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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル/円はしばらく、米ドル安で上値が
重くなることを想定しておきたい。市場の
見方が偏り、調整が大きくなる可能性も!

2022年08月12日(金)14:17公開 (2022年08月12日(金)14:17更新)
陳満咲杜

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米雇用統計と米CPIの結果で、米ドルは急騰急落

前回のコラムでは、「台湾有事のリスクオフなし」と言い切ったが、そのとおりの展開となってきた。

【参考記事】
米ドル/円の8月2日の切り返しで、米ドルの調整が完了したとの思惑が強くなると危険。米ドル高一服の可能性に警戒したい理由は?(2022年8月5日、陳満咲杜)


 昨日(8月11日)、NYダウは、いったん3万3649ドルをトライし、日経平均も執筆中の現時点で2万8463円まで買われた

NYダウ 日足
NYダウ 日足チャート

(出所:TradingView
 

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

 そしてリスクオフの米ドル買いは続かず、ドルインデックスも、いったん104.51まで反落した。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足チャート

(出所:TradingView

 もっとも、ドルインデックスの反落は、米CPI(消費者物価指数)のリリースを受けた結果であった。大半の市場参加者にとって、米CPIが想定より低い数値になったことがサプライズだったのようで、米ドル売りが膨らんだ。

 それまでに再び米ドル買いポジションが積み上げられていたから、損切りの連続があったと推測される。しかし、それは「台湾有事」とは、あまり関係なかった。先週末(8月5日)の米雇用統計が、想定より大分、良かったことに起因する側面が大きかったと思う。

 要するに、雇用統計の好調で米利上げ加速の観測が一時高まり、米ドル買いにつながったが、米CPIの反落でその期待が剥落し、米ドルロング筋の狼狽売りに繋がったということだ。

 夏枯れ相場による流動性の低下も大きな要因だと思うが、最近の値動きは極端に激しい。

 先週末(8月5日)、米雇用統計がリリースされた後、1時間で2円ほど米ドル/円が上昇したことに驚くトレーダーは多かったはずだが、米CPIがリリースされた後、米ドル/円は3秒で1円ほど下落、さらに1分後、もう1円の下落幅を達成し、多くの市場参加者が度肝を抜かれた。

米ドル/円 1時間足
米ドル/円 1時間足チャート

(出所:TradingView

 しかし、短期間における変動率自体が極端に拡大した場合、その後、逆に続かないケースが多い。嵐が通過した後、しばらく静かになる風景のように、マーケットはいったん落ち着いてくることも想定される。

 いずれせよ、筆者の主張、すなわち米ドル/円の反落がなお続くことが証左され、しばらく米ドルの頭が重いことを想定しておく必要がある。

 換言すれば、円はしばらく強気の変動を保てる可能性が高いが、それは円高ではなく、あくまで米ドルの調整、すなわち米ドル安であることに注意していただきたい。

米ドルは主要外貨に対し、そろって反落。しかし米ドル売りを急がなくてもよい

 ドルインデックスの反落が物語るように、米ドル全面高はいったん頭打ちとなり、スピード調整の先行で対円のみではなく、対ユーロ、英ポンド、豪ドルなど主要外貨に対し、そろって反落してきた。

米ドルVS世界の通貨 日足
米ドルVS世界の通貨 日足チャート

(リアルタイムチャートはこちら→ FXチャート&レート:米ドルVS世界の通貨 日足)

 この流れのままでは、円に続く弱い存在であったユーロでさえ、一段と切り返しの余地があるから、しばらく米ドルを買いにくい。

 米ドルを買いにくいとは思うが、米長期利回りの状況と合わせて見る必要があり、目先、米ドル売りを急ぐような環境でもない気がする。

 保ち合い市況の先行が有力視され、重要経済指標のリリースも通過したこともあって、しばらくは夏枯れ相場の特徴、すなわち変動率の低下が見られるのではないかと思う。

 FOMC(米公開市場委員会)まで、まだ時間があるから、しばらくは上下しながらも、一昨日(8月10日)の米CPIリリース後のような波乱は見られないかもしれない。

 株式市場の急変がない限り、しばらく急落や急伸といった波乱を回避できる公算が高い。

「米利上げ継続なら株の下落トレンドは続く」という理屈が目先、試されている

 株式市場に関する見通しは、最近になって大分、変わってきた。米株をはじめ、日米欧株のリバウンド、また、その継続性に懐疑的な見方が大半であったが、ここにきて動揺し始めた模様だ。

 また、教科書どおりになっていないことも、多くの市場関係者の焦りをもたらし、ベア(下落)マーケットの継続を疑問視し始める要因となっている。

米利上げ継続なら株の下落トレンドは続く、このような単純な理屈が、少なくとも目先、試されている

 利上げ幅の縮小があるかもしれないことを認識しても、さすがにこのままブル(上昇)トレンドへの復帰はなかろうと考える一般個人投資家が多かった分、焦りも大きかったのかもしれない。

 ファンダメンタルズの多くは難解であっても、テクニカル上のポイントを掴める自信があるという個人投資家が多い気がする。

 しかし、そこにも大きな落とし穴がある。そのことを、実はこの前、ナスダックを例にして筆者がツイッターで指摘しているのだが、結果的に、また想定どおりの展開となった。


 8月5日(金)の指摘であったが、その後、ナスダックは続伸。ツイートしたようにメインレジスタンスラインをブレイクし、昨日(8月11日)、いったん1万3026ドルまで買われた。

 積極的に買われたというより、米株ベアトレンドの継続にかけ、また教科書どおりに大きな節目を狙ったショート筋の損切りがもたらした結果ではないかと見る。

 相場は“理外の理”だからこそ不確実性に満ち、不確実性が大きいからこそおもしろい。

 株式市場の将来の見とおしに関して、手放して強気スタンスを強調できる段階ではないが、トレンドがすでに大きく推進してきた分、一部機関投資家を含め、市場参加者の思い込みが偏りやすい。そのため、想定より大きな修正があり得る

 目下、株式市場はそのような段階ではないかと見て、日経平均で言うなら、2万9000円台への逆戻りもあり得るだろう。

 米ドル全般のトレンドも、それにあたる。米ドル全面高があまりにも推進してきたから、多くの方の見方が米ドル高しかないと偏っているかもしれない。だからこそ、米ドル全体が、だらだら調整してくるうえに、調整の幅が一般市場参加者の想定より大きいかもしれない。市況はいかに。

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