昨日からはアメリカは冬時間に移行した。いつものことだが海外市場を待っている間は、すごい長い時間を待たされているようで、たいへんに間延びした感じがする。しかも昨日は何の経済イベントも予定されていなかった。
週末にバイデン政権の公約の一部であるインフラ投資法案の1兆ドルの分が議会を通過したが、これはかなり織り込み済みなので、あまりマーケットにインパクトを当てることはできない。財政支出で問題になるのは、先日に半分に減らした大型の財政支出のほうである。こちらのほうは民主党内でまとまらないらしく、財源も含めて簡単にいきそうもない情勢だ。
テスラ株の売り出しのニュースが材料であったにもかかわらず、米国株は全体的に堅調。史上最高値を更新してきた。先週のFOMCに引き続いて、FEDメンバーの発言が相次いだが、それらがタカ派的なものが見られなかったからであろう。利上げのハードルは高いとしながらも、来年末までには利上げの準備は整うとする見解は、市場には完全に織り込まれている。
そうしたドル金利の先高感の行きすぎを調整するかのように、ドル相場はやや軟化した。ドル買いにやや前のめりになりすぎた反動が出たのであろう。ドル円は113円を割り込みそうな寸前まで下落し、ユーロドルは大台を買えないまでも、1.15台の後半の高値近くで引けた。
今晩はアメリカのPPIがあるが、先週のFOMCや雇用統計といった大きいイベントが終わった直後なので、よほど大きな数字でも出ない限りはマーケットは完全無視の姿勢を決め込むだろう。ましてや低めの数字が出た日には、FEDメンバーの言うとおり、インフレは一時的なものかという見方が拡がり、ドル相場は一段安に向かいそうだ。
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