昨日は日銀の金利会合があった。市場の期待はまったくなかったとはいえ、これだけ物価高が世界的に明確に進行してきているのに、日本だけが利上げモードに乗り遅れているようだ。これはもはや金融面をコントロールしているというよりも、政治的な配慮からだというしかない。しかし30年近く継続しているゼロ金利政策の中では、今に始まったことではない。
しかし市場の反応でビックリさせたのは、ドル金利の上昇であった。日銀の会合自体で日本関連のものが動くことはないと思われていたが、ドル金利が短期も長期も上昇したのである。日銀の結果が出た直後は金融政策に変更話しということで、それを好感して株価は上昇した。しかしドル金利の上昇がリスク回避を急がせることになり、株価の伸びは急速に衰えることとなった。
ドル金利上昇の中で注目を集めたのは、2年債の利回りである。0.9%レベルだったものが、ついに1.0%台に乗せてきたのだ。2年後の短期金利は2.0%が織り込まれているのに、2年債の利回りが1.0%というのは低いように思われるが、それは長期金利というのは短期金利の積み重ねであるという側面を考慮すればわかりやすい。
短期金利というのはメインは3ヶ月ものである。2年債の利回りというのは、その3ヶ月の金利8回分ということである。つまりは8回の短期金利を転がしていって、その平均値だという見方をすればよい。足下の短期金利はゼロであり、1年後も1.0%なのだから、2年後に2.0%担っても、その平均は1.0%だろうということだ。
ドル円の上昇も日銀の結果が出た直後だけの振る舞いに終わった。ドル円は115円台に乗せたものの、その後はリスク回避による売り圧力に押されることとなった。ドルの上昇をモロにかぶったのはユーロドルのほうだった。ユーロドルは久しぶりに100ポイント急の値下がりとなった。米国株の大幅下げの過程でのリスクオフ成分が、ユーロ円に出やすかったことが最大の要因である。
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