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志摩力男の「マーケットの常識を疑え!」

安倍派の衰退により日銀のマイナス金利解除が
近いうちに実現する可能性。その時、金融市場、
そして米ドル/円はどう動くのか?

2023年12月11日(月)16:18公開 (2023年12月11日(月)16:18更新)
志摩力男

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YouTube動画「週刊!志摩力男」では、志摩さんがより注目している長期的なテーマをピックアップし動画で解説します。動画を視聴したら、続けて最新コラムをご覧ください。


パーティー券問題が日本の金融政策を変える

 パーティー券問題に政界が揺れています。売上にノルマがあり、ノルマを越えてパーティー券を販売した議員には「キックバック」があり、政治資金収支報告書に記載されていないお金がかなりの額にのぼるとの話です。明らかに政治資金規正法に反しています。

 野党への支持が極端に小さい今、これは岸田政権のピンチというよりは、自民党内の勢力争いの話となりそうです。明らかに安倍派潰しです。この問題をクローズアップした人たちは、安倍派潰しのチャンスを狙っていたのでしょう。

 世耕弘成参院幹事長が「岸田首相の言葉には弱さを感じる」と首相批判しました。明らかに倒閣運動しようとしていたのでしょう。ところが、そこに、完璧なカウンターパンチが飛び込んできて大ピンチです。

 松野官房長官の辞任が決定的ですが、松野官房長官が辞任となると、同程度の罪に問われた人は、同じように辞任しなければならないことになります。

 今、話題になっている安倍派の幹部、高木毅国対委員長や世耕弘成参院幹事長、塩谷立元文部科学相、萩生田光一政調会長、西村康稔経済産業相と言った方々は全員辞任することになるのでしょう。

安倍派の衰退は、単に一つの派閥が衰退するという問題ではありません。2012年秋に政権を奪取して以来、日本の政治を動かしてきたのが安倍晋三氏であり、安倍派です。

政治のみならず「アベノミクス」が日本の金融政策を動かしてきました。

2012年秋に政権を奪取して以来、日本の政治を動かしてきたのが安倍晋三氏であり、安倍派であった (C)Getty Images News

2012年秋に政権を奪取して以来、日本の政治を動かしてきたのが安倍晋三氏であり、安倍派であった (C)Getty Images News

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現在の円安の本当の理由は「アベノミクス」にあり!

 現在の円安の本当の理由、それはいまだに「アベノミクスをやっている」からです。

 そしてどうしてそれを変えることができないかといえば、経済的な理由もありますが、自民党最大派閥である安倍派からの攻撃が怖いので金融政策を変えられない、ということがあります。

 2013年1月に締結された「政府・日銀の共同声明」が今の金融政策の根幹を作っています。これをなくさないと、日本の金融政策正常化はありません。

 今すぐに、マーケットに影響があるわけではありませんが、今回のパーティー券問題で安倍派が沈めば、日本の金融政策変更がやりやすくなります。つまり、安倍派の衰退は円高要因です。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(出所:TradingView

 今すぐ、安倍派が消滅するとか、そういうことはないので、短期的な影響は限定的ですが、金融政策転換の大きな障害のひとつが取り除かれることになります。

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安倍派の衰退により日銀のマイナス金利解除が早くなる可能性。その時、米ドル/円はどう動く?

 ただそうは言っても 日本の経済の現実からすれば 金融引き締めには限界があります。

 植田総裁は「チャレンジング」という言葉を使いましたが、これは少し誤解されているようです。この「チャレンジ」は金融政策の変更に挑戦するという意味ではなく現在の状況が大変困難なものだという意味で使われたと思います。

 それでもマイナス金利を解除し、ゼロや0.25%程度の金利のある世界に戻すことは十分可能だと思います。それがいつ実現するのかわかりませんが、多くのエコノミストが想定するのは来年(2024年)の10月前後です。しかし、安倍派の衰退により、これが意外に近いうちに実現する可能性もあります。

その際は瞬間的に円高方向に反応するでしょう。しかしながら、日本経済の実力から言って、政策金利が0.25%前後というところが、精一杯だと思います。

 それが多くの外人トレーダーに周知される時、円は再度売られ始めるでしょう。その際は、米ドル/円が150円を優に越えてくる可能性があります。

米ドル/円 週足
米ドル/円 週足

(出所:TradingView


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