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経済指標にはどんなものがある?

経済指標とは、各国の経済状況を構成する雇用・景気・物価などの動向を、数値で表したデータです。

 主な発表元は公的機関ですが、それ以外に大学、シンクタンクなどの研究機関のほか、民間企業が発表する経済指標もあります。ほとんどの経済指標は、毎月や四半期ごとに発表されますが、なかには毎週発表されるものもあります。

経済指標は、主に「ハードデータ」と「ソフトデータ」に大別されます。ハードデータは実績を集計した客観的なデータになりますが、集計にある程度以上、時間がかかるため、実際の景気の変動からやや遅れて変化するとみなされている遅行指標です。

 一方のソフトデータは、消費者や企業担当者へアンケートなどによる聞き取り調査を行った結果を集計した、景気の実感や見通しなどを表すもので、センチメント系の経済指標などとも呼ばれます。ソフトデータは回答者の主観が反映されたものであることに留意する必要がありますが、比較的早く集計できるため、景気の先行指標として注目されています。

経済指標の種類

 経済指標の結果からは現在の経済状況を客観的に確認できるだけでなく、前回や過去の結果と比較することで中長期的な推移や変化を把握できるため、先行きの為替レートを予測するのにも役立ちます

 また、発表される結果が、その国の将来的な金融政策の行方や、通貨の当面の方向性などに影響を与えることもあります。注目度の高い経済指標がどのような結果になったかは、トレードをするうえで押さえておく必要があるでしょう。

 それ以外にも、米国のFOMC(米連邦公開市場委員会)、日本の日銀金融政策決定会合、ユーロ圏のECB(欧州中央銀行)理事会などの、中央銀行が政策金利や当面の金融政策方針を決定するために開催する会合も、経済指標発表といっしょにスケジュールをチェックしておくことがFXトレーダーの一般的な行動です。

【参考コンテンツ】
経済指標/金利:各国政策金利の推移

経済指標は、あらかじめ発表される日時が決まっているものがほとんどです。注目度が高いとされる主要な経済指標がいつ発表されるかは、必ず確認しておきましょう。

羊飼いの「今日の為替はこれで動く!」では、その日に発表される主要経済指標を時系列で確認することができます。指標の注目度や影響度がランク形式で表示されているほか、市場予想値と前回発表値もあわせて掲載されていますので、毎日、トレード前にチェックすることをおすすめします。

【参考コンテンツ】
羊飼いの「今日の為替はこれで動く!」

 なお、羊飼いの「今日の為替はこれで動く!」では週末に、翌週の経済指標発表一覧も公開しています。翌週はどんな経済指標の発表があるのか、こちらで事前に確認しておくと、さらに良いでしょう。

為替相場で注目される主要な経済指標はこちら
政策金利や金融政策方針を決める中央銀行の会合はこちら

市場予想値と結果の違いが相場を動かす!

 為替相場においてもっとも重要なのは、「経済指標の市場予想値と実際の結果に、どれだけの違いがあるか」という点です。

 市場予想値とは、大手金融機関や有力シンクタンクなどが事前に予想した数値から、中央値を算出したものです。大手情報サービス会社が発表しており、その予想値は、羊飼いの「今日の為替はこれで動く!」はもちろん、FX会社の経済カレンダーなどでも確認することができます。

例:羊飼いの「今日の為替はこれで動く!」(一部抜粋)
羊飼いの「今日の為替はこれで動く!」の一部

 そして、市場参加者は経済指標の結果が市場予想値に近い数値になることを見込んで、あらかじめポジションを建てたり、今後の投資戦略を考えたりしています。

 そのため、たとえば、米国のある経済指標が前回の数値からプラス1%(1%良くなる)と予想されていた場合、結果が市場予想値と同じかそれほど変わらなければ、その結果は市場にすでに織り込まれているため、指標結果が米国の通貨である米ドルの相場に与える影響は、限定的になると考えられます。

 ところが、プラス1%の市場予想値に対して結果がプラス2%だった場合は、ポジティブサプライズと捉えられて発表後に米ドルが買われ、逆に結果がプラス0.5%だった場合は、結果自体は前回よりも良かったにも関わらず、市場予想値に届かなかったことから発表後に米ドルが売られるようなことがあります。

