ECBの決定は市場のコンセンサスを上回るものだった。まったくスタンスを変えないだろうという風に見られていたのだが、タイトニングに向かうスケジュールが前倒しにされた。テイパリングの停止、利上げ、そして資産規模の縮小と続く流れを、3ヶ月分ほど前倒しになることを示唆したのだ。
これで年内の利上げは決定ということで、直後にユーロは買われ、ユーロドルは1.11台に乗せる局面もあった。しかしここがいちばんユーロの高いステージだった。私もユーロをどこかで売りたいと思って居たので、1.11台というのはちょうど良い売り場となった。
やはりウクライナから近いという地政学リスクは無視できないし、来週はドルの利上げが迫っている。タイトなストップでもいいから、とりあえずユーロショートに構えてみることに。
アメリカのCPIが予想と一致。あまり市場にインパクトを与えなかった。たとえ数字がどのようなものであっても、 古いデータであり、最近のロシア情勢を織り込んでいないということで無視されただろう。CPIは高止まりしているので、インフレ懸念は去ってはいないのだ。ドル相場は切り返し、ユーロドルは下落に向かった。
ドル円は上がるには上がっているが、相変わらず鈍い。ユーロドルの利食いを1.1050と1.1000ですることができた。市場が振らされたのは、原油相場のブレによるものもある。UAEの態度が反対のものが出てきたからである。それでも最終的にはプーチン大統領が経済制裁でも契約を履行するという発言もあり、原油価格は114ドル台から106ドル台まで戻してきて、一難は去った。
今夜もウクライナ問題で振らされることになるだろう。私としてはスタンスが変えずにユーロの戻り売り姿勢で臨むつもりである。
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