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西原宏一_メルマガ取材記事
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陳満咲杜の「マーケットをズバリ裏読み」

米ドル/円は137円台前半をめざすだろう。逆張りは禁物!
思惑で急伸した米ドル/円が下落するのは当然の成り行き。
本流は米ドル安。「石破ショック」後の市況のほうが正常

2024年09月30日(月)18:01公開 (2024年09月30日(月)18:01更新)
陳満咲杜

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米ドル/円の自民党総裁選後の下落は「石破ショック」よりも
「高市じゃないショック」のほうが本質に近い?

 米ドル安の本流が続くなか、いろんな嵐が起こってきたが、本流自体は変わらないことが再確認されている。

 「コップの中の嵐」とはいえ、米ドル安の本流がしっかりしているなか、米ドル/円だけが荒かった。「石破ショック」と言われて、先週金曜(9月27日)の波乱が目立ったが、本質は選挙(自民党総裁選)にあらず、と思う。

 なぜなら、ドルインデックスの値動きから確認できるように、そもそも米ドル全面安が続いてきた。ドルインデックスは9月25日(水)の切り返しがあったが、結局101の節目を回復できず、再度100台への下落が見られ、弱さが露呈している。

ドルインデックス 日足
ドルインデックス 日足チャート

(出所:TradingView

 一方、米ドル/円は実に「強かった」。9月27日(金)にいったん146.50円をトライできたほど、9月16日(月)の安値から一本調子の反発が続き、米ドル全体の値動きと逆行していたのは明らかであった。

米ドル/円 日足
米ドル/円 日足チャート

(出所:TradingView

 言ってみれば、「石破ショック」よりも「高市じゃないショック」のほうが本質に近いのではないかと思われる。

 要するに、市場参加者の多くは安倍晋三元総理の路線の継承者とされる高市早苗氏の当選を見込み、米ドル全面安のなかでも米ドル買い・円売りを仕掛けていた。

 そして、その前の円買い筋の多くが踏み上げられたこともあって、いったん146円台半ばまで急伸したわけだ。思惑が外れたところで、一転して米ドルのロング筋の損失覚悟の投げ売りがあったとして、それを「石破ショック」と呼ぶのはやはり違和感がある。

 つまるところ、名称はどうでもよいと思うが、やはりこの前、米ドル/円の上昇自体が思惑頼りで、また米ドル全体のパフォーマンスと逆行していたから、仮に高市さんが選出されても長続きしなかったと思う。

 したがって、確かに9月27日(金)に大きく波乱したが、むしろ当然の成り行きと見なし、現在の市況のほうが正常だと思う。

 市況全般については、実にシンプルでわかりやすいかと思う。米ドル全面安の流れが変わらないから、残る問題はモメンタムの強弱や下放れのタイミングにある。これは「神のみぞ知る」の側面が大きいから、われわれは徹底的にトレンド・フォローしていくことしかできない。

米ドルの一段安、場合によっては急落も覚悟!
米ドル/円、ユーロ/円は弱含み、ユーロ/米ドルは上昇余地を拡大か

 もう月末なので、月足を点検しておこう。もちろんドルインデックスから見ていく。

 2023年安値の打診や割り込みが確実視されるなか、同安値が付けていた2023年7月の足型(スパイクロー)から考えて、下放れがあれば米ドル全体の一段安、場合によっては急落も覚悟しなければならない。慢心は禁物だ。

ドルインデックス 月足
ドルインデックス 月足チャート

(出所:TradingView

 続いて米ドル/円だが、米ドル/円はすでに昨年(2023年)年末の安値(1)をトライしており、ここから早期に下放れできるとは限らないものの、早晩下放れを果たすだろう。その場合、少なくとも2023年7月安値の137円台前半をトライするだろう。逆張りは禁物だ。

米ドル/円 月足
米ドル/円 月足チャート

(出所:TradingView

ユーロ/米ドルは、今月(9月)も陽線で大引けし、2023年高値の打診やブレイクが確実視される。その後、大きく上昇余地を拡大するから、EU(欧州連合)圏やドイツの景気云々など、ファンダメンタルズの理由で戻り売りを仕掛けるべきではなかろう。踏み上げの土台になる恐れが大きい。

ユーロ/米ドル 月足
 ユーロ/米ドル 月足チャート

(出所:TradingView

 そしてクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の代表であるユーロ/円だが、7月に頭打ちとなったことが鮮明であり、また弱気サインが支配力を示している以上、今後数年は高値更新がないと心得るべきだろう。また保ち合いの先行があっても、米ドル/円次第なので、弱含みの展開を覚悟したい。

ユーロ/円 月足
ユーロ/円 月足チャート

(出所:TradingView

 今回は時間の制約で簡略的な記述となるが、詳細はまた次回。市況はいかに。

 最後に、海外出張や諸事情により本コラムを2回お休みし、読者の皆様にご迷惑をお掛けしたこと、お詫び申し上げます。

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