実際、中国以外のアジア諸国が市場介入に踏み切るというウワサは絶えない。その場合は中国にならって、米ドルではなく円買いを仕掛けてくる可能性が高い。日本当局にとっての修羅場はこれからである。
「中国はずるい」といった子どもっぽいグチを漏らしている場合ではなく、為替政策を含め、国家戦略を一刻も早く確立しなければならない。
政治同様、すでに衰退の宿命をたどる米国だけに頼っているようでは、国運は米ドルとともに沈むリスクが大きい。
■最近のドルインデックスの下落は「しょうがない」
ところで、筆者が予測していたドルインデックスの上昇シナリオははずれてしまった。
米ドルは対円を除いて、対ユーロ、対英ポンドなどの外貨で、むしろ売られている。
その背景には2つの要素が重なっているようだ。
ユーロ/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
英ポンド/米ドル 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/米ドル 日足)
まず、ゴールドマン・サックスが「FRB(米連邦準備制度理事会)が早ければ、11月にも新たな量的緩和策を発動する」と予測していることが、米ドル売りを引き起こしているようだ。
天下のゴールドマン・サックスであるだけに、その影響力も大きい。当然と言えばそこまでだが、最近のユーロの高騰を目にして、腑に落ちないところがある。
そのナゾを解くキーワードは、やはりチャイナである。
主要メディアの報道によると、市場筋のウワサとして、中国がマーケットで大量の「ユーロ買い・米ドル売り」を行ったようだ。その狙いは、人民元問題に起因する米国の圧力をかわすほかあるまい。
そうであれば、最近のドルインデックスの下落も「しょうがない」としか言いようがない。これからは、中国の思惑と動向が為替マーケットに大きな影響力を及ぼすことは間違いないだろう。
■ドルインデックスの反騰シナリオを、なお堅持する!
しかし、日本の市場介入にしても、中国の「深謀遠慮」にしても、こういった外部要素と違って、マーケットにはそれ自体の内部構造がある。その内部構造が値動きを決定するだけではなく、外部要素を引き起す源でもある。
また、市場の内部構造に沿って外部要素の発生は結果として成功し、そうでなければ失敗に終わるケースが多い。これこそ相場の宿命であり、「金融マフィア」たちが公言したくない真実である。
拙作『相場の宿命~2012年まで株を買ってはいけない』(扶桑社刊)の発売に合わせ、私のブログ「為替の真実」で歴史的な事例を混じってこのテーマを検証していくので、興味のある方は参考にしていただきたい。
最後に、ドルインデックスの反騰といったシナリオを現時点、なお堅持していることを申し上げる。
なぜなら、すべての値動きが相場の宿命に沿った結果である以上、我々は1本、1本の木にとらわれることなく、しっかり森を見なければならないためだ。
たとえ、その木が「ゴールドマン・サックス」であり、「チャイナ」であるにしても……
(2010年9月17日 PM12:30執筆)
まず、ゴールドマン・サックスが「FRB(米連邦準備制度理事会)が早ければ、11月にも新たな量的緩和策を発動する」と予測していることが、米ドル売りを引き起こしているようだ。
天下のゴールドマン・サックスであるだけに、その影響力も大きい。当然と言えばそこまでだが、最近のユーロの高騰を目にして、腑に落ちないところがある。
そのナゾを解くキーワードは、やはりチャイナである。
主要メディアの報道によると、市場筋のウワサとして、中国がマーケットで大量の「ユーロ買い・米ドル売り」を行ったようだ。その狙いは、人民元問題に起因する米国の圧力をかわすほかあるまい。
そうであれば、最近のドルインデックスの下落も「しょうがない」としか言いようがない。これからは、中国の思惑と動向が為替マーケットに大きな影響力を及ぼすことは間違いないだろう。
■ドルインデックスの反騰シナリオを、なお堅持する!
しかし、日本の市場介入にしても、中国の「深謀遠慮」にしても、こういった外部要素と違って、マーケットにはそれ自体の内部構造がある。その内部構造が値動きを決定するだけではなく、外部要素を引き起す源でもある。
また、市場の内部構造に沿って外部要素の発生は結果として成功し、そうでなければ失敗に終わるケースが多い。これこそ相場の宿命であり、「金融マフィア」たちが公言したくない真実である。
拙作『相場の宿命~2012年まで株を買ってはいけない』(扶桑社刊)の発売に合わせ、私のブログ「為替の真実」で歴史的な事例を混じってこのテーマを検証していくので、興味のある方は参考にしていただきたい。
最後に、ドルインデックスの反騰といったシナリオを現時点、なお堅持していることを申し上げる。
なぜなら、すべての値動きが相場の宿命に沿った結果である以上、我々は1本、1本の木にとらわれることなく、しっかり森を見なければならないためだ。
たとえ、その木が「ゴールドマン・サックス」であり、「チャイナ」であるにしても……
(2010年9月17日 PM12:30執筆)
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