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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル売りは行きすぎ! だからこそ米ドル/円を含む
米ドル全体の切り返しを想定しておきたい。米CPI
発表後の下落は短期的にクライマックスの可能性も

2023年01月13日(金)17:31公開 (2023年01月13日(金)17:31更新)
陳満咲杜

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米CPIを通過し、米ドル全面安が一段と進んだ

 米CPI(消費者物価指数)通過で、米ドル全面安が一段と進んできた。市場の想定どおり、米インフレ状況の一段緩和が見られ、米長期金利(米10年物国債利回り)の再低下と相まって米ドルが売られたのも自然ななりゆきであり、特筆するところはないと思う。

ドルインデックス 4時間足
ドルインデックス 4時間足チャート

(出所:TradingView

 一方、円の事情は少し変わる。米ドル安を受けた円買いがあった上に、日銀政策修正の報道が円買いを促進。いったん米ドル/円の129円の節目割れがもたらされた。

米ドル/円 4時間足
米ドル/円 4時間足チャート

(出所:TradingView

 言ってみれば、昨年(2022年)10月高値からの下落波の延長自体が米ドル全面安の一環として解釈されやすいが、日銀政策に関する憶測の方がむしろ「隠れたテーマ」となり、米ドル売りの一段行きすぎにつながった

米ドル売りには2023年後半の米利下げも織り込まれ始めている!?

 米ドル売りの行きすぎは、基本的に2つの視点からフォローできる。

 1つは、昨晩(1月12日)発表された米CPIは想定どおりの数字だったのでサプライズなしだったが、やはり値動きに大分織り込まれてきた。

 だからこそ、下の日足チャートで見られるように、大型「下落ウェッジ」の形成や進行が最終段階にあることが推測される。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 もう1つは、日銀政策修正の報道はサプライズであったが、それでも前述のフォーメーションの一環として扱えるから、米ドルの下値余地は限定されると推測できる。

 ドルインデックスの日足から考えて、先週末の(1月6日)米雇用統計を受けた反落を踏襲する形での続落は、昨年(2022年)のトップアウト後の反落をさらに推進する結果となった。

 一方、下のチャ―トが示しているように、再三に渡って下落ラインをトライしつつも、同ラインの制限が効くなら、いったん下げ止まりも見えてくるから、米CPI通過後の米ドル売りが、そろそろ一服してくるのもサプライズではなかろう。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足チャート

(出所:TradingView

 重要な視点として、やはり米ドル全体は昨年(2022年)9月末にてすでに頭打ちし、そこから大分反落してきたから、その分、米ドルの買われすぎを完全に解消した上で、米利上げに関する思惑を大分織り込んできたと言える。

 なにしろ、米ドル全面安が、今回の米CPIのサプライズなしでも続いてきたことで、今年(2023年)前半における米利上げ周期のピークアウトのみではなく、年後半における利下げまで織り込もうとする市場関係者らの思惑が透けて見える

 利下げまで織り込み始めたとすれば、目先の米ドル安にも十分反映されたと言える。ゆえに、少なくとも一直線的な米ドル安の一段進行を回避できる公算が大きい。

近々、米ドル/円を含む米ドル全体の切り返しがあることを想定

 米10年物国債利回りを観察すればわかるように、年初から大幅反落してきたものの、現時点でまだ昨年(2022年)12月安値を割り込んでいない。

米10年物国債利回り 日足
米10年物国債利回り 日足チャート

(出所:TradingView

 さらに、昨年(2022年)12月6日(火)安値から同月末までいったん大きく切り返していたが、ドルインデックスにも米ドル/円にも連動した反騰が観察されなかった。米金利見通しに関する思惑は、少なくとも昨年(2022年)12月中において、為替相場の値動きを主導できなかった模様だ。

 米ドル/円の話なら、昨年(2022年)12月20日(火)のいわゆる「黒田緩和修正ショック」の発生で何とか解釈できるが、米ドル全体(ドルインデックス)の説明はつかない。

 言ってみれば、昨年(2022年)12月中における米長期金利の切り返しを無視した米ドル全体の続落は、そもそも行きすぎの疑いがあったから、目先、米長期金利の反落をもって米ドル全体のさらなる下値打診の可能性を解釈するのも適切ではないかもしれない。

 前述のように、米ドル全体の大幅続落は、「今年(2023年)後半にて米利下げあり」といった思惑まで織り込んでいる可能性が大きい以上、想定どおりのCPIの発表で一段下落してきたものの、いわゆる「クライマックス」の段階にある可能性がある。

 もちろん、ここで言う「クライマックス」はあくまで段階的な現象であり、また短期スパンに限定した話だが、米ドル売りが行きすぎであること、また同行きすぎがあったからこそ、近々米ドル/円を含めた米ドル全体の切り返しがあることを想定しておきたい。

 市況はいかに。

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