2022年の米ドル/円は120円を目指し、さらには125円も視野に入ってくるのでは
皆様、あけましておめでとうございます。昨年(2021年)は1年間ありがとうございました。今年(2022年)もよろしくお願いします。
今年1年の相場に関してですが、いよいよ本格的な米ドル高・円安相場がやってくるのではないかと考えています。
現在、世界的にインフレが非常に進んでいます。この傾向は今年ずっと続くと思います。
そんな中、米国は金融引き締めに方向を転換しています。
また、英国のBOE(イングランド銀行[英国の中央銀行])も昨年末、予想外の利上げを実施しました。
こうした傾向は今後、ますます本格化していきます。
一方、日本ですが、物価は上昇してきていますが、他の先進国に比べるとそのペースはゆっくりとしています。
日銀は他の国の中央銀行とは違って、金融政策を引き締め方向にもっていくことには躊躇をすると思います。
そうなると、日本だけが金融緩和を続けるという状態となり、その結果、円が全体的に弱く、つまり円安になっていくと思います。
米ドル/円ですが、120円を目指し、さらには125円も視野に入ってくるのではないかと考えています。
(出所:TradingView)
FOMC参加者はインフレが過熱気味という認識を持っている
さて、足元の状況に目を移してみましょう。
2022年1月5日(水)にFRB(米連邦準備制度理事会)は、2021年12月14日(火)~12月15日(水)に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録を発表しました。
とても重要なことがいろいろ載っていましたので、その内容をかいつまんでご紹介します。
まず、一番重要な点として、FOMC参加者が、すでにインフレが過熱気味になっているという認識を持っているということです。
こういう認識があるということは、引き締めのペースが速まる可能性が高いということを示しています。
雇用の状況から、利上げの条件を比較的すぐに達成できると判断
インフレと並んで重要なポイントが雇用状況です。
FRBは自分たちの最大の役割として、物価の安定と雇用の拡大を挙げています。
その雇用状況に関してですが、議事録の中で、多くの参加者が「現在の改善ペースが続けば、労働市場は急速に最大雇用に近づく」と指摘しています。
さらには「労働市場の状況はすでに最大雇用とほぼ一致している」との認識を持っている人も複数いたことがわかりました。
そのうえで、利上げの条件を比較的すぐに達成できると判断しています。
「従来の想定より早い時期に、また速いペースで利上げすることが正当化されるかもしれない」との判断に傾いているようです。
量的にも引き締め方向に転換していく時期を早める可能性が高い
また、金融政策の正常化についても議論をしたことがわかりました。
ほぼすべての参加者が「最初に利上げをしたあとのある時点で、バランスシートの縮小を始めるのが適切である可能性が高い」と認識しているとの内容が議事録の中にありました。
これは、金利の引き上げだけではなく、量的にも緩和政策を大きく引き締め方向に転換していく時期を早める可能性が高いということを言っているわけです。
全体的に、FOMCのメンバーが金融の引き締めに非常に積極的であるということがよくわかる内容です。
米長期金利上昇は米ドル高を誘引。米ドル/円も当面は118円を目指していく
FOMC議事録の発表を受けて、米長期金利(米10年債利回り)はかなり上昇し、1.7%前後となっています。
(出所:TradingView)
米長期金利上昇は米ドル高を誘引します。米ドル高のレールは敷かれたと考えていいのではないでしょうか?
米ドル/円も当面は118円を目指していくと予想しています。
(出所:TradingView)
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