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米国の金融政策転換に揺れる金融市場!コンセンサスは「株高・金利低下・米ドル安」に
米国が金融政策を転換する可能性が濃厚となり、金融市場は大きく揺れています。
金利が下がるのであれば、米国株は上昇するでしょう。これまでは高金利でも収益力がある米IT上位銘柄への資金流入が主でしたが、今後は金利低下を見据えて、中小型株や従来株にも資金が流れるのでしょう。
政策金利の低下は、当然長期金利にも下落圧力をかけます。米長期金利の低下は米ドルの低下を促しやすい。すっかり「株高・金利低下・米ドル安」とのコンセンサスとなっています。
金融政策転換は突然起こったように見えます。12月13日に行われたFOMCがきっかけでしたが、「インフレ率が低下すれば政策金利を引き下げることが可能になる」という言葉は、11月28日にウォラー理事が発言したものです。
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少なくともこの時には、ウォラー理事やFRB(米連邦準備制度理事会)上層部の一部は意見を変え始めていたのでしょう。
しかし、さまざまなチャートをじっと見れば、もっと早くから根本的な転換が起こる可能性があるとわかったかもしれません。
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11月のバイデン・習近平会談から変化は始まっていた!?
私が思うに、変化は11月に行われたバイデン・習近平首脳会談から始まっています。
首脳会談で何が話し合われたのか、それははっきりとはわかりません。しかし、何か経済・金融に関することもあったのではないかと思います。
メディアが伝えるバイデン・習近平首脳会談の目的は、米中間の軍事的緊張を和らげることが狙いと報じられていました。ウクライナにおける戦争は続き、イスラエルとハマスの戦争も勃発しました。こうした状況下で、もし台湾海峡で何か起これば、制御不能な状態になりかねません。ペロシ米下院議長の訪台で遮断されてきた、米中の軍部間の対話再開が実現しました。
また、中国は経済不振を打開するためにも、米企業による中国への投資を呼びかける目的もあったでしょう。そして最先端半導体の輸入も実現したかったはずです。
しかし、エヌビディア(NVIDIA)が製造を手掛ける最先端半導体の輸入は叶わず、経済的には目に見える成果はなかったとされています。会談後には、バイデン大統領は習近平氏を「独裁者」と言っています。
ただ、それは表向きのものです。バイデン大統領の「独裁者」発言は大統領選挙を意識したもので、明らかに米国内向け。あまりにもわざとらしく、笑ってしまいました。
会談後に習近平氏を「独裁者」と言ったバイデン大統領だが、これは米大統領選挙を意識したもの米国内向けのものだった? (C)Scott Olson/Getty Images News
メディアは会談の実りは少なかったと言います。しかし本当にそうでしょうか。今年亡くなられたキッシンジャー元国務長官の著書でもわかるように、実際に話し合われる内容はまったく違うと思います。
会談の直前から中国人民元の反発が始まりました。その少し前から、急落していた米国債の下げが止まり、急反発を開始しました(金利は急上昇し、そして急低下)。
(※筆者提供・TradingView)
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中国人民元と米国債の下落(米長期金利上昇)が止まった背景にあるものとは?
この動きは何を意味するのか?
ひとつの解釈としては、習近平独裁が強まったことで、景気不振となった中国から米企業が撤退を開始し、米ドル買い・人民元売りが強まり、人民元防衛のため中国が米国債を売り、その資金で人民元を買い支えた。
しかし米国債が売られ、米長期金利があまりにも上昇したために、そうした状況をストップしようと米国側が動いたということは想像できます。
イエレン財務長官が頻繁に中国を訪問したのは、中国による米国債売りをストップさせることを狙ったのかもしれません。
イエレン財務長官が頻繁に中国を訪問したのは、中国による米国債売りをストップさせることを狙ったものだったのか? (C) Bloomberg/Getty Images
米企業による中国市場撤退が止まり、再投資もある程度見通しが立ったので、人民元売りが止まり、米国債の下落が止まったのかもしれません。
イエレン財務長官も米長期金利上昇の理由として、一部外国政府が米国債を売っていることに言及していました。
そしてイエレン財務長官は「金利上昇が続くならば、債務に困難が伴う」と金利上昇が米国の債務維持にとって重大な問題との認識を示しています(11月14日報道)。
米金利はそれほど上昇しない可能性。その場合、米ドル安は意外と息の長いものに
米企業が中国市場から撤退するので、中国が米国債を売ったのかどうかはわかりません。単に、中国は米国から離れる目的で米国債を売っていた可能性もあります。イエレン財務長官はそれを看過できないと判断されたのでしょう。
「米国は間もなく金融引き締めを終了し、緩和政策に入る。米国債を売るのは得策ではない…」とイエレン議長が中国に伝えていたとしても、不思議ではありません。
背後の動きはあくまで推測、私の妄想です。まったく的外れかもしれません。しかし、米国債売りが止まり、米金利低下が始まりました。
パウエル議長の動きがあまりにも唐突に見えるのは、こうした動きが背景にあるのではと、妄想したくもなります。
米長期金利上昇は、債務問題を引き起こすので、避けなければならないとの認識が背景にあるならば、米金利は、もうそれほど上昇しない可能性が高い。
そうであるなら、米ドル安は意外と息が長いのかもしれません。
(出所:TradingView)
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