォーマンスのようにクロス円の下落をリードする可能性があるから油断できない。
米ドル全体の切り返しやクロス円における反落波の継続があれば、株高の基調が維持されても波乱含みの可能性は無視できないだろう。
市況はいかに。
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