 このように、為替相場では市場予想値と実際の結果の違いがもっとも重要で、市場予想値と実際の結果の乖離が大きければ大きいほど、指標結果発表後に為替相場が大きく動く可能性が高いということを、押さえておきましょう。

 また、「噂で買って事実で売る」の相場格言があるように、経済指標の結果と市場予想値に大きな違いがない場合でも、結果発表後に事前に建てたポジションを手仕舞う動きが強まることによって、為替相場が動くこともあります。

経済指標の見方

為替相場で注目される主要な経済指標

 為替相場で注目度が高いとされている主要経済指標の中から、主に米国の経済指標を中心に、一部をご紹介します。

【クリックすると詳しい解説へ移動します】
★ 雇用統計
ADP雇用統計
新規失業保険申請件数
GDP(国内総生産)
★ 消費者物価指数
★ 生産者物価指数
★ 小売売上高
★ 消費者信頼感指数
★ 貿易収支
★ ISM製造業景況感指数・ISM非製造業景況感指数
★ PMI(購買担当者景況感指数)

★ 雇用統計

 雇用統計とは、雇用に関するデータ全般を指すこともありますが、金融市場で雇用統計としてもっとも有名なのは、毎月、米労働省労働統計局(BLS)が「Employment Situation」と称して発表する「米雇用統計」です。

 米国は世界最大の経済大国であるうえに、欧州や日本などよりも労働者を柔軟に解雇できる政策を取っているため、経済状況の変化によって雇用者数がダイナミックに変化しやすい構造になっています。そのため、「米雇用統計」の注目度は非常に高いものとなっているのです。

 米雇用統計は、10項目からなる労働市場の状態を表したデータの総称で、そのなかでも、非農業部門の就業者数が前月からどれだけ増減したかを表した「非農業部門雇用者数(NFP)」、労働力人口に対する失業者の割合を表した「失業率」、賃金(所得)の伸びを表した「平均時給」の3項目が、主に注目されます。

 特に非農業部門雇用者数は、結果と市場予想値の乖離が大きくなることが多く、為替相場を大きく動かす材料となってきた過去もあったため、結果の発表を市場参加者の多くが固唾を飲んで見守っていることでも知られています。

雇用情勢は、個人の所得や消費の動向に影響を与え、先行きの景気の動向を左右する可能性が高いことから、米国以外の地域の雇用関連指標も、重要な経済指標と考えられています。

 日本では、総務省が発表する失業率や、厚生労働省が発表する有効求人倍率が、雇用関連の経済指標として注目されています。

雇用統計のポイント

【米雇用統計の詳しい解説はこちら】
FX初心者のための基礎知識入門:米雇用統計


★ ADP雇用統計

ADP雇用統計とは、全米約50万社の給与計算を代行する民間企業のADP(Automatic Data Processing)が、自社の顧客を対象に集計した雇用者数の動向を表したデータです。ADP全国雇用者数などと呼ばれることもあります。

 サンプル数が多く、原則、米雇用統計の2営業日前に発表されることから、米雇用統計の非農業部門雇用者数を予測するための先行指標として、高い注目を集める経済指標です。

 ただし、ADP雇用統計と非農業部門雇用者数は集計の方法や対象が異なることもあり、必ずしもADP雇用統計の結果が良かったからといって、非農業部門雇用者数の結果も良い結果になるとは限らない点(逆も同様)には注意が必要です。

ADP雇用統計のポイント

【ADP雇用統計の詳しい解説はこちら】
FX初心者のための基礎知識入門:ADP/新規失業保険申請件数


★ 新規失業保険申請件数

新規失業保険申請件数とは、前の週に失業保険の給付を初めて申請した人数を集計したデータです。通常は、米労働省雇用訓練局(ETA)が毎週木曜日に発表します。

速報性の高さから、直近の米労働市場の動きに敏感で、景気の状況をすばやく把握できるという利点があります。一方で、週によって結果がブレやすく、翌週に数値が改定される可能性が極めて高いという特徴があることも知られています。

