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西原宏一の「ヘッジファンドの思惑」

豪ドルの続伸と、上値余地の拡大したユーロ/米ドルに
注目! ユーロ/米ドルは、中期スパンで1.15ドルに向けた
上昇を再開。銅価格の急上昇が、中国の経済再開を示唆

2023年01月12日(木)14:45公開 (2023年01月12日(木)14:45更新)
西原宏一

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10月から反発を開始したゴールドと豪ドルは続伸中!

 みなさん、こんにちは

 過去のコラムで何度かご紹介させていただいているように、今年はコモディティ(商品)の年だと考えています。

【※関連記事はこちら!】
【2023年のFX予想】米ドル/円は日銀の事実上の利上げで急落したが、さらなる円高(下落)の進行には懐疑的。来年のテーマはコモディティ!? 豪ドルやNZドルに注目!(2022年12月22日)

 そして、コモディティの代表ともいえるゴールドは年初も底堅く推移。

 ゴールド関係者の間では世界の中央銀行によるゴールド買いが話題になっています。

 2022年第3四半期だけで中央銀行によるゴールドの買いは過去最高の400トンにも及ぶと報道されています。

 下図はゴールドの日足チャートです。

金価格・日足
金価格・日足

(出所:TradingView

 ゴールドは昨年(2022年)11月3日から一方的に上昇し、本稿執筆時点では1900ドル近くまで大きく値を上げています。

 この上昇開始の起点は、このコラムで僕がニュージーランドドルの反発の可能性をご紹介させていただいたタイミングと同じ。

 他のマーケットをチェックすると、ハンセン指数(上昇)やドルインデックス(下落)も同じようなタイミングで方向を変えています。

昨年からゴールドと豪ドルは高い相関性を維持

 そしてゴールドといえば豪ドル/米ドルを連想させます。

 下図ゴールドと豪ドル/米ドルの日足の相関チャート。

金価格と豪ドル/米ドル・日足
金価格と豪ドル/米ドル・日足

(出所:TradingView

 2021年まで、ゴールドと豪ドルの間には注目するほどの相関性は確認できませんが、チャートが示すように、昨年(2022年)のゴールドと豪ドルは高い相関を保っています

 ここで豪ドルの動向に影響を与えるプロダクトを確認してみましょう。

 豪ドルに大きな影響を及ぼすマーケットとしては、まず鉄鉱石が上げられます。

 次に上海総合や、米国株など。

 豪ドルはリスクアセットの代表ともいえる通貨ペアであるため、リスクアセットである株の動向にも影響されるわけです。

 ただ、もともと豪ドルとゴールドには相関の高い時期があり、僕はゴールドの推移を横目に豪ドル/米ドルをトレードしていた時期もあります。

ゴールドの上昇は豪ドルを支える要因ともなっているわけです。

 一方、前述のようにドルインデックスも同時期に反落しているのであれば、為替市場では反発している通貨ペアがあるはずです。

 それはユーロ/米ドル。

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西側のロシア制裁が米ドルの地位を下げる!

 ドルインデックスは、50%以上ユーロで構成されているため、ドルインデックスの続落(=ドル安)はユーロ/米ドルの反発(=ドル安)を意味します。

 結果、ユーロ/米ドルも豪ドルより少し早いタイミングで、0.9500ドル台の安値に到達して以降、続伸中。

ユーロ/米ドル・日足
ユーロ/米ドル・日足

(出所:TradingView

 このユーロ/米ドルの反発の要因のひとつが中国経済のリオープニング(=経済再開)です。

 僕が豪ドル/米ドルに強気である理由のひとつは、この中国経済の回復期待もあります。

 中国経済の復活は、豪州のみならず、ドイツを筆頭とした欧州にもポジティブ要因になります。

 その中国経済のリオープニングを表しているのが、今年に入って急上昇中している銅価格

 1月11日のロンドン金属取引所(LME)の銅相場は、昨年6月以来となるトン当たり9000ドルを突破しました。

 銅は広く産業に使われます。

 この銅価格の急上昇は中国需要の回復を見ているともいえ、中国経済がリオープニングするとの見方の裏付けともなっています。

 加えて、ドイツをはじめ欧州株が強くなってることも、ユーロ/米ドルを支える要因ともいえます。

 そして、ユーロ/米ドルの行方を占う場合、ユーロではなくドル安という側面から考えれば、先週金曜日(1月6日)に発表された米国平均時給やISMの数字が悪化したからという材料があげられます。

 ただ、そうした短期の経済指標以上にマーケットの一部では、Sanctions Hurt USD Status(=西側の制裁が米ドルの地位を下げる)という見方も増えています

 ロシア銀行セルゲイ・グラズィエフによれば、「米国、EU、英国の金融規制当局は、 西側中央銀行の預金口座にあるロシアの外貨準備を凍結し、世界の基軸通貨としての米ドル、ユーロ、 英ポンドの地位を低下させた。この措置は米ドルを基軸とする経済的世界秩序の解体を急激に加速させた」としています。

 つまり反米の新興国が、反米の貿易相手国との国境を越えた取引で、なぜ米国の米ドルを使わなければいけないのか?

 言い換えれば、合意された代替通貨があれば、米ドルの代わりにそれを使用すればいいだけです。

 例えば、ロシアと中国の貿易は人民元を使用するということを意味します。

 つまり、西側のロシアに対するSanction(=制裁)が米ドルの地位を下げ、米国の金利の推移とは別な要因で米ドルを大きく劣化させる可能性が高まっているといえます。

 こうした見方は2021年までは一つの可能性として語られていたのですが、昨年のロシアによるウクライナ侵攻以降、こうした考え方が徐々に拡大していることも確かなので、要注意です。

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ユーロも対米ドルで続伸、ユーロ/米ドルは1.1500ドルに向けた上昇過程に! 

「Dr.カッパー」が中国経済のリオープニングを示唆していること、ゴールドを筆頭としたコモディティの上昇を背景に豪ドル/米ドル、豪ドル/円の上昇トレンドは変わらず。

(※編集部注:銅が幅広い用途で使われ、企業のさまざまな経済活動に関わっていることから、「Dr.Copper(カッパー)=銅価格が景気の先行きを見通せる」といった意味で使われます)

 一方、中国経済のリオープニングとドイツをはじめとする欧州株が強くなってることで、ユーロ/米ドルの上値余地が拡大しており、中期では1.1500ドルを目指して上昇再開と考えています。

豪ドル/米ドルに続き、1.1500ドルに向けて上昇過程にあるユーロ/米ドルにも注目です。


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