14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、予想を下回った6月米消費者物価指数(CPI)を受けた米長期金利の低下で161.63円まで下落後、タカ派寄りのウォーシュFRB議長の議会証言を受けて162.29円付近まで持ち直した。ユーロドルは、米6月CPIの下振れを受けて1.1462ドルまで上昇した後、FRB議長の議会証言で1.1416ドル付近まで下押しした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、イラン情勢や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)関連の報道に注視し、円買い介入の可能性に警戒していく展開が予想される。
イラン情勢に関しては、60日間の暫定的停戦の覚書が破棄されて、戦闘が再開しつつあり、有事のドル買い圧力がドル円の下値を支えている。関連ヘッドラインには注視しておきたい。
ウォーシュFRB議長の下院での議会証言は、インフレ目標の達成に強い決意を表明するタカ派的な見解だったが、6月米消費者物価指数(CPI)が前月比▲0.4%、前年比+3.5%と予想を下回ったことで、フェドウオッチでの7月FOMCの利上げ確率は20%以下まで低下している。
今夜は、ウォーシュFRB議長の上院での議会証言やFOMC会合での判断材料となる地区連銀経済報告(ベージュブック)にも注目することになる。
21日に閣議決定が予定されている「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針2026)」やGPIFの基本ポートフォリオ変更への警戒感が、ドル円の上値を抑えており、本日も関連ヘッドラインに警戒しておきたい。
6月30日に公表された「骨太の方針2026」原案での「財政健全化」の削除と日銀の利上げ牽制を受けた「骨太ショック」が、ドル円を1986年以来の162.84円、新発10年物国債利回りを1996年以来の2.90%台まで押し上げた。「財政健全化」の削除を受けて、格付け会社ムーディーズは「財政健全化から方向転換なら格下げの可能性」を示唆しており、リスクシナリオは10年債利回りの3%台乗せとなる。
高市政権は、財政健全化の指標として、これまでの「債務残高の対GDP比」ではなく「純債務残高の対GDP比」に着目することにした。しかし、前提となるドーマー条件「GDP成長率>名目実効金利」では、10年債利回りが3%台に乗せた場合は、政策運営に支障をきたすことになる。
そこで、片山財務相は、GPIFの基本ポートフォリオの変更を示唆し、外国債券・株式の比率を減らし、国内債券・株式の比率を増やす可能性に言及した。木原官房長官や上野厚労相も、基本ポートフォリオを見直す可能性を示唆していることで、21日の閣議決定に向けて予断を許さないGPIF騒動が続くことになる。
また、米財務省は昨年6月5日に「外国為替報告書」を公表しており、今年もそろそろ発表されると思われるため注視しておきたい。昨年の「為替報告書」では、「大規模な公的年金基金GPIFなど政府系投資機関は、リスクを加味した収益や分散投資のために海外に投資すべきで、競争力を念頭に為替相場を目的にすべきではない」と言及していた。そして、海外投資のヘッジ比率を公表していないことに言及しており、ヘッジ(※円買い)すべきとの警告が読み取れる。
さらに9月に公表された日米共同声明でも、「年金基金などの政府投資機関は、リスク調整後のリターンと分散投資の目的で海外に投資を継続し、為替レートを標的にしない」となっており、深読みすれば、リスク回避のためのヘッジの必要性が読み取れる。
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