 新規失業保険申請件数は、失業保険の給付を新規で申請した人の数となり、失業保険を継続して受給している人の数は、同じタイミングで発表される失業保険継続申請件数で把握することができます。

新規失業保険申請件数のポイント

【新規失業保険申請件数の詳しい解説はこちら】
FX初心者のための基礎知識入門:ADP/新規失業保険申請件数


★ GDP(国内総生産)

GDP(Gross Domestic Product)とは、一定期間内に国内で生み出された付加価値の合計額を表したデータです。日本語では「国内総生産」といいます。その国の経済規模を表したデータで、期間内にどれだけ経済が成長したかを把握できる、注目度の非常に高い経済指標です。

 GDPには、付加価値の金額を単純に合計した「名目GDP」と、名目GDPから物価の影響を除いた「実質GDP」の2つがあります。名目GDPは景気実感に近い数値として参考にされることがありますが、一般的には「経済成長率」などと呼ばれる実質GDPの伸び率の方が注目されます

 米国のGDPは、米商務省経済分析局(BEA)が四半期ごとに発表します。もっとも注目されるのは速報値ですが、翌月に発表される改定値や、さらにその翌月に発表される確報値も、数値が大幅に変更されていた場合などは、為替相場を動かす要因になることがあります。

 また、米国ではGDPと同時に発表される、物価の変動を数値化した「GDPデフレーター」や、GDPの構成比率の7割近くを占める「個人消費」の結果も、注目度が高いことで知られています。

 日本では内閣府、ユーロ圏では欧州統計局(ユーロスタット)、中国では国家統計局、英国では英政府統計局(ONS)が、米国と同じように四半期ごとのGDPを公表します。

GDPのポイント

【GDPの詳しい解説はこちら】
FX初心者のための基礎知識入門:GDP


★ 消費者物価指数

消費者物価指数とは、消費者が実際に購入する段階の小売価格の動向を表したデータで、物価の推移を表す指標の中でも、もっともポピュラーなものとして知られている経済指標です。英語表記「Consumer Price Index」の頭文字から、「CPI」と呼ばれます。

 各国の消費者物価指数では、通常、対象となる全品目の動向を集計した総合指数と、価格の変動が大きくなりやすい品目を除いたコア指数の2つが発表されますが、一般的に中長期的な推移を把握するには、コア指数に注目した方が良いと言われています

 現在、多くの主要中央銀行がインフレ目標を導入して、物価上昇率が目標とする水準で安定的に推移するよう政策金利の水準を動かしたり、資金の供給量を調整したりする金融政策運営を行っています。そのインフレ目標の数値に、多くの中央銀行が消費者物価指数の上昇率を用いていることから、消費者物価指数は先行きの金融政策の方向性を予測するうえでも非常に重要なデータと考えられています。

 米国の消費者物価指数は、米労働省労働統計局(BLS)が毎月発表します。全人口の9割近くの消費動向をカバーしていると言われていて、米国全体の物価動向を把握するのに役立ちます。しかし、米国には「PCE(個人消費支出)デフレーター」と呼ばれる消費者物価指数と似たような物価指標があり、FRB(米連邦準備制度理事会)は金融政策の運営方針を決めるときに、PCEデフレーターの動向を重視しています。

 日本では総務省が毎月、全国消費者物価指数と東京都区部消費者物価指数を発表します。東京都区部の消費者物価指数は、全国消費者物価指数よりも発表時期が早いことから、全国消費者物価指数の動向を予測する先行指標としても活用されます。

 ユーロ圏では、加盟各国がそれぞれ発表する自国の消費者物価指数にはCPIという名称が使用されますが、欧州統計局(ユーロスタット) が発表するユーロ圏全体の消費者物価指数は、「HICP」と呼ばれています。これは、「Harmonised Index of Consumer Prices」の頭文字をとったもので、マーストリヒト条約による統一基準に基づいて算出されたデータです。毎月、速報値と確報値が発表されます。

