昨日は大統領選の開票だった。アジア時間の午前中から開票が始まる。そして最初のうちは確定ベースではバイデン氏のほうが多かった。バイデン氏が当選するというのは至上の予想通りであり、また期待通りでもあった。
このためドル金利は上昇に向かい、そして通貨としてのドルは全面高になった。ニューヨーククローズからユーロドルは100ポイント以上の下げ、そしてドル円は105円台に乗せてきた。
確定票はバイデン氏のほうが多いものの、時間の経過とともに接戦州ではトランプ氏が優勢という見方が強まってきた。そうなるとドル相場は値下がりに向かい、欧州序盤ではユーロドルは1.17台に乗せてきて、ドル円は再び104円台に逆戻り。トランプ大統領は遠慮がちな勝利宣言を出している。
しかしニューヨークで日付が変わると情勢がやや変化してきて、これまでトランプ氏が優位だと見られていた州が接戦中になったのである。トランプ大統領は「魔法のように消えた」と発言し、劣勢を認識しているようだった。
ドルは買い戻されたが、その値幅はごく小さいものだった。情勢がバイデン氏が優勢となったことで市場は安心感を得たものか、米国株は上げ幅を拡大し、マーケットのリスク許容度は増大した。
そしてニューヨーク市場が終わる頃にはミシガン州とウイスコンシン州でバイデン候補が勝ったので、バイデン氏が実質的な勝利宣言をした。
結局のところ、ドル円は1円ほどしか動かなかった。これは4年前の開票日には4円動いたのと比べると大違いである。しかも米国株は値幅を持って動いているのだ。いかにドル円が動かなかったかがわかる。ユーロドルもしかり。
さて今夜はFOMCである。しかし大統領選の直後なので、明確なメッセージを打ち出すようなことはないだろう。大統領が決まらないこと自体が大きなリスクなのであるが、それを言ってしまっては身も蓋もない。
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