「どこで入って、どこで出るか」が決まると、損失がこれだけで済むということが、取引する以前にわかる
前回のコラムで、西原宏一さんの著書『30年勝ち続けたプロが教えるシンプルFX』の帯に書いてあった「どこで入って、どこで出るか」が大事という話をしました。
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おそらく西原さんはエントリーと利益確定のことをおっしゃっているのだと思いますが、私はエントリーと損切りポイントのことだと考えています。
なぜかというと、相場に入る場所と損切りして出る場所が決まると、その取引での想定損失額が決まるからです。
想定損失額が明確になるということは、その取引がもしうまく行かなくても、損失はこれだけで済むということが、取引する以前にわかるということです。
これはとても大事なことで、この想定損失額が明らかになることで、取引数量も決められます。また、損失額を考慮して取引するかどうか、つまりトレードを見送るかどうかを判断することもできます。
これは正に取引戦略そのものです。
だから、「どこで入って、どこで出るか」を考えることが大事だと思っています。
戦略どおりの損をすることが大事。腹をくくらなければ、その時の値動きや自分の感情に振り回されてしまう
もうひとつ、取引戦略を立てることと同じくらい大事なのは、もしうまく行かなかったら「潔く損を認める」ということです。
つまり、戦略どおりの損をするということです。
ここで腹をくくることが大事で、いつも自分にも言い聞かせています。
これができないと、まだ損切り値まで来ていないのに、自分の勝手な判断で損切してみたり、損切り設定を動かしたり、当初のトレード戦略とは違うことをやってしまいがちです。
ポジションを持ってからこうしたことをすると、戦略を持たないで取引を始めたのと同じことになってしまいます。
すでにエントリーしてしまっていれば、その建値に縛られるので、戦略がない時より悪いかもしれません。
腹をくくることができず、その時の値動きに振り回されてしまうと、その時の自分の感情に左右され、結果として思いつきで取引することになってしまいます。
こうなれば結果は運次第ですし、取引経験が次に生かせません。こうした損失からは何も生まれないのです。
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あらかじめわかっている損失額が大きいと感じるなら、それは取引サイズが大き過ぎるということ
自分のお金が減って喜ぶ人は誰もいません。
でも、FXではお金が減ってしまう場合もあることを認めた上で、利益を追わなくてはなりません。
その時、「もう少し損を減らしたい」とミミッチイことを考えてはいけません。
この目先のちょっとした利益(=損を減らす)を求める考え方が、後の大きな利益の障害になってしまいかねないのです。
こうした基本的なことを理解している人でも、実際に含み損になっている間は不安に感じる人も多いでしょう。それは私も感じていることです。
FXはメンタルが重要とも言われるのは、こうした場面なのではないでしょうか。
含み損の金額を見ると、損切りされる前に少しでも早めに切って、損失を減らそうと考えがちなのはこんな時でしょう。
でも、前述のように、損失額はあらかじめわかっているはずです。
それにもかかわらず損失額が大きいと感じるなら、それは取引サイズが自分にとって大き過ぎるということです。
もしかしたら、戦略を立てた時に算出された損失額を真剣に考えていなかったり、利益だけを思い描いていたのかもしれません。
自分にとって大きな金額を失うことが、真剣に起こりうると思うから恐怖感が生まれますし、早めに損切りしたり、損切りをずらしたりしてしまいます。
感情が揺り動かされてしまうのです。
大ベテランのトレーダーはこうした時に「布団を被って寝る」とおっしゃっていました。ジタバタせずに自分の戦略をブレずに持つことの大事さを伝えてくれているのだと思っています。
じっくり戦略を考え、決めたらブレずに腹をくくる。これが投資では一番大事なことかもしれません。
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