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志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」

円の上昇力に陰り! アベノミクス開始時の
予想どおりなら、将来米ドル/円は150円か

2021年02月04日(木)12:18公開 (2021年02月04日(木)12:18更新)
志摩力男

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■今年は米ドル安・円高予想多いが、予想外の動きに

 今年(2021年)は、米ドル安・円高予想が多いように思います。私自身も、今年は少し円高に行くのではないかと予想していました。

【参考記事】
2021年の米ドル/円は、少し円高方向か。95~105円程度がコアのレンジと想定(2020年12月23日、志摩力男)

 ところが、年初に102.60円前後を試したあと、円安方向の動きが始まっています。これは、多くの人にとって予想外の動きだったのではないでしょうか。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 わずかに2.5円ほど円安方向に動いただけです。取るに足らない動きとも言えます。

 しかし、「神は細部に宿る」――。わずかな動きですが、円高に行かない、行ききれないというのは、円の上昇力に大きな陰りが生じているからではないでしょうか。

■もう円高にはならない体質に? そう懸念する3つの理由

 今年なぜ、米ドル安・円高が予想されているのか。1つには米国の超緩和政策が続くこと、そして円がかなり割安だからです。

【参考記事】
米ドルは状況が落ち着けば下落していく…。ゼロ金利は5年ぐらい続くのではないか?(2020年7月8日、志摩力男)
円高示唆でも米ドル/円が下落しないワケは? ビッグマック指数では1ドル=68.78円になる!?(2020年6月17日、志摩力男)

 実際、円高に行くチャンスは2019年も2020年もありました。しかし、結局100円にすらタッチできませんでした。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足チャート

(出所:TradingView

円のファンダメンタルズに、何か変化があるような感じがします。もう円高にはならない体質になってしまったのではないか、そう懸念しています。

 具体的には、以下の点が懸念されます。

(1)企業競争力の低下

 かつて日本は、GDPの3~4%程の貿易黒字がありました。そのため、米国との間で貿易摩擦問題が絶えませんでした。しかし、東日本大震災の前後の期間はむしろ貿易赤字で、その後、大きな貿易黒字とは無縁です。

 iPhone登場の頃から、日本の家電産業の競争力が失われてきましたが、米国の巨大IT企業が圧倒的な力を持つ中、背中も見えない状況になっています。彼らに追いつき追い越す企業が日本には見当たらない(韓国にはサムスン、台湾にはTMSC(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング)、中国にはテンセント、アリババ等があります)。そこが最大の懸念でしょうか。

(2)投資行動の変化

 日本の投資家は、ホームバイアスが強いと言われていました。国内投資ばかりで、外への投資はしないと…。しかし、今、個人投資家の間でも、株を買うとなると日本企業より、米IT企業が真っ先に頭に浮かぶのではないでしょうか。国境を超えて投資することに、躊躇はなくなっています。

(3)巨額の政府債務と止まらない「プリンティングマネー」

アベノミクスとは何か、一言で言えば「偉大な時間稼ぎ」です。安倍内閣のときの内閣官房参与であった経済学者の浜田宏一氏は、円高でエルピーダが潰れたと当時の白川日銀総裁を非難しました。では、積極的金融緩和で円安が実現したとき、半導体産業が復活したかといえば、そんなことはありません。「時間稼ぎ」している間に、競争力を高める努力をしなければならなかったのです。

【参考記事】
アベノミクス相場を振り返り! 大胆な金融政策で米ドル/円と日経平均はどう動いた?

■将来、米ドル/円は150円の可能性も?

 巨額の量的緩和政策が始まった時、「なんてことを始めたのだ」と思いました。

 なぜなら、日本経済の状況を考えると、その政策に終わりがないことは明らかだったからです。

 終わらせるには、年率2%のインフレ率を継続的に実現しなければならないのですが、それは日本経済には無理ですし、そうなった場合、さまざまなところに弊害が出ます。

 また、インフレ率が本当に高まったとしても問題です。

巨額債務を持つ国が、本当に金利を上げることができるのでしょうか? おそらく、できないでしょう。ある意味、現状の中途半端な状況がベストなのです。

 巨額債務ゆえに、引き締め政策をとることができないことは、将来、市場から円安攻撃を受けた場合、大変なことになります。

 日本は債権国なので、海外に資金をたくさん持っています。よって、その資金を円転すれば大丈夫という意見もありますが、金利を引き上げて防衛する手段がないということは問題です。

【参考記事】
「342兆円」VS「1855兆円」の行方は新型コロナウイルス次第。リーマンショック級の不景気も!?(2020年2月27日、志摩力男)

アベノミクススタートの時、将来的にこうなるのではないかとイメージした図があります。これを最後に掲載します。2014年12月に作った資料です。

志摩力男氏が2014年12月に作成した資料

※志摩力男氏が2014年12月に作成


【ザイFX!編集部からのお知らせ】

 志摩力男のYoutubeチャンネル「志摩力男のグローバルFXトレード!チャンネル」で最新動画「月刊!志摩力男」の10月号「為替介入を狙うヘッジファンド!米ドル/円の買い場に!英ポンドにまだ下落余地があるのか?」を公開(2022年9月27日)しました!ぜひ、ご覧ください。

(出所:志摩力男Youtubeチャンネル「為替介入を狙うヘッジファンド!米ドル/円の買い場に!英ポンドにまだ下落余地があるのか? 【月刊!志摩力男10月号】」より)

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