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日経平均3万円回復、アベノミクス初期を彷彿させる

 みなさん、こんにちは。

 今週の注目はなんといっても日経平均が3万円台を回復したこと。

 下図は日経平均株価の月足です。

日経平均株価・月足

（出所：TradingView）

 前回、2021年に3万円台を回復した時は、*TD Sequentialも天井のサインが点灯し、テクニカルどおりに一度反落しました。

 (*TD Sequential=筆者が使用するトム・デマークの最高傑作といわれるインジケーター)

 その後2年に渡って調整後、再び3万円台にのせてきました。

 今回は、テクニカル的に前回のような買い疲れがなく、さらに上値を追う展開になる可能性が高まっています。

米ドル/円も続伸中だが、懸念は米債務上限問題

 この日経平均株価の動きに追随しているのが、米ドル/円です。

 過去のコラムでもご紹介させていただきましたが、アベノミクス初期を彷彿させる「外国人投資家の日本株買い、為替ヘッジの米ドル/円買い」が続いており、日経平均株価の上昇に伴って米ドル/円も続伸中!

米ドル/円・日足

（出所：TradingView）

【※関連記事はこちら！】
⇒米ドル/円の買いが、2階建てとはいかなくても、外国人の日本株買いの為替ヘッジで流入！ スイスフラン/円は「ゲームチェンジ」か。1979年高値159円が視野に（2023年5月1日、西原宏一＆大橋ひろこ）

 懸念は米債務上限問題。

 米債務上限問題に関して、バイデン米大統領が、この交渉は妥結し米国はデフォルトを回避するとの見解を示したようです。

 ただ、マッカーシー下院議長ら交渉相手とは密接に連絡を取り合うつもりだとした上で、自身が日本から帰国する5月21日までに合意が成立することはないだろうともコメント。

 JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOも、米政府がデフォルトに陥ることは「恐らく」ないだろうと述べていることから、リスク許容度が高まって米株式相場も反発しています。

 ほとんどのマーケット参加者がこの米債務上限問題は「プロレス」であり素人が騒いでいるだけ、としたコメントも頻繁に見かけます。しかし、警戒感だけは忘れず、この報道をチェックしていきたいところ。

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ユーロ/米ドルは米ドル高の調整局面か

 前述のように外国人の日本株買い・為替ヘッジの米ドル/円買いが継続しているため、米ドル/円は137円台まで上昇していますが、他通貨ではそれほど米ドル高が進んでいるわけではありません。

 ユーロ/米ドルも1.1100ドルが重く、マーケットのユーロ買いの疲弊感もあり、反落。

ユーロ/米ドル・日足

（出所：TradingView）

 ただ本稿執筆時点でのユーロ/米ドルは1.0850ドルレベルで推移しており、米ドル高転換というより、どちらかといえば米ドル高トレンドの調整といった側面も。

 それは根強くあるFRB（米連邦準備制度理事会）のピボット（政策転換）に対する期待感によるもの。

 JPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOは、銀行セクターに今年起きた波乱に終止符を打つべく規制当局は力を貸す時機だとしつつ、「銀行にとってはさらに状況が悪くなるだろう」とコメントしています。

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ユーロ/円やスイスフラン/円などのクロス円に注目

 この米債務上限問題や米地銀の破綻の問題など、FRBの次の一手は利下げの可能性が高い。

 米先物市場も一部後退したとはいえ、年末に向けて2～3回の利下げを織り込んでおり、米金利の低下予測は根強く残っています。

 この意味においては、米ドル/円というより、ユーロ/円やスイスフラン/円といったクロス円の上昇がトレンドになりつつあります。

ユーロ/円・日足

（出所：TradingView）

スイスフラン/円・日足

（出所：TradingView）

 このコラムで注目しているスイスフラン/円も153円と底堅く推移しており、160円を目指して続伸中。

 ユーロ/円も155円に向けて上値を拡大中です。

 日経平均が3万円を回復。アベノミクス初期を彷彿させる「外国人の日本株買い・為替ヘッジの米ドル/円買い」が継続し、米ドル/円は140円台に向け上昇中。

 他通貨でも円安傾向にあり、続伸中のスイスフラン/円やユーロ/円、豪ドル/円といったクロス円での円安トレンドにも注目です。

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