オーストラリア中銀が25ベーシスの利上げにとどまった。これが利上げサイクルの終了も間近いのではないかとの観測を促した。欧州債や米国債は一斉の利回りを下げる。7月下旬から8月にかけて起こったのと同じ構図となった。
つまり勝手にマーケットが金融当局の腹を勘ぐっているのだ。しかも都合の良い方に。それを好感して欧州株や米国株は前日に引き続いて、大幅な上昇と演じることとなった。 FRBはとくに12月の利上げ分が50ベーシスに落ちるのではないかという思惑が強まっていたところだ。
その根拠はFRBのレポートで来年にかけて失業率が4.4%台まで上昇すると想定していることだ。利上げが景気の下振れリスクになるということを主張したものだ。しかし現状の失業率が3.5%とか3.6%であるのに、金融ショックもなく4.4%まで上がるのかという不思議さもある。失業率の推定に無理があるとすれば、来年3月のFOMCまでは75ベーシスずつの利上げは避けられないところなのだが。
ユーロドルの反応は強烈だった。0.98台の前半でもんでいたのだが、0.95台まで突っ込んだ後のマックス戻しであった。09840l近辺を越えてきてからはまったくの押し目らしい押し目を作らずに値が持ち上がった。
そしてついにパリティにワンタッチするところまで吹き上がったのである。たしかに短期的にはショートポジションもたまっていただろう。それに利上げサイクル終了への期待が高まったのが加わったものである。ドル買いには一服感が出て、ドル円も若干ながらも売りに押された。
ニュージーランドは予想通りに50ベーシスの利上げだった。これをもって利上げ終了の観測が飛んでしまったということはできないが、これまでの流れ、すなわちドル売りの流れは止まっている。果たしてこれが継続するかどうか。
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