みなさん、こんにちは。
■日本政府・日銀が円売り介入を行うのは至極当然!
為替市場で9月15日(水)に、日本政府・日銀が実に6年半ぶりとなる「円売り・米ドル買い」介入を実施しました。
米ドル/円は市場介入前に82円台後半で推移していましたが、介入を実施したと伝わると、84円台まで1円以上も上昇しました。その後もジリジリと値を伸ばし、NY時間には85.78円まで値を伸ばしています。
いったん円高を阻止した形になっていますが、今回は円高対策についてもう少し考えてみたいと思います。
米ドル/円 1時間足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 1時間足)
まず、為替相場というのは、中国などのように相場をコントロールしている場合をのぞいて、市場の動きに任せるというのが基本です。
ただ、極端に一方方向に進みすぎると、為替相場の動きが実体経済に影響を及ぼすようになってきてしまいます。
ご存知のように、日本は輸出産業のウェイトが大きいため、円高になるとその分だけ減収となり、日本経済にとって痛手となります。そのため、極端な円高は日本にとって非常に大きな問題で、その対策を国として講じるのは至極当然と言えます。
その対策の1つが、今回実施された「円売り介入」です。これは、財務省が日銀に委託して執行されます。
■単独介入でも効果はある。日銀による金融緩和も必要
介入には他の国と協力して行う「協調介入」と、1つの国だけで実施する「単独介入」があり、協調介入のほうが効果はあります。
今回は単独介入のようですが、単独介入ではまったく効果がないということではありません。単純に言ってしまうと、量をたくさん行えば市場の需給が崩れ、ある程度の効果を上げられるのです。
ただ、この方法は持久戦です。介入を開始した最初の時期はサプライズ効果もあって、市場は敏感に反応し、円安方向に向かっていきますが、その後はだんだんと効果が薄れて円高に戻ってきてしまいます。
それでもあきらめずに継続的に介入を実施していくと、市場の需給に変化が起きて、しだいに介入の効果が表れてくるようになるのです。
その間にどれぐらいの時間がかかるかはそのときの状況にもよりますが、数カ月から1年近くかかることもあります。
まず、為替相場というのは、中国などのように相場をコントロールしている場合をのぞいて、市場の動きに任せるというのが基本です。
ただ、極端に一方方向に進みすぎると、為替相場の動きが実体経済に影響を及ぼすようになってきてしまいます。
ご存知のように、日本は輸出産業のウェイトが大きいため、円高になるとその分だけ減収となり、日本経済にとって痛手となります。そのため、極端な円高は日本にとって非常に大きな問題で、その対策を国として講じるのは至極当然と言えます。
その対策の1つが、今回実施された「円売り介入」です。これは、財務省が日銀に委託して執行されます。
■単独介入でも効果はある。日銀による金融緩和も必要
介入には他の国と協力して行う「協調介入」と、1つの国だけで実施する「単独介入」があり、協調介入のほうが効果はあります。
今回は単独介入のようですが、単独介入ではまったく効果がないということではありません。単純に言ってしまうと、量をたくさん行えば市場の需給が崩れ、ある程度の効果を上げられるのです。
ただ、この方法は持久戦です。介入を開始した最初の時期はサプライズ効果もあって、市場は敏感に反応し、円安方向に向かっていきますが、その後はだんだんと効果が薄れて円高に戻ってきてしまいます。
それでもあきらめずに継続的に介入を実施していくと、市場の需給に変化が起きて、しだいに介入の効果が表れてくるようになるのです。
その間にどれぐらいの時間がかかるかはそのときの状況にもよりますが、数カ月から1年近くかかることもあります。
また、日銀による金融緩和も必要です。
先日、日銀が新型オペで新たに10兆円を市場に供給することを決定しましたが、これでは不十分。この市場というのはインターバンク市場(銀行間が取引をするところ)を指すのですが、この資金が銀行から企業などに流れなければ何も起きません。
銀行が慎重になって、企業になかなかお金が流れて行かないというのが現状ですので、日銀が国債を大量に購入するなどして、企業にもっと資金が行き渡るような方法を実施していかなければなりません。
■為替介入・金融緩和・経済対策、単発では効果が薄い
そして、経済対策も重要です。
先日、日銀が新型オペで新たに10兆円を市場に供給することを決定しましたが、これでは不十分。この市場というのはインターバンク市場(銀行間が取引をするところ)を指すのですが、この資金が銀行から企業などに流れなければ何も起きません。
銀行が慎重になって、企業になかなかお金が流れて行かないというのが現状ですので、日銀が国債を大量に購入するなどして、企業にもっと資金が行き渡るような方法を実施していかなければなりません。
■為替介入・金融緩和・経済対策、単発では効果が薄い
そして、経済対策も重要です。
世界の通貨 vs 円 1時間足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨 vs 円 1時間足)
日本はちょっと特殊な構造をしていて、景気が良くなると海外投資が盛んになって円安へ、景気が悪いと海外投資が滞り、毎年積み上がっている経常収支の分だけ円高へ進むという動きが見られます。
そのため、「景気対策=円高対策」にもなるわけです。
日本はちょっと特殊な構造をしていて、景気が良くなると海外投資が盛んになって円安へ、景気が悪いと海外投資が滞り、毎年積み上がっている経常収支の分だけ円高へ進むという動きが見られます。
そのため、「景気対策=円高対策」にもなるわけです。
日本の貿易収支&GDP
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:その他地域主要経済指標の推移)
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国GDP成長率の推移)
為替介入・金融緩和・経済対策。この3つを単発で行うのではなく、総合的かつ積極的に行うことが円高を阻止する上でとても重要です。
そういった意味では、現行の対策だけではまだまだ不十分です。
私は政府の人間ではないので最終権限はありませんが、もっと強い姿勢で臨んでくれるものと信じていますし、自分なりにやれることを引き続きやっていきたいと思います。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国GDP成長率の推移)
為替介入・金融緩和・経済対策。この3つを単発で行うのではなく、総合的かつ積極的に行うことが円高を阻止する上でとても重要です。
そういった意味では、現行の対策だけではまだまだ不十分です。
私は政府の人間ではないので最終権限はありませんが、もっと強い姿勢で臨んでくれるものと信じていますし、自分なりにやれることを引き続きやっていきたいと思います。
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