消費者物価指数のポイント

【消費者物価指数の詳しい解説はこちら】
FX初心者のための基礎知識入門:消費者物価指数/生産者物価指数


★ 生産者物価指数

生産者物価指数とは、製造業者の販売価格の動向を表したデータです。消費者物価指数が消費者の購入する小売価格を集計したものに対し、生産者物価指数は製造業者の出荷時点の価格を集計した経済指標になります。

 米国の生産者物価指数は米労働省労働統計局(BLS)が毎月発表し、英語表記「Producer Price Index」の頭文字から「PPI」と呼ばれます。消費者物価指数よりも先に発表されることから、消費者物価指数の先行指標として活用されることもあります。

 米国では、国内の製造業者が販売する約1万点の品目が、生産者物価指数の集計対象となります。輸入品は含まれず、輸入品の物価動向を表したものには輸入物価指数という、別の経済指標があります。

 生産者物価指数は、長い目で見ると消費者物価指数と似たような推移をたどることが知られていますが、単月やそれほど長くない期間を比べると、相関性が高くないときもあります。

 日本では、日銀(日本銀行)が毎月発表する企業物価指数が、生産者物価指数と似たような経済指標として知られています。しかし、生産者物価指数が国内製品の出荷時点の価格のみを調査対象にしているのに対し、企業物価指数には輸入品も含まれるほか、輸送費なども価格動向に盛り込まれていることから、両者はまったく同じものではありません。

 また、ユーロ圏の生産者物価指数は、毎月、欧州統計局(ユーロスタット) によって発表されます。

生産者物価指数のポイント

【生産者物価指数の詳しい解説はこちら】
FX初心者のための基礎知識入門:消費者物価指数/生産者物価指数


★ 小売売上高

小売売上高とは、コンビニやスーパー、百貨店などの小売・サービス業の売上高を集計したデータです。米国では米労働省労働統計局(BLS)が毎月発表し、前月からの変動率が注目されます。

 小売売上高が前月比プラスなら米国の個人消費は堅調、マイナスなら個人消費が落ち込んだと判断するのが一般的です。米国の個人消費はGDPの構成比率の約7割を占めることから、小売売上高の動向は米国の経済状況を確認するうえで高い注目を集めます。

 特に、年末商戦期間として、感謝祭(11月第4木曜日)翌日からクリスマスまでのホリデーシーズンが含まれ、プレゼントの購入などで小売り業者の売上高が大きく伸びる傾向にある11月・12月分の米小売売上高の結果は、毎年、大きな関心が寄せられます

 日本では経済産業省が商業動態統計調査の中で毎月、小売業販売額として発表しているデータが該当します。ユーロ圏では欧州統計局(ユーロスタット) が毎月、小売売上高を発表しています。

小売売上高のポイント

★ 消費者信頼感指数

消費者信頼感指数とは、米民間調査機関のコンファレンスボードが、5000人の消費者を対象に行なったアンケートの結果をもとに、消費者の抱いているセンチメント(印象や心理状態)を指数化したデータです。英語表記「Consumer Confidence Index」の頭文字から「CCI」と呼ばれることもあります。

 コンファレンスボードは1916年に創立された、労働組合や経済団体などで構成される非営利の経済研究所で、「全米産業審議委員会」とも呼ばれる歴史ある機関です。

 現状の経済・雇用(=現状指数)、半年後の経済・雇用・所得(=期待指数)に関するセンチメントを集計して算出されたもので、個人消費や景気の動向との相関性が高いことでも知られています。

 米国には同じような経済指標に、ミシガン大学が発表する「ミシガン大学消費者信頼感指数」というものがあります。こちらは調査数が500人と少ないのですが、速報値が消費者信頼感指数よりも早く発表されるため、ミシガン大学消費者信頼感指数が消費者信頼感指数の先行指標のように活用されることもあります。

 日本では、内閣府が毎月、消費動向調査の中で指数化して発表している「消費者態度指数」が、消費者信頼感指数と似たような意味合いをもった経済指標になります。

消費者信頼感指数のポイント

★ 貿易収支

貿易収支とは、その国の輸入と輸出の収支の差を表したデータです。輸出額が輸入額よりも大きい状態なら貿易黒字、輸入額が輸出額よりも大きい状態なら貿易赤字になります。貿易収支の金額は景気の動向だけでなく、為替レートとも関係してくるため、為替市場でも一定の注目を集める経済指標です。

