CPIに引き続き、PPIも低めに出た。前月比でマイナスと出たのだ。前月分と比べるのだから、マイナスで出てもおかしくはないところだ。しかし実際に目の前に見せつけられると、世間で期待されているインフレ率の上げ止まりを予感させる。バイデン大統領が政策実施で誇らしく語っているところのものだ。
確かにこれらインフレ指標の発表を通じて、ドル相場は軟化した。行きすぎたドルの買い持ち分を多少は吐いた格好だ。ユーロドルもここ最近のコアレンジであった1.0150から1.0250までの間を上抜けてきた。そして米国株も堅調。米国株は今年の半値近くまで戻してきた。
しかし肝心の金利相場はここ2日間で反転・上昇してしまった。短期金利も長期金利も30ベーシスポイントくらいの上昇となって、次の指標を待っている様子である。足元では住宅関連や小売りで物価高が収まっておらず、それが素直にインフレ指標を読み込めないでいる現状なのだろう。
為替相場は素直であった。PPIのマイナスを見て、まずは131円台のミドルまで差し込んだ。しかしその後は徐々にドルが切り返し。133円台まで値を戻すこととなった。私は日本がお休み中はやらないでおこうと決めていたのだが、ドル金利の上昇に伴うドルの切り返しには手を出さずにはいられなかった。それでも手を出すのが遅かったので、ドルの上げ相場を十分にエンジョイするには至らなかった。
市場は今年の残り3回のFOMCでの利上げ幅を甘く考えているようだ。インフレ対策のためならば、アルゼンチンのように50%とまでは行かないまでも、10%近くまで上げてもおかしくはない。それが2.25%の現行でインフレ撲滅が成功したなどと公言している大統領の話は眉唾ものである。
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