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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

FOMCは2023年末までに2回の利上げ示唆。
ユーロ/米ドルは、1.1600ドルへの下落過程に

2021年06月17日(木)16:15公開 (2021年06月17日(木)16:15更新)
西原宏一

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■FOMCは2023年末までに2回の利上げ示唆

 みなさん、こんにちは。

 今週(6月14日~)、最大のイベントであるFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果が、日本時間17日(木)未明に発表されました。

 FOMCの予想中央値は、2023年末までに2回の利上げ示唆

2021年6月FOMCで公表されたドットチャート
2021年6月開催のFOMCドットチャート)

(出所:FRB

 FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長も「インフレは顕著に上昇した」とコメント。呼応して、米10年債利回りは一時1.59%台へ上昇しました。

米長期金利 日足
米長期金利 日足

(出所:TradingView

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■下がり過ぎていた米債利回りに修正が入る

 以前のコラム(前回の「ヘッジファンドの思惑」と月曜日に公開した「FX&コモディティ(商品) 今週の作戦会議」)でも取り上げていますが、今月(6月)に入って米国債利回りが下落するも、米ドル/円の下落は限定的。

【参考記事】
米ドル/円は米長期金利の低下に追随せず、下値は限定的。上昇トレンドは継続か(6月10日、西原宏一)
米長期金利低下でも米ドル/円下がらず。間違っているのは債券市場か?為替市場か?(6月14日、西原宏一&大橋ひろこ)

 米国債利回りと米ドル/円の相関性が高い局面で乖離が起こる時は、「短期投機筋の影響で買われ過ぎ、売られすぎが起こりやすい為替市場のほうが間違っている」ことが多く、その後、修正が起こります。

 ただ私は、今回の米国債利回りの低下は、多く参加者のショートカバーによるものであり、米ドル/円よりも米国債利回りが修正すると考えていましたが、これまでのところはそういう動きになっています。

 その理由は、前回のコラムでもご紹介させていただいたように、米国のインフレが進行している要因が変わらないからです。

【参考記事】
米ドル/円は米長期金利の低下に追随せず、下値は限定的。上昇トレンドは継続か(6月10日、西原宏一)


 私のロサンゼルスの友人の近所のマンションは、半年で20%上昇し、ガソリンも半年で1.5倍になったそうです。中古車市場の価格も急騰しているとのこと。

 報道によれば、豚赤身肉先物価格が1ポンド=120セントレベルに急伸するなど、インフレが進行中。

 このように多くの物の価格が上昇する環境下では、米金利の低下は一時的であり、基本上昇トレンドは変わらずとみます。

(出所:2021年6月10日公開のヘッジファンドの思惑から抜粋)


 米国でインフレが進行しているのであれば、下がりすぎていた米国債利回りのほうが修正されるはずであり、米ドル/円の上昇トレンドも変わらないと考えています。

■米ドル/円は、109~112円レンジの押し目買いトレード

 前述のように、米10年債利回りの下値は限定的だと考えていますが、逆に2.00%を超えるというのも考えにくいため、米ドル/円が112.00円を越えてくるのは、一定の時間がかかるとみています。

 加えて、先月(5月)、米系短期筋が米ドル/円での米ドルコールを、110.00円と110.50円を1カ月物でかなりの金額をマーケットに投入したとの憶測もあり、110.50円より上のレベルではオプションのガンマ(※)からの米ドル売りが入りそうです。

 そのため、米ドル/円は一気に上値を伸ばすというより、109~112円のレンジでていねいに押し目買いを繰り返すというトレードになるでしょうか?

(※編集部注:「ガンマ」とは、オプション投資の際のリスク指標のひとつ)

【参考記事】
【西原宏一が教える FXトレード戦略超入門】オプションを知れば節目がわかる!
【オプションFX】のスプレッドが大幅縮小!プロがやってるガンマトレードを個人もできる

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 ただ、その後、レンジを抜けるのは112.00円方向だとみています。

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■ユーロ/米ドルの上値は重い。再び1.1600ドルレベルへ

 さらに注目したいのが、ユーロ/米ドル。

 ユーロ/米ドルは「世界の外貨準備運用で米ドル離れが進んでいる」との報道が拡大していることもあり、3月31日(水)に到達した1.1704ドルの安値から反発すると続伸し、一時1.2266ドルまで上昇していました。

 しかし、前述の報道を材料にマーケットがユーロ/米ドルを買い進めても、年初の1.2349ドルレベルを超えるわけでもなく、じわじわと上値が重くなってきていました、

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(出所:TradingView

 加えて、以下をみるとIMM(国際通貨先物市場)のポジションもユーロロングが積み上がっているのがわかります。

IMMポジション(ユーロ/米ドル)
IMMポジション(ユーロ/米ドル)

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:シカゴIMM通貨先物ポジションの推移

 こうした状況下、米国債利回りの上昇が後押しした形で、FOMC明けのユーロ/米ドルは一時、節目の1.2000ドルを割り込んでいます(=米ドル買い・ユーロ売り)。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(出所:TradingView

 以下は、ユーロ圏国債10年物利回りのチャートです。

ユーロ圏国債10年物利回り 日足
ユーロ圏国債10年物利回り

(※筆者作成)

 5月19日(水)には一時、マイナス0.074%まで反発していましたが、6月11日(金)には、マイナス0.287%まで下落。

 今週(6月14日~)は、米国債利回りの上昇もあり、ユーロ国債利回りも一時反発していましたが、本稿執筆時点でも、マイナス0.2495%と、ユーロ圏10年債利回りは上値の重い展開となっています。

 この欧米の10年債利回りの推移からも、ユーロ/米ドルの上値は限定的とみます

 実際、FOMC後のマーケットでは、対円よりも対ユーロでの米ドル買いが進んでおり、ユーロ/円が133.00円を割り込んで下落していることからも、ユーロ/米ドルの上値が重いことがわかります。

 ユーロ/米ドルは再び、1.1600レベルに反落するのではないでしょうか?

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(出所:TradingView

 FOMCのタカ派スタンスへの変更により、下げ足を速め、1.1600ドルに向けて下落過程にあるユーロ/米ドルの行方に注目です。


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