昨日の海外市場でドル円は、米株安とともにクロス円が下落するとドル円にも売りが波及し、152.68円まで弱含んだが。しかし、貴金属相場の下げが一服し、米国株が下げ渋るとドル円にも買いが入り、153.21円付近まで下値を切り上げた。ユーロドルは、大幅に上昇していた金・銀・プラチナなど貴金属相場が急落したことなどをきっかけに、ユーロ売り・ドル買いが進み一時1.1906ドルまで弱含んだ。ただ、引けにかけては持ち直した。
本日の東京時間のドル円は、昨日同様に153円を挟んで神経質な動きになることが予想されるが、週末リスクがあることで売り場探しは変わらないだろう。なお、本日は本邦の雇用指標や、東京都区部消費者物価指数(CPI)などが発表されるが、経済指標での反応は一時的になるか。
トランプ政権の行動が読めないこともあり、週末に大きな出来事が起きるリスク、いわゆる「週末リスク」が高まり、本日もリスク回避の動きには警戒したい。米国内の「週末リスク」では、いよいよ土曜日の東部時間午前0時1分で、先週米下院で通過した1兆2000億ドルを超える予算が上院で否決され、部分的な政府機関が閉鎖に突入する可能性がある。
シューマー上院民主党院内総務は、移民税関捜査局(ICE)を含む国土安全保障省(DHS)の職員はマスクの着用をやめ、ボディカメラを使用し、地元警察と同じ武力行使規則に従うことを要求。また、移民取り締まりに新たな制限を設けない限り、DHSの予算を9月まで延長することに同意しないと述べている。米メディアによると、民主党はICEを管轄するDHSの予算を残りの予算から切り離し、再交渉できるようように要求していると伝わっている。予算切り離しという案が出ていることで、昨日と比較すると閉鎖が避けられるのではないかという期待感も出てきている。
DHSの予算を切り離すことができれば、労働省の予算も通過し、前回のように同省が発表している雇用統計やCPIなどは通常通りデータの取得ができることになりそうだ。また、労働省以外でも今回の予算に組み込まれている国防総省、教育省、保健福祉省、住宅都市開発省、運輸省、国務省、財務省などの予算も通過することになり、部分的な閉鎖の規模は縮小することになる。なお通過しない場合でも、前回と異なり農務省、退役軍人省、内務省、エネルギー省、司法省、商務省などの機関は、すでに会計年度の残り期間の予算を全額確保する法案を可決しているため、影響を受けない。
米国発の中東の「週末リスク」もある。内政が混乱していることで、トランプ大統領が国民の目を逸らすために、再びサプライズとなる動きを行うことも指摘されている。昨日トランプ大統領は、艦隊がイランに向かっていると警告し、イラン政権に対する軍事行動の可能性を示唆した。イランへの大規模攻撃の可能性が、週末を含めて警戒感が高まっている。ベネズエラ攻撃、グリーンランドの領有宣言に続いてイランへ攻撃した場合は、国内の目を逸らすことができた場合でも、市場は中東の混乱を招くことで、更に米国の信頼低下につながることになりそうだ。
経済指標では、本日は本邦から複数の指標が発表されるが、注目したいのは全国のCPIの前哨戦となる1月東京都区部CPI。市場ではコアは、前月の2.3%から2.2%へと低下する見込み。ただ、今月23日に発表された12月の全国コアCPIが3.0%から2.4%になった局面でも、市場の反応が限られたことで、本日の指標でも市場の反応は一時的になりそうだ。なお、2月8日に衆議院選挙を控えていることで、スキャンダル等が発覚すれば日本からの「週末リスク」があることも警戒しておきたい。
日米以外では、本日は豪州から10−12月期卸売物価指数(PPI)が発表される。今週同期のCPI発表後に、一部金融機関は来週の豪準備銀行(RBA)理事会の政策金利予想を、据え置きから利上げに変更している。昨日豪ドルは対ドルで約3年振りの高値を付けていることもあり、PPIも予想を上回る結果になった場合は市場の反応が敏感になりそうだ。
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