アメリカの雇用統計は良い結果だったといえよう。就業者数は90万人台の増加となり、これは事前の予想がバラバラだった中でも大きい方の数値だ。また失業率は5.4%となって、大いに改善した。これにはマーケットも驚きを覚え、素直に株高、ドル高で反応した。ドル金利も上昇したのだが、ようやく1.30%台に乗せてくる程度であって、大幅な金利上昇には至らなかった。
それが市場に安心感を与えたようで、米国株は史上最高値を更新。ドル円やユーロドルもドル買いが続く一方での流れで終わった。
サプライズだったのは、就業者数のほうよりも失業率のほうである。ワクチン接種の進展とともに就業者数が100万人前後まで増加するのは想定の範囲内であった。後は失業保険の上澄み措置の切れるのがどのタイミングで反映されるのかという問題だけだった。
しかし労働参加率が上昇するときは就業者数の増加とあいまって失業者数も増加するものとされている。したがって一時的に失業率のほうは悪化しても仕方がないとするのが経済学からの見方だった。それがいきなり5.5%を下回ってきたというのは、その構造関係をもっと注意深く探っていかないといけない。
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