昨日のマーケットではリスクテークが続かなかった。米国株も史上最高値の更新を一服した格好となった。出てきた経済指標がおおむね悪いものが並んだので、それが市場のムードを悪化させて利食い売りを急がせた形だ。
中国の景況感では製造業もサービス部門も予想を下回り、中国の回復ペースの鈍化が意識された。アメリカの景況感もシカゴPMやCB指数などが事前の予想に達しなかった。先週末のパウエル議長の姿勢を支持するかのように、テイパリングの後ズレが現実味を帯びてくるのである。
一方で日経先物は急騰している。朝がたにつけた安値レベルよりも600円以上も持ち上がった。もちろんジャクソンホールの結果をうけての米国株の動向に依存しての動きなのだが、月末のお化粧会のポーションもかなり大きいようだ。
そうした動きをなぞるかのようにドル円は東京時間では強かった。110円台を目指す動きだ。しかしニューヨーク時間からはリスク調整の波に乗って、ドル円も利食い売りが優勢。109円台のミドルまで押し込まれた。一方でユーロ買いが欧州序盤で強まった。ユーロ円やユーロポンドなどユーロクロス全般が持ち上げられた。
それによってユーロドルも吹き上がり、1.18台に乗せてきたら売ろうと考えていたほどだ。これはECB要人たちからそろそろテイパリングの議論をすべしという発言が相次いだことがあるようだ。たまたま寝落ちしたから何もしなかったと言う方が正しい。決して褒められる態度ではない。
今晩はADP指数が出る。雇用の問題をパウエル議長が気にしているので、注目度は高い。年何のテイパリング開始は揺るがぬところだと思うが、今月のFOMCを前にしてもう一波乱あるかもしれない。
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