米ドル/円は34年ぶりの高値をつけたが、3者会合で上げ渋る
みなさん、こんにちは。
先週の日銀金融政策決定会合をきっかけに上昇を再開した米ドル/円は、3月27日、34年ぶりの高値となる151.97円まで上昇しました。
(出所:TradingView)
しかし、神田シーリング(152.00円)の決壊目前という局面で、3者会合(=「財務省・金融庁・日銀」による国際金融資本市場に関わる情報交換会合)の開催が報道されました。
神田真人財務官は、最近の円安の進展はファンダメンタルズに沿ったものとは到底言えず、背景に投機的な動きがあることは明らかだとした上で、「行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」とコメント。
3者会合を開催し、財務官が投機的な動きとコメントしていることから、いよいよ介入が近づいたという印象をマーケットに与え、米ドル/円は上げ渋っています。
海外勢は当局の介入による押し目待ち
ただ、3者会合は昨年の5月にも開催されていますが、その時は介入がありませんでしたので、3者会合は警告だけに終わる可能性もあります。
そして、海外勢は当局の介入による押し目待ち。
彼らは介入が入った場合を想定し、米ドル/円の150円割れから断続的に米ドル買い注文を出している模様。
よって、仮に介入が入ったとしても、円高は一時的でまた反発する可能性が高くなっています。
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SNBの利下げは欧米利下げ開始のシグナル
一方、本コラム一押しのスイスフランですが、先週から下落が加速しています。
(出所:TradingView)
きっかけはSNB(スイス国立銀行)の金融政策決定会合です。
スイス国内の産業界から利下げ要請が高まっていたこともあり、SNBは利下げする可能性が高いとし、自分達はユーロ/スイスフランのロング(買い)をキープしたままでした。
ただ、会合の目前まで、金利先物市場ではなぜか28%程度の織り込み度しかなく、結果、0.25%の利下げはサプライズとなり、スイスフランは急落。
僕にとってのSNBは他の主要中銀より先に動く銀行、つまり先行指標として注目しています。
今回も他の主要中銀に先駆けて、利下げを決行。
この利下げはECBに先駆けて利下げに踏み切ったと考えています。
具体的にいえば、SNBの次回の会合は6月20日。6月6日のECBで利下げが発表されるとSNBは想定しており、その前に利下げをしたと考えています。
「実際に6月6日にECBが利下げを実施すれば、金利差は変わりません。ユーロ/スイスフランは売りですか」というご質問を頂いたのですが、6月20日の金融政策決定会合で、SNBは追加利下げをすると考えています。
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円に代わってスイスフランが最弱通貨のポジションに
6月20日の金利先物市場での利下げ織り込み度も75%まで上がっています。
結果、他の主要中銀に先駆けて連続利下げが予想されているスイスフランの下落は継続。
下図は本稿執筆時点での主要通貨の対米ドルの騰落率です。
年初からダントツの弱さを誇っていた円ですが、先週のSNBをきっかけに、今週ついに円に代わって、スイスフランが年初来で最も弱い通貨に変わっています。
海外勢は当局の介入による押し目待ちスタンスで、150円以下から断続的に米ドル買い注文を出しています。
米ドル/円は仮に介入が入ったとしても、円高は一時的な調整に過ぎず、160円への上昇過程。
(出所:TradingView)
SNBのサプライズの利下げでスイスフランはついに円安の速度を上回り急落。
円に代わって最弱通貨となったスイスフランの下落にも注目です。
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