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今井雅人の「どうする? どうなる? 日本経済、世界経済」

チャートをよく見て、相場の転換点を探れ。
大きな動きは長続きしないと考え、自分の
トレードを相場に合わせていくしかない

2022年02月03日(木)11:43公開 (2022年02月03日(木)11:43更新)
今井雅人

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方向感がつかめないときは、自分のトレードを相場に合わせていくしかない

 今週もよろしくお願いします。

 最近のFX市場を見ていると、短期間に上下どちらかに大きく動くものの、その流れは長くは続かず、今度は反対方向に急に戻るということが、各通貨ペアの中で起きているといます。

 こういう動きになってくると、中長期的なトレンドはなかなか出てこなく、方向感がつかめないという状況になってきます。

 こうしたときは、自分のトレードを相場に合わせていくしかありません

米ドル/円は112円台から116円台に上昇後、113.50円付近まで下落して、115円台半ばまで戻したものの、失速

 いくつかの動きをチャートで確認していきましょう。まず米ドル/円です。

 米ドル/円は112円台からの上昇トレンドが続き、それまでの高値だった115円台半ばを上に抜け、いよいよ118円、120円かと思われましたが、116円台に乗ったところで失速。その後下げに転じます。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 下げてきた局面では、ちょうど一目均衡表雲の上限となっていた113.50円付近のところで2度はねつけられ、いわゆるダブルボトムの形になって、その後、米ドル/円は上昇していきました。

【参考記事】
ユーロ/米ドルは、1.1200ドルを抜けるかがポイントに。米国の3月利上げはほぼ確実、金利上昇を背景に米ドル高へ戻る可能性(1月27日、今井雅人)

 しかし、その動きも長くは続かず、115円台半ばで失速し、現在は114円台に戻ってきています。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

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ユーロ/米ドルは1.12ドル台から1.15ドル台に迫った後、直近安値だった1.1186ドルを下抜けたものの、一気に反転

 次に、ユーロ/米ドルです。

 ユーロ/米ドルは1.12ドル台から1.13ドル台でのレンジ相場が続いていたものの、いったん上に抜け、1.15ドルに迫る勢いでしたが、すぐに失速しました。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

 その後は一転して下げに転じ、直近安値であった1.1186ドルを下に抜け、チャート上ではサポートを下に抜けた状態になりました。

【参考記事】
ユーロ/米ドルは、1.1200ドルを抜けるかがポイントに。米国の3月利上げはほぼ確実、金利上昇を背景に米ドル高へ戻る可能性(1月27日、今井雅人)

 しかし、チャートを下に抜けても動きは一時的に終わり、一気に反転してきています。

 一目均衡表で確認すると、雲を下に抜け、雲の下限からかなり乖離した状態で売られすぎになり、一気にその分を戻してきているということになります。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足チャート

(出所:TradingView

米長期金利上昇は株価に下落圧力をかけ、米ドル/円には下げ圧力がかかるが、崩れるにも限界がある

 何故、こういうことになっているか? ですが、インフレという現象がいろんな影響を与えているからだと思います。

 今、直近ではっきりしていることは、米国の金融引き締めが本格化しているということです。

 これだけを見ると、米長期金利(米10年債利回り)上昇に伴い、米ドル高になるということになりますが、ことはそう単純ではありません。

 米国が金利を上げていくということで、米長期金利は上昇しています。

米長期金利の上昇は、株価に下落圧力をかけます

 そうすると、リスクを回避しようという動きになり、円買いが進み、米ドル/円には下げ圧力がかかるということが起きます。

 しかし、株価も景気自体は悪くないので、崩れるにしても限界があります

為替レートは2つの通貨の交換レート。どちらも引き締め状態になると、その影響が読みづらくなってしまう

 また、インフレが加速しているのは、何も米国だけではありません。

英国では米国に先んじて金利の引き上げを実施しました。2月3日(木)に行われる会合でも、0.25%の利上げが予測されています。

ECB(欧州中央銀行)は、利上げにはかなり慎重ですが、それでも域内のインフレ率は5%を超えており、メンバーの中には金融引き締めへの転換の必要性を訴える者も出てきました。

 2月3日(木)のECB理事会では、今後の政策をどうしていくかが議論されるようです。

為替レートは2つの通貨の交換レートですので、どちらも引き締めという状態になると、その影響が読みづらくなってしまうということです。

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どちらかに大きく動く時があっても、それは長続きしないと考えて、逆に相場の転換を探る

 以上のように、影響が複雑に絡んでいることが相場の上下動を招いているということです。

 それに対応するのに有効な方法ですが、どちらかに大きく動く時があっても、それは長続きしないと考えて、逆に相場の転換を探ることです。

 上昇しているときは、いつ上げ止まるか、下落しているときは、いつ上昇に転じるか、それを探って、逆の動きが始まったらそれに乗っていく。

 簡単ではありませんが、チャートをよく見て転換点を見つけることをやってみてください。


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