また、世界経済をけん引してきた中国が、実は良くなかったとか、「新興国ショック」みたいなものが、世界中に波及する可能性もあるかもしれません。
もし「新興国ショック」があるとすれば、リオデジャネイロ五輪が決まったブラジルではなく、やはり、中国発のほうがインパクトは大きいものになります。
特に、中国はこの先、IPO(株式市場の新規公開)が増えていくし、その需給要因がマーケットを圧迫する可能性は十分にあり得るし、少し崩れたところから、大きく崩れていくこともあり得ます。
そのようなことがいつ起きてもいいように、身構えておく必要が、絶対にあります。
■投資対象で、為替がいちばんわかりづらい!?
——最後に、持田さん自身が関わっていらっしゃる投資案件のことをお聞かせください。
私が関わっているファンドで取り扱っているのは、株式では、日本と米国の先物、為替では、米ドル、ユーロ、円といったメジャー通貨、債券では、米国の10年国債と30年国債、そして、日本国債もたまには扱います。商品では、原油と金を中心に、銀を扱うこともあります。
株は先物取引がほとんどですが、しばらく寝かせて置くつもりで、現物株を3月に買ったこともありました。
そして、日々のマーケットを見続けていくと、タイミングを逃さないものですよ。本当に。
今から1年後にどう動くかはわからないけど、あす1円、2円どちらに動くかはわかります。そういうのを繰り返していく。先のことはわからないので、日々の1つ、1つの短いトレードの積み重ねで、利益を得ています。
誰も、先のことはわからない。だから、ファンドのポリシーとしては、あまり長くポジションを持たないようにしています。
米ドル/円のポジションを持っている時間は、短ければ30分ぐらいです。あまり長く持っていても、先々がわからない。為替がいちばんわかりづらい。持っている時間が短いから、結果的に為替ではあまり損はしませんね。
米ドル/円 30分足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 30分足)
株も、あまり長くはポジションを持たないようにしています。長くても1週間ぐらい。
昨年のサブプライムショックで、世の中のヘッジファンドのなかには数十パーセント単位で損失を被ったものもザラにあったようですが、それではヘッジの冠が泣いてしまいます。
■マーケットは、人間の目で見ることが大事
——売買を行う際の根拠を教えてください。ヘッジファンドの中には、システムトレードを行っているところもあるようですが?
システムトレードには興味がありません。一時はやったけれど、ダメでした。
我々の結論としては、怖さがないので、人間が買えないところを買っていけるメリットはあるけれど、それがイケイケのトレンドならば良いものの、微妙な動きをする時には向いていない。だけど、実際のマーケットは微妙な動きをすることが多いので、ムリかなぁと。
マーケットは、人間の目で見ることが大事です。チャートも確かに見るけれど、マーケットの動きがすべてだと思います。
もちろん、マーケットの動きを補完する意味で、ファンダメンタルズを頭の中に入れているし、それなりのビューを持って臨んではいます。
株も、あまり長くはポジションを持たないようにしています。長くても1週間ぐらい。
昨年のサブプライムショックで、世の中のヘッジファンドのなかには数十パーセント単位で損失を被ったものもザラにあったようですが、それではヘッジの冠が泣いてしまいます。
■マーケットは、人間の目で見ることが大事
——売買を行う際の根拠を教えてください。ヘッジファンドの中には、システムトレードを行っているところもあるようですが?
システムトレードには興味がありません。一時はやったけれど、ダメでした。
我々の結論としては、怖さがないので、人間が買えないところを買っていけるメリットはあるけれど、それがイケイケのトレンドならば良いものの、微妙な動きをする時には向いていない。だけど、実際のマーケットは微妙な動きをすることが多いので、ムリかなぁと。
マーケットは、人間の目で見ることが大事です。チャートも確かに見るけれど、マーケットの動きがすべてだと思います。
もちろん、マーケットの動きを補完する意味で、ファンダメンタルズを頭の中に入れているし、それなりのビューを持って臨んではいます。

しかし、取引に入る瞬間は、あくまでもマーケットの値動きを見て行います。
■マーケットの情報をすべて知ることはできない
逆に、マーケットが動いた時、その根拠となった情報は、後からわかることのほうが多いです。実際、マーケットにある情報をすべて知ることはできません。
何かが起こっているとか、違うことが起きているとか、マーケットの値動きを通して感じることができます。そのためには、為替だけでなく、マーケット全体を見ることが大切です。
それを見て、「上がるぞ」とか、判断する。またテクニカルを見てみて、これがサポートだとか、チャートを見て狙うことも、たまにはあります。
また、基本的にはナンピンはしませんが、材料を集めた中で、大丈夫だと思ったら、自信を持ってナンピンすることもあります。
ただし、相場の王道はあくまで順張り。だから、順張りで入ろうと思って、マーケットに向き合うのが基本的なトレードのスタンスなんですよ。
(取材・文/ザイFX!編集部・小林由二 撮影/和田佳久)
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