日経平均は大幅上昇だが、まだ超強気変動周期の初歩段階!?
日本の将来は明るいはず
日経平均の大幅上昇が、世間を騒がせている。
もちろん、急伸してきただけに、逆に「一時のバブルだ、いずれ崩れて暴落してくる」といった論調もたくさん聞こえるようになり、ミセスワタナベさん(個人投資家)たちの逆張り意欲が刺激されているようだ。
(出所:TradingView)
東証の統計によると、2023年5月18日(木)までに日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(株の下落で利益を得られるしくみ)の口数が9億420万まで増加しており、ミセスワタナベさんたちの逆張り意欲を強く表している。なにしろ、9億の口数を突破したのは今回が初めてのようで、むしろこれから日本株の底固さを暗示するデータとなる可能性が高い。
なにしろ、誤解を恐れずに言うが、一般市場参加者は、歴史的な大相場において、その集合として常に間違ってきた。日経平均の3万円の大台乗せで、明らかに新たな強気変動レンジ入りを果たしたと思われるが、個人投資家の多くは過去のロジックにこだわり、時代の流れにいったん淘汰される運命にある。
特に日本においては、20年も続いたデフレのせいで、普通の日本人こそ日本の将来に絶望し、悲観的な見方しかできないようだ。
日経平均の3万円の大台乗せは、筆者からみれば、超強気変動周期における、まだまだ初歩的な段階であるが、一部の「有識者」たちのあおり(「日本はダメだ」とか、「将来暗い」とかいった自虐論で、しかもその多くはダメ論ばかりを言って、どうすればよいかはまったく提案なしという、実に老害的な存在)もあって、多くの個人投資家の目に「異常な上昇で暴落間近」と映るに違いない。
ゆえに、日経平均はこれからテクニカル的な調整があっても、構造上ベア(下落)トレンドへ転換するような暴落はなかろう。民衆の総弱気と反対に、日本の将来も日経平均も明るいはずだ。
ちなみに、筆者はこれから25年~30年ぐらいの期間、日本は大型景気拡大周期にあり、日経平均は最終的に8万~10万円ぐらいまで上昇すると思う。
非常に長いスパンの話だが、日本の若者たちは老害らの影響を受けずに、頑張って明るい将来を拓いていけると信じる。
米ドル/円もクロス円も上昇余地あり!
性急な頭打ちの判断や行動は適切ではないだろう
話は少々ズレたが、目先の状況と言えば、筆者が繰り返し指摘してきた「株高・円安」のセットが確認されており、メインシナリオも維持されることを強調しておきたい。
米景気後退やら、米デフォルトの可能性やらと懸念材料が多かったが、結果的に米株さえ崩れず、堅調な値動きを見せているから、しばらくリスクオフの発想は不要だ。
となると、米ドル/円もクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も上昇余地があり、目先、性急な頭打ちの判断や行動は適切ではなかろう。
もっとも、あるFX会社さんの統計をみると、138円の大台に乗せてきた米ドル/円を見て、ミセスワタナベさんの多くはまた逆張りを仕掛けてきたようで、逆に一段と上昇するのではないかと思う。
ただし、為替市場は株式市場と違って、そもそも2つ通貨の交換関係なので、株式市場ほど、いわゆる「逆張り」云々のインパクトを持たない上、ミセスワタナベさんの逆張り傾向が今始まったものではないから、平常心でフォローしていきたい。
米ドル/円の上昇はドルインデックスの上昇とリンクし、またドルインデックスの切り返しは米金利の切り返しとリンクしているのが最近の市況の特徴だと思う。
(出所:TradingView)
(出所:TradingView)
米6月利上げの有無がまた関心の焦点となってきたが、ウォール街の面々がコロコロと見方を変え、一般市場参加者を翻弄してきたのも事実である。
言ってみれば、本当のところは、実は誰にもわからないから、プロとはいえ、FRB(米連邦準備制度理事会)政策を読めるわけがない。なぜなら、FOMC(米公開市場委員会)の投票権を持つ理事さんさえ、実は迷ったり、また葛藤したりして、最新の経済指標を検証しながら、最後の最後までなかなか決断を下せないと推測されるから、一般人はそこに首を突っ込むべきではなかろう。
一方、FF金利と米2年物国債利回りの格差に照らして考えると、米ドル高の基調自体はしばらく続くと思われるが、米2年物国債利回りがこれから大きく上昇しない限り、米ドル全体の上値余地は今言われるほど大きくないかもしれない。米ドル全体の話は米ドル/円にも通用するから、要注意だと思う。
ドルインデックスの頭打ちは、米ドル/円より早く見られるだろう
ところで、前述のように、ミセスワタナベさんたちの逆張りがあって、米ドル/円はどこまで上昇すれば一服してくるかはなかなか予測しにくい。
個人的には、仮に138円の節目前後をショート筋の平均コスト(実際はもっと低いと思う)と想定する場合は、少なくとも140円以上までの値動きがないと、損切りのラッシュは見られないかもしれない、と考える。この場合は、142~143円の打診があってもおかしくなかろう。が、ショート筋の損切り一巡があれば、米ドル/円も頭が重くなり、その後、頭打ちのサインを点灯してこよう。
(出所:TradingView)
この意味において、米ドル全体(ドルインデックス)の頭打ちは、米ドル/円より早く見られるだろう。したがって、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルの反落は、目先まで値幅を拡大、またしばらく弱気変動に留まるが、安値追いできるかと聞かれると、躊躇せざるを得ない。
言ってみれば、早ければ本日(5月19日)高値再更新後の切り返しがあるだろうと思う上に、遅ければ来週(5月22日~)ドルインデックスの再調整ありと見ている。
(出所:TradingView)
とはいえ、米ドル/円の頭打ちは後ずれになるから、結果的に主要クロス円の上昇傾向はしばらく続き、また再度、高値更新を果たすだろう。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨VS円 日足)
筆者は繰り返し主要クロス円の強気構造を指摘してきたから、目先でもメインンシナリオを維持、ロングスタンスのみで臨むべきだと思う。
最後に金(ゴールド)の話に少し触れるが、金は歴史的な天井をすでに形成したか、これから形成するような値動きになってこよう。
(出所:TradingView)
金の話は直接ではなくても、間接に為替や株式市場と関係するから、次回、詳しく解説したい。市況はいかに。
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