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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル/円やクロス円が4月高値を超えたことを理由に、
「介入の失敗」を論じるのは性急な判断!
円安パニックだからこそ、トレンドの反転は間近とみる

2024年06月28日(金)18:18公開 (2024年06月28日(金)18:18更新)
陳満咲杜

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一段と進んだ円安。マスメディアの煽りもあって恐怖感が広がる…。
危機感自体は結構だが、パニック的な反応は不要!

 円安が一段と進み、マスメディアには「37年(あるいは38年)ぶりの円安」、「止まらない円安」、「円安に打つ手なし」といった見出しが躍る。円安大批判の上、円安恐怖感が広がり、日本の現状をまるでトルコやアルゼンチンのようにとらえる見方が人気を博しているようだ。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 しかし、少し冷静で考えてみれば、日本は決してトルコやアルゼンチンのような国(単純に発展途上国の意味合いを指す)ではない上、円は一時大きく売られたとはいえ、トルコリラやアルゼンチンペソのように、棄損された存在ではないことは自明の理だ。円安に対する危機感自体は結構だが、パニック的な反応は不要だ。

2年前の英ポンド安に比べれば、今の円安はまだ温い。
日本人は為替動向に神経質になりすぎ!

 もっとも、たとえ先進国であっても、その通貨が一時的に暴落する可能性はある。通貨が急落したからといって、その国がもう三流国家だとか、これからも沈んでいくとかと断定する考え自体が滑稽だ。最近の好例は英ポンドだ。

 6月27日(木)に、筆者がXで投稿したように、円安、円安と騒いでも、2年前の英ポンドに比べれば、桁違いなほどまだまだ温い程度に留まっているから、パニックになる必要はない。

 と言っても、これから英ポンドのように、史上最安値を更新していくと言っているわけではないから、誤解しないでいただきたい。

 言いたいのは、日本人は為替動向に神経質になりすぎということだ。その上、マスコミのあおりも含め、世論も円安をもって日本の将来を不安視しすぎており、そのほとんどが根拠のないパニック的な感情によるものである。

 英ポンドの史上最安値更新があったにもかかわらず、英国の「英ポンド安亡国」がなかったように、通貨の高安をもって一国の将来を語ること自体、バカバカしい。

英ポンド/米ドル 週足
英ポンド/米ドル 週足チャート

 

(出所:TradingView) 

円安でなければ日経平均の史上最高値更新もまだだった?
円安パニックは、識者の後講釈によるところが大きい

 日銀政策や円安を猛烈に批判する者は多いが、株高を「批判」する者はあまりない。

 しかし、円安でなければ、日経平均の史上最高値更新は未だに見られていない可能性が大きいことから考えると、円安批判やら、円安パニックやらの反応自体が行きすぎであることも明らかだ。

 マスコミ自体も矛盾する解釈をしてしまうことが多いから枚挙に暇ないが、本日(6月28日)の好例は以下のとおり。

 そして、円安の一段進行があったからこそ、「なぜ円安が止まらないか」、「円安の過熱感なし」といった後講釈がいつものように氾濫してきた。円安パニックがいわゆる「識者」たちの後講釈によって増幅されること自体も、いつもどおりである。

行きすぎたトレンドは必ず反転する!
しかも、巷の恐怖の度合と比例して反転する確率が高い

 だからこそ、円安トレンドの行きすぎが限界に達し、これから反転することを警戒しなければならない。大衆のパニックに識者の後講釈が加わり、その深刻度がピークになったとたん、トレンドが反転する前例は多い。

 2011年10月末、円高パニックがピークを迎え、「識者」たちが「円高亡国」や「円高を阻止できない」と大合唱していたところ、円の史上最高値を記録。その後、歴史的な大転換がもたらされ、足元まで円安が続いている。

米ドル/円 月足
米ドル/円 月足チャート

(出所:TradingView) 

 そのことから考えて、行きすぎたトレンドは必ず反転し、また巷の恐怖の度合と比例して反転する確率が高いと言える。

足元の円安パニックや大半の「専門家」たちの「円安は阻止できない」という大合唱からして、そのタイミングが間近だと思う。

米ドル/円 月足
米ドル/円 月足チャート

(出所:TradingView) 

 2011年10月末までの超円高は、結局、日本当局の介入で逆転した(厳密に言うと、介入で逆転したのではなく、相場の転換点に差し掛かっていたため当局の介入が成功した)が、足元では、米ドル/円や主要クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)が揃って4月末高値(2024年最初の介入が行われた時の高値)を更新していることが「介入の失敗」を論じる証拠として取り上げられている。しかし、それも性急な判断だと思う。

 歴史は繰り返す。しかし、歴史は毎回違う形式で繰り返すということも、歴史を学べばわかる。換言すれば、まったく同じパターンではないものの、本質は変わらない以上、形式の相違があっても結局、同じである。

 筆者は繰り返し、2011年安値を起点とした米ドル高・円安の流れが2023年、2024年にて頭打ちになる宿命にある、と指摘してきたが、足元の円安の進行があっても変わりがなく、2024年4月末、5月初頭の日本当局の介入が失敗したとも思わない

【※関連記事はこちら!】
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 言ってみれば、これからも日本当局は為替相場に介入してくるはずで、一連の介入が整合性をもって成功するはずだと思う。成功すると断定するのもほかならぬ、相場の歴史の宿命に沿った考えであり、「風見鶏」たちにはわからない相場の真実に基づいている信念があるからだ。

極限まで売られすぎた円の反発は、これから。
トレンドがいつ反転してもおかしくないとみる理由

 最後に、円安トレンドの大転換があるとすれば、本質的には行きすぎたトレンドが自ら修正される宿命(前回のコラム参照)のほかなく、そのことを再度強調しておきたい。

【※関連記事はこちら!】
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 ブルームバーグが公表しているデータを確認すると、アセットマネージャーの円売りポジションは史上最高レベルまで積み上げらているから、トレンドがいつ反転してもおかしくないと思う。

 円高の理由が見つからないと言う方々は、円高ではなく、歴史的に極限まで売られすぎた円の反発がこれから見られるから、よく勉強しておいてほしい…市況はいかに。

 14:30執筆

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