米ドル高トレンド再開。ユーロ/米ドルは、2度目のパリティ割れが視野に入ってきた
乱高下が続いていた米ドル相場でしたが、ここにきて、再び米ドル高トレンドに乗ってきた可能性が出てきました。
一番わかりやすいのが、ユーロ/米ドルです。
ユーロ/米ドルは、7月にパリティ(=1.00ドル)を割り込む展開となっていましたが、その後は反転して、一時、1.03ドル台後半にまで達していました。しかし、この1週間ほどは継続的にユーロ安・米ドル高の流れが続いて、1.00ドル台まで下落してきました。
(出所:TradingView)
7月以降に形成していたレンジを、下に抜けた形となっています。チャートでみると、いよいよ2度目のパリティ割れが、視野に入ってきたようです。
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FOMC関係者の市場の先読みに対する度重なる警告は、景気低迷を抑えられる自信の現れか
こうした米ドル高の背景にあるのは、米国の金融政策です。
米国では最近、景気に関する指標が強弱混じった状態になってきています。そうしたことを背景に、米ドル高相場は終わったのではないかという見方が広がっていました。私自身も、そういう可能性はあるなと考えていました。しかし、値動きだけをみると、米ドルは非常にしっかりした動きをしています。
その背景にあるのは、FOMC(米連邦公開市場委員会)メンバーの度重なる発言です。
フェデラル・ファンド(FF)の金利先物市場では、来年(2023年)の夏場には利下げが始まることまで織り込みはじめていました。それに対してFOMCの複数のメンバーが、「利下げの話をするのは時期尚早である」というニュアンスの発言をしています。
また、先日、米国のCPI(消費者物価指数)の結果が予想を下回るものとなったときも、「1つの結果だけで判断するのは早計である」という発言がみられました。
FOMCの関係者が、繰り返し市場の先読みに警鐘を鳴らすような発言をしているのは、メンバーのインフレ抑制に対する強い決意です。そして、利上げによる景気低迷もある程度のところで抑えられる、という自信からきていると思います。
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9月FOMCの利上げ幅が0.5%でも0.75%でも、結局は米ドル高になっていく展開を想定
8月はFOMCがありませんので、次回は9月ということになりますが、ここでは0.5%か0.75%の利上げが実施されるという見方が広がっています。
今後の経済指標の結果次第ですが、今の状態では0.5%の利上げになると、私自身は考えています。
では、そのときに米ドルはどういう反応をしていくのでしょうか?
仮に0.75%の利上げになれば、短期的に米ドル高がさらに進むことになると思います。逆に0.5%の利上げとなった場合ですが、確かに短期的には米ドル高にマイナスに作用するでしょう。
しかし、中期的に考えると、利上げのペースをやや緩めることは、米国経済のソフトランディングに寄与することになるという評価になって、結局は米ドル高になっていくという展開が想像できます。そういう点を、市場が評価する可能性は十分にあります。
【参考記事】
●米ドル/円は138円台まで上昇したが、この程度では止まらない! FRBに利上げ以外の選択の余地はなく、米ドル高の傾向は続く!(7月4日、今井雅人)
(出所:TradingView)
米ドル/円は再び、139円台が視野に入ってきた。米ドル高のトレンドを狙って、米ドル買いポジションをキープしたい
さて、米ドル/円ですが、しばらく131~135円台でのレンジが続いていましたが、足元では136円台へ上昇してきました。
値動きだけをみると、ユーロ/ドルのパリティ割れだけではなく、米ドル/円でも再び、139円台が視野に入ってきたように見えます。
(出所:TradingView)
ここまで米ドルが強いのは、正直、やや驚きですが、流れについていくしかありません。ここまでは、米ドルの押し目買いを推奨してきましたが、この1週間は米ドル高のトレンドを狙って、米ドル買いのポジションをキープしてみようと思います。
【参考記事】
●米ドル/円は、1米ドル=140円を目指して上昇する環境が整った! まだまだ上昇する可能性があると考える、3つの理由を解説!(6月30日、今井雅人)
●米ドル/円は最低でも140円、1998年高値の147円台後半や、150円が目標になる可能性も。米ドル/円の買いポジションをキープ!(6月23日、今井雅人)
●米ドル/円は、147.66円の1998年8月高値がチャート上の上値目標に。資金管理に気をつけながら、さらなる円安方向で勝負したい(6月9日、今井雅人)
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