昨日は欧州序盤でロシア軍の一部撤退が伝えられ、それが緊張緩和を示すものだと好感された。マーケットは急速にリスクテークへと傾き、世界的に株価は急伸するに至った。日経先物もナイトセッションでは東京クローズよりも500円高となった。
リスク許容度の増加によりリスクに敏感とされるクロス円の値上がりも激しい。ユーロ円は1円以上も急騰した。ドル金利は再び上昇してきて、10年ものの利回りは再び2.0%を越えてきた。
しかしそもそも今年の入ってからの株価の下げはドル金利の上昇に負うところが大きい。したがってウクライナ情勢の悪化事態では、それほどもリスク回避してこなかったという経緯がある。
だからウクライナを巡る環境が好転したからといって、株価の戻りはさほども期待できないであろう。当初から紛争は戦争にはつながらず、意地の悪い高度な火遊びだったと思われていたからだ。
そういうことでニューヨーク時間に入ってからのリスクテークはさほどでもなかった。むしろドル円やユーロ円でやや利食い売りを急ぐような動きも見えて、相場の頭は重くなりつつある。
ロシア軍の話しで市場の関心がそれてしまったが、昨日出たPPIは予想を超えるものだった。PPIが現状でこのように高いということは、3ヶ月くらい遅れて効果の現われるCPIも、5月、6月くらいまでは伸びる余地があるということだ。
これから出てくるCPIの数値を確認しながらのFRBの操作だと考えると、3月の50ベーシス利上げは止むをえないどころか、6月の50ベーシス利上げも避けられない情勢になってきている。
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