米ドル/円は米2年債より日経平均と相関!
みなさん、こんにちは。
過去2年の米ドル/円は、なんといっても米2年債利回りに連動する動きが続いていました。
日本の金利が動かないため、米ドル/円の動きは米ドル金利の動向に左右されていたわけです。
ところが今年の3月ごろからの米ドル/円は、日経平均の動きに追随する傾向が顕著になってきました。
下図は日経平均と米ドル/円の相関チャートです。
(出所:TradingView)
ここでご覧いただけるように、3月からの米ドル/円は、日経平均の上昇に引っ張られる形で上昇しています。
この要因は、過去のコラムで何度もご紹介させていただいているように、海外リアルマネーの日本株買いと、それに伴うヘッジとしての米ドル/円の買いが連動しておきているため。
米ドル/円は140円に迫る勢いで上昇中!
今週(5月22日~)も彼らの日本株と米ドル/円の買いが断続的にマーケットに投入されていることに加え、本邦の年金も日本株を買っているとの噂もあり、日経平均は一時3万1000円台まで急騰しています。
これに追随して、米ドル/円も年初来高値を突破。
本稿執筆時点で、139.70円まで値を伸ばし、先週のコラムのターゲットとしていた140円に迫る勢いで上昇しています。
ここで昨年(2022年)の米ドル/円の動きを確認すると、140円を突破したレベルから急速な円安に対する懸念の声が高まりました。
(出所:TradingView)
最終的には政府・日銀が為替介入という手段をとってまで、円安を封じ込めようとしました。
では、今年もそういう声が上がってきて、米ドル/円は失速するのでしょうか?
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アベノミクスの初期を彷彿とさせる動きに
米ドル/円は、節目の140円目前というところまで上昇しています。
ところが今年の円安は、昨年いっせいに報道されたような「円安懸念」といった批判はでてきていません。もちろん、日銀による介入期待もなし。
この違いは日本株の上昇にあります。
今年の円安は、欧米のリアルマネーによる日本株買いに起因しています。
頻繁に報道されているように東証から低PBR企業に改善要請がでたことも彼らにとって好印象だったようで、欧米勢による日本株買いは止まらず、5月17日に日経平均は3万円を上抜け、今週は一時3万1000円台まで駆け上がっています。
(出所:TradingView)
過去のコラムでの確認になりますが、今年の欧米リアルマネーは日本株買いと為替ヘッジ(=米ドル/円の買い)を同時にマーケットに投入しています。
これはアベノミクスの初期を彷彿させる動きとなり、日経平均は3万4000円に向けて上昇する可能性が高まっています。
仮にそうなると考えれば、米ドル/円も軽く140円を超えることになります。
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日経平均は3万4000円、米ドル/円は145円へ上昇か!?
中長期の動きは別にして、米ドル/円の動きを日足ベースに時間軸を落として確認してみましょう。
下図は米ドル/円の日足です。
(出所:TradingView)
チャートを見ると、137.91円と137.77円でダブルトップになっていたのですが、今回の上昇過程でブレイク。
200日移動平均線(=137.21円)がサポートになって上昇トレンドを形成中です。
では、どこまでいくのか? 波動論からは1月安値から3月高値までの上昇幅を3月安値の129.64円を起点に当てはめると140.32円となるため、いったんのターゲットは140.32円レベルでしょうか。
ただ前述のように日経平均が3万4000円に向けて上昇するようであれば、米ドル/円の次のターゲットは145円ということになります。
米債務上限問題の行方がはっきりしないため、マーケットは日経平均の押し目を待っていたのですが、いっこうに押し目を形成しないため、欧米勢は、米債務上限問題の行方に関係なく、断続的に日本株と米ドル/円の買いを持ち込んでいます。
今年の米ドル/円は米2年債利回りより、日経平均との相関性が顕著に。
アベノミクスの初期を彷彿させる、日本株と米ドル/円の買いがマーケットに投入され、3万円を超えて続伸する日経平均と米ドル/円に注目です。
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