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志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」

日本から円高材料がでなければ、米ドル/円はもみ合い、
もしくはジリジリ上昇する展開か。「ザ・セイホ」が、
為替市場を久しぶりに賑わしている理由とは?

2023年04月13日(木)17:39公開 (2023年04月13日(木)17:39更新)
志摩力男

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YouTube動画「週刊!志摩力男」では、志摩さんがより注目しているテーマをピックアップし動画で解説します。動画を視聴したら、続けて最新コラムをご覧ください。

週刊!志摩力男


米国のリセッションがどの程度になるのか見方はバラバラ

 3月10日(金)、SVB(シリコンバレー銀行)、シグネチャー銀行と米銀2行が破綻しました。その翌週(3月13日~)、スイスの名門クレディ・スイスがUBSに救済合併されました。こうした金融不安で米ドル/円は一時130円を割り込み129.65円へと下落しました。

 しかし、ファースト・シチズンズがSVBを買収したこともあり、米ドル/円は133円台へと反発しました。

 4月に入り、予想以上に悪い米経済指標が次々と発表され、米ドル/円は再度安値を試しました。しかし、130.60円前後まで下げましたが、安値更新はなりませんでした。比較的良好だった米3月雇用統計、そして多くの人の期待以上にハト派的だった植田日銀新総裁の会見を受けて134円前後へと戻しました。

【※関連記事はこちら!】
米経済指標は弱い発表相次ぐ!金融不安・信用収縮の影響が出てくればさらに弱くなるか。景気後退がはっきりすれば、金利低下で米ドル/円は円高圧力が強くなる(2023年4月6日、志摩力男)

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 多くの市場関係者は、今後、米銀の与信審査が厳しくなることから、米国経済は徐々に景気後退するものと想定されています。

 それが、リーマンショックの再来となるような猛烈な景気後退となるのか、それともマイルドなリセッション(景気後退)になるのか、はたまた、少々景気へのブレーキとはなるがリセッションになることはない程度なのか、見方はバラバラです。

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米ドルは下げているが、米ドル/円は下げなくなっている

 マーケットには「バブル崩壊」、「リーマンショック再来」と大声で喧伝している人はたくさんいます。

 もちろんその可能性はゼロではありません。しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)内のオピニオンリーダーとなっている、セントルイス連銀のブラード総裁に言わせれば、銀行与信は金融仲介機能のわずか20%であり、そこが少々小さくなったからといって、大規模なリセッションになるわけがない、ということになります。

そよ風なのか、ハリケーンなのかわかりませんが、与信の厳格化からくる景気減速は、もし来るとしても3~6カ月後ぐらいでしょう。よって、今は待たなければなりません。

 そして為替市場を観察すると、米ドル/円は下げないのですが、ユーロ/米ドルはジリジリと上昇し、前回高値となる1.1032ドルに近づいています。

ユーロ/米ドル 日足
ユーロ/米ドル 日足

(出所:TradingView

 また、ドルインデックスのチャートは下げトレンドに入っているように見えます。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足

(出所:TradingView

 すなわち、米ドルは下げているが、米ドル/円は下げなくなっています(結果的にクロス円の上昇となっています)つまり、円が上昇しない(円高にならない)理由がここにあるのでしょう。

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「ザ・セイホ」が久しぶりに為替市場を賑わしている

 4月に入って、本邦機関投資家からの米ドル買いの話を聞くようになっています。

 東京時間に米ドル/円が上昇するケースが多くなっており、おそらく機関投資家が新規投資として、為替ヘッジなしの外債投資を始めているのでしょう。

 これまで本邦機関投資家は為替リスクを嫌い、為替をフルヘッジする「ヘッジ付き外債投資」を積極的に行ってきました。米国への投資を前提とすると、これは日米長期金利差を取りにいく行為です。為替ヘッジについては、多くの生保は3~6カ月前後の為替スワップを使ってヘッジしているケースが多いようですが、これは日米短期金利差を払う行為です。

 日本の長期金利は20年超であれば1%を超える金利がありますが、YCC(イールドカーブ・コントロール)政策の元、10年債利回りは0±0.5%に抑えられています。一方、米国債は3.5%を超える金利があります。長期金利差を考えると3%程度の金利を取りにいっていると言えます。

 一方、為替ヘッジの部分では、日本の3カ月金利はゼロですが、米国はすでに5%になっています(次の利上げをすでに織り込んでいるとも言えます)。つまり5%の金利を払っているわけです。これでは、差し引き2%の金利を払うので、「為替ヘッジ付き外債投資」は経済的にまったく無意味な、単に損するだけの行為になってしまっています。

 よって、本邦の機関投資家としては、為替リスクを取りたくはないのですが、米短期金利が上昇してしまっているので、好む、好まざるにかかわらず為替リスクを取って外債投資せざるを得なくなっているわけです。

 かつては、「ザ・セイホ」として為替市場を席巻した本邦の生命保険会社ですが、このところは借りてきた猫より大人しい存在となっていました。久しぶりに為替市場を賑わせているようです。

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日本サイドから円買い材料がでなければ、米ドル/円はもみ合い、もしくはジリジリ上がっていく展開か

 植田日銀新総裁の会見も、ややがっかりでした。もちろん、YCCの変更が事前に市場に察知されると、猛烈なJGB(日本国債)売りを呼び込むので、その意味では「良い演技」だったのかもしれませんが、それにしても少しぐらいヒントがあっても良いのでは…と感じさせるものでした。

マーケットは依然として6月にYCC変更を想定しています。対象の年限を10年から5年の金利にするとの予想もありますが、枠を拡大する、もしくは撤廃するとの話もあります。

 もし米国経済が景気後退に陥るのであれば、米金利は低下することになりますが、そのときはJGB市場への圧力が減っているので、YCC変更はしやすいかもしれません(ただし、円高リスクはあります)。

 とはいえ、6月ぐらいまでに日本サイドから円を買う材料が出てこないのであれば、しばらく米ドル/円はもみ合い、もしくはジリジリ上がっていく展開になるのかもしれません。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足

(出所:TradingView

 米銀2行が破綻したときには、これは米国のリセッションの始まりで、今後、米金利が急激に低下するだろうから、米ドル/円は大きく下がる可能性があると思いました。もちろん、その可能性は依然としてありますが、先の話になりそうです。

 リーマンショックのとき、ベア・スターンズが救済されたのが3月でした。そこから9月にリーマンブラザーズが倒れるまで、「これはすごい金融危機が起こる」と確信してはいたのですが、米ドル/円はベア・スターンズ破綻時の96円から110円へと14円も戻ってしまい、苦しい思いをしたことを覚えています。

 もしかしたら、その戻す時期に入った可能性もあります。ひとつの考えに固執せず、リラックスして待つ段階に入ったのかなと思います。


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