本日でクリスマス前の取引は実質的に終了
そろそろクリスマス休暇に差し掛かってきました。
今年(2021年)は12月25日が土曜日なので、12月24日(金)が休日になっている国もいくつかあり、本日(12月23日)でクリスマス前の取引は実質的に終了するということになってくると思います。
クリスマス休暇が終われば、金融市場も本格的に稼働してきますので、そこからまたがんばっていきましょう。
【参考記事】
●欧米のクリスマスイブは祝日? 取引所は休場? 2021年末~2022年のクリスマスや年末年始にFXの取引時間が変則的にならない理由とは?
オミクロン株はすごい感染力だが、重症化リスクが低く、市場には何となく安心感が広がっている
さて、足元の市場の状況を見ていきます。
もっとも影響が心配されていたオミクロン株についてですが、予想どおり、感染力が従来のウイルスに比べて遥かに大きく、あっという間にデルタ株からオミクロン株へのシフトが各国で起きています。
たとえば、英国ではオミクロン株の感染爆発の影響で、1日の新規感染者数が10万人を超えています。
(出所:TradingView)
米国でも、オミクロン株は一瞬のうちに支配的になっています。
疫病対策センター(CDC)が明らかにしたところでは、確認された新規感染者の実に73.2%がオミクロン株になっているそうです。
米国で初めて感染者が確認されたのは、今月(12月)の1日のことで、そこからわずか3週間程度で、大半がオミクロン株に置き換わっているということになります。
すごい感染力であることは間違いありません。
ただ、明るい話もあります。
オミクロン株の感染が最初に広がった南アフリカでは、もうすでに1日の新規感染者が減少傾向にあるということです。
また、デルタ株に比べて重症化リスクが低いことも、これまでの症例から何となくわかってきています。
こうした報道が出てきていることを受けて、市場には何となくではありますが、安心感が広がってきています。
NYダウはオミクロン株発生前に近いところまで回復。クロス円での円安傾向が鮮明に
NYダウを見ても、オミクロン株発生前のレベルにほぼ近いところまで回復してきています。
(出所:TradingView)
他の主要国の株式市場も同様の傾向です。それに伴って、FX市場では、リスクオンからの円安が進行しています。
特に、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)での円安傾向が鮮明となっています。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 4時間足)
とりあえずは米ドル/円の115円を視野に
そのうえで、今後の相場展開について考えてみます。
FX相場にもっとも影響を与えるのは、米国の金融政策であることが大半ですので、私個人的には、全体的な米ドル高シナリオは崩していません。
【参考記事】
●米ドル/円は、じりじりと115円に向かうか。オミクロン株の市場への影響は限定的で、株高からの円安が緩やかに進む可能性(12月17日、今井雅人)
●米ドル/円は、年内に114円をしっかり抜けて115円台を目指すか。12/14~15に開催される、今年最後のFOMCが大きな注目材料に!(12月9日、今井雅人)
ただし、先日、英国でBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])が突然の利上げを実施したことや、ECB(欧州中央銀行)の関係者数名が、インフレに対する懸念を示していることも考えると、もっとも金融緩和政策からの転換が遅れる日本の通貨である円が売られていくというシナリオが、一番しっくりするということになると思います。
【参考記事】
●日本のFX投資家による円売りは過去最大。年末年始のフラッシュ・クラッシュに注意!米ドル/円かNZドル/円の売りが良さそう(12月20日、西原宏一&大橋ひろこ)
そうなると、米ドル/円だけでなく、クロス円での円安が進行しやすい状況になってきます。
クロス円の円安が進行すると、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルも下がりにくくなってくるので、米ドル高方向に向かう力は、そがれてしまうかもしれません。
オミクロン株の感染状況に気を配りながらも、米ドル/円を中心に円売りをするのが、今の環境下では一番効果が高いかと思います。
とりあえずは、米ドル/円の115円を視野に入れておきます。
(出所:TradingView)
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