米国の6月CPIは衝撃の前年同月比9.1%の増加! FRB関係者にとって非常に悩ましい状態に
7月13日(水)に発表された米国の6月の消費者物価指数(CPI)は衝撃の結果でした。前年同月比9.1%の増加となりました。
【為替ニュース】【速報】米・6月消費者物価指数は予想を上回り+9.1%
— ザイFX! (@ZAiFX) July 13, 2022
日本時間13日午後9時30分に発表された米・6月消費者物価指数は予想を上回り、前年
比+9.1%となった。
【経済指標】
・米・6月消費者物価指数:前年比+9.1%%(予想:+8.8%、5月:+… #zaifx #fxhttps://t.co/VugpTQxs4W
1981年11月に9.6%の増加というのがありましたが、それ以来約40年半ぶりの高い水準となっています。また、市場予想が8.8%の増加ですので、予想と比べても上振れしています。
ご存じのとおり、FRB(米連邦準備制度理事会)は今年(2022年)に入ってからインフレ抑制のために利上げを継続的に実施しています。6月にいたっては一気に0.75%引き上げました。
一方、足元では、原油価格は低下傾向にあります。それにもかかわらず、インフレは加速している状況が明らかになり、FRBの関係者にとっては非常に悩ましい状態に陥っています。
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金融市場は7月のFOMCで1%利上げする確率を7割程度一気に織り込んだ
こうした結果を受けて、金融市場も敏感に反応しています。
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)に上場しているもFFレート(※)の先物の価格を見ると、7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で1%利上げする確率を7割程度一気に織り込みました。ちなみに、今月のFOMCは7月25日(月)~26日(火)に予定されています。
(※編集部注:「FFレート」とは、フェデラルファンド金利のことで、FF金利とも呼ばれる。米国の政策金利)
また、昨日(7月13日)はカナダ中銀が政策金利を1.5%から2.5%に一気に1%引き上げましたので、FRBも1%引き上げるのではないかという観測も現実性を帯びてきているということです。
「景気が後退するリスクより、インフレが長期化するリスクの方がよほど問題である」
1つだけ言えることは、ともかくこれだけインフレが加速してしまっている以上、FRBはこれまで以上に金融引き締めをせざるを得ないということです。
現在、急速な利上げによって、米国経済が景気後退に陥るのではないかという声が大きくなってきています。
たしかに、昨日の米CPIの結果があっても、米10年債利回りは上がりません。一方、2年債、3年債のような比較的短い期間の米金利は上昇し、いわゆる逆イールドの状態がさらに進んでいます。
(出所:TradingView)
逆イールドは、一般的には将来的な景気後退を暗示すると言われています。しかし、そういうリスクがあることは分かっていても、FRBに選択の余地はありません。
事実、パウエルFRB議長は「景気が後退するリスクより、インフレが長期化するリスクの方がよほど問題である」という趣旨の発言をしています。
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米ドル全面高の展開は今後も続く。米ドルロングで勝負を続けることがベスト
これから、年末にかけては、FRBが利上げペースを加速することはほぼ間違いありません。
それに合わせる形で、米ドル全面高の展開は今後も続くでしょう。
米ドル/円はすでに138円台にまで上昇していますが、こんなところでは止まらないと思います。140円が直近に迫ってきました。
【参考記事】
●米ドル/円は、1米ドル=140円を目指して上昇する環境が整った! まだまだ上昇する可能性があると考える、3つの理由を解説!(6月30日、今井雅人)
●米ドル/円は最低でも140円、1998年高値の147円台後半や、150円が目標になる可能性も。米ドル/円の買いポジションをキープ!(6月23日、今井雅人)
●米ドル/円は、147.66円の1998年8月高値がチャート上の上値目標に。資金管理に気をつけながら、さらなる円安方向で勝負したい(6月9日、今井雅人)
(出所:TradingView)
ユーロドルもパリティ、つまり、1.0000ドルを下に抜けて、さらなる下落となる可能性が高いと考えています。
(出所:TradingView)
この米ドル高はどこで終わるのか、正直よく分かりません。しかし、米国のインフレが鈍化してこない限り、米ドル高傾向は続く可能性は高いことはたしかです。それが、年内に来るのか、来年までかかるのか、これからの指標を見ながら判断することになります。
現在はともかく、米ドルロングで勝負を続けることがベストと考えています。
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