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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

ユーロ安は欧州経済回復にプラスの効果。
ECBによるユーロ買い介入は考えづらい!

2010年05月27日(木)17:03公開 (2010年05月27日(木)17:03更新)
今井雅人

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 またまた激動の1週間が経過しました。

 この1週間はレンジ内で乱高下という展開になっています。混乱の第1ラウンドが終わって、次の流れができるまでの「場つなぎ」相場となっているという認識をもっておきたいと思います。

 来週も新しい材料が出てこなければ、この1週間と同じような相場展開になる可能性が高いでしょう。
ユーロ vs 世界の通貨 日足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ vs 世界の通貨 日足

■今のユーロ諸国に必要なこととは?

 さて、今回は、ギリシャ問題の「出口」について考えてみたいと思います。

 それを考えるにあたって参考となるのは、1997年に起きた「アジア通貨危機」だと思います。

 日本でFX取引が始まったのが1998年ですから、皆さんはあまり記憶にないかもしれませんが、このときのアジア通貨市場は今のユーロなど比較にならないほど激しい動きをしました。東南アジアの国を中心に通貨も急落しました。

 しかし、この危機を乗り越えた後、東南アジア諸国は急激に景気を回復し、経済を拡大させました。

 この間、どのような経緯をたどったかということは、簡単に言えばこうです。

 急激に財政が悪化したことを受けて、東南アジア諸国はIMF(国際通貨基金)などから資金援助を受けました。

 そして、IMFの指導を受けて財政の建て直しに取り組み、さらに、通貨が急激に下落した(あるいは切り下げをした)ことを受けて、輸出が急速に回復・拡大し、経済が立て直されたというものでした。

今のユーロ諸国に必要なことと、そっくりだと思いませんか?
■欧州経済が立ち直るかどうかの正念場に!

 現在、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、イタリアといった「PIGS」の国々は、財政再建策を立てて必死に取り組んでいます。

 ギリシャはEU(欧州連合)とIMFから緊急融資を受けました。

 ユーロは今年に入って、大幅に下落してきました。つまり、ユーロ安になってきたということです。

 今回、投資家のユーロ離れを回避することができれば、あのときの東南アジア諸国と同じことが期待できるでしょう。

まさに、今、そこに向かうことができるかどうかの正念場に差し掛かっているということです。

 もちろん、道は平坦ではなく、南ヨーロッパやイギリスなどの格付けが引き下げられるリスクは多大に残っています。

 現在は小康状態が続いていますけれども、また、ユーロに下落圧力が襲いかかってくることも十分に予想され、これからの展開をよく見極めていきたいと思います。

■欧州経済回復に向け、ユーロ安はプラスになる

 最後に1点、最近になって、ユーロ買い介入についての噂が広がっていました。

 確かに、ユーロ圏から投資家の資金が急激に流出するような事態は防がなければなりません。
ユーロ/米ドル 週足
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 週足

 しかし、先ほど説明したとおり、通貨安は輸出拡大という景気回復にとってのプラスの効果も持っています

 このような時期は、自国通貨安にある程度なっていくほうがよいのです。

 そうであれば、ECB(欧州中央銀行)が積極的なユーロ買い介入をするとは考えづらいのではないでしょうか?

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