昨日は米議会での追加対策の合意が得られるのではないかということで、市場はリスクテークの流れが強まった。大統領選の前まで共和党と民主党の主張していたことをぶつけるのではなく、目先に必要な中小企業対策と失業対策にたいしてだけ先行しようとするものだ。部分的な者なので規模も小さくなる。2兆ドルで粘っていたはずなのに、いつの間にかサイズが3分の1になってしまっている。
失業保険の余分にもらえるのは12月で切れるので、それに対する措置が出るのは社会的にも安心感を与えることになる。失業保険は州が出すものだが、日本円でいえば平均で15万円ほどの受給。それがコロナ禍ということで国が30万円以上を余分に補助して出している。
月に50万円ももらえるのであれば、誰も働けなくても文句は言わないであろう。感染がおさまらず、ずっとベーシックインカムのようにもらい続ける世の中の将来を期待しているようにも見える。いちばん本来のアメリカらしくはないことだが、株高になっていることがそれを裏付けているとも言えよう。
ともかくも財政支出は前進したということで、米国株は史上最高値に接近した。アップルがiPhoneの3割増産を打ち出したので、ナスダック指数は最高値を超えてきた。
12月FOMCが始まっており、それで追加緩和が打ち出されるのではないかとの観測が強くて、ドル相場は軟化。ドル円は103円台から脱しきれず、時間をかけて徐々に軟化。ニューヨーク時間では安値引けするに至った。
今晩はドイツ、イギリス、アメリカの景況指数が出る。これまで景況感は回復気味だったが、世界的なコロナ感染の第3波の影響でセンチメントは悪化しているものと見られる。アナリストなどの事前予想も既に低めで出されており、はじめから期待度は低い。
また夜中にはFOMCの結果が出る。こちらも打つ手が限られているだけに、先日のECBと同じようなことしかできないであろう。つまり買い入れ資産の増額と期間の延長である。マイナス金利にまで踏み込めばマーケットにはインパクトがあるのだが、FRBのメンバーの発言を振り返ってみても、そこまで緩和姿勢を明らかにすることはなさそうである。
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