 どの国でも、IMF(国際通貨基金)の定めた国際収支マニュアルに基づいて作成されるのが一般的で、国際的な比較が容易にできることも特徴です。

 米国の貿易収支は、米商務省が毎月、政府や民間が行った財・サービスの輸出額と輸入額から差額を算出して発表します。2018年の米国の輸出額は世界2位、輸入額は世界1位と、輸出も輸入もトップレベルの金額を誇りますが、輸出額より輸入額の方が大きい貿易赤字の状態が恒常的に続いていて、米国の貿易赤字の金額は、ダントツで世界最大となっています。

 米国のドナルド・トランプ大統領が、中国を筆頭として世界各国を相手に引き起こした貿易摩擦問題の背景には、この米国の大規模な貿易赤字をなんとか是正したいという目的があります。

 日本では毎月、2つの貿易収支が発表されます。1つは財務省が発表するもので、もう1つは日銀と財務省が共同で発表する国際収支統計の1項目として発表されるものになります。この2つは集計の対象だけでなく、運賃や保険料の計上のしかたも異なるので、単純に比較することはできませんが、一般的には国際収支マニュアルに基づいて作成される国際収支統計の中の貿易収支の方が、貿易の状況をより広範に把握でき、各国との比較がしやすいことから、注目度が高いと考えられます。

貿易収支のポイント


★ ISM製造業景況感指数・ISM非製造業景況感指数

ISM製造業景況感指数は、ISM(全米供給管理協会)が製造業の仕入れ(購買)を担当する役員にアンケート調査した結果から作成した、製造業企業の景況感(景気の状況に対する印象)を集計したデータのことを言います。ISM製造業景況感指数は、ISM製造業景気指数あるいはISM製造業景況指数と呼ばれることもあります。

 一方のISM非製造業景況感指数は、ISMが非製造業の仕入れ(購買)を担当する役員にアンケート調査した結果から作成した、非製造業企業の景況感を集計したデータになります。ISM非製造業景況感指数は、ISM非製造業景気指数あるいはISM非製造業景況指数と呼ばれることもあります。

 どちらも、新規受注・生産・雇用などの5つの項目について、前月から「良くなった」、「変わらない」、「悪くなった」の中から回答してもらい、それらを数値化したものが発表されます。一般的には、5項目のすべてから算出された総合指数が注目され、総合指数の50が企業活動の拡大と縮小の分かれ目とされています。50を上回ると企業活動が拡大しており、50を下回ると企業活動が縮小していると判断されます。

 製造業は景気変動の影響を受けやすいため、ISM製造業景況感指数の方が重視される傾向にありますが、近年では経済に占める非製造業のウェイトが高まってきていることもあり、ISM非製造業景況感指数も経済指標としての注目度が高まっています。

 また、数ある米国の経済指標の中でも、この2つは前月分のデータの発表時期が極めて早いので、他の経済指標の結果を予測するために活用されることもあります。

ISM景況感指数のポイント

【ISM製造業景況感指数・ISM非製造業景況感指数の詳しい解説はこちら】
FX初心者のための基礎知識入門:ISM


★ PMI(購買担当者景況感指数)

PMIは、「Purchasing Managers Index」の頭文字をとったもので、日本語では「購買担当者景況感指数」などと呼ばれます。

 もともとの意味としては、企業の仕入れ(購買)担当者の景況感(景気の状況に対する印象)を集計したデータを指し、ISM製造業景況感指数やISM非製造業景況感指数も、その中の1つとして考えることができますが、通常、PMIといえば、情報会社IHSマークイット(IHS Markit)が発表しているものを指すのが一般的です。「PMI」とその正式名称の「Purchasing Managers Index」は、IHSマークイットの登録商標でもあります。

 IHSマークイットは、世界40以上の国や地域で、同じ調査方法に基づいてPMIを集計しています。中国の国家統計局が発表するPMIなど、一部にはIHSマークイットが発表しているものではないPMIの名称がついたデータもありますが、中国のもう1つのPMIとして有名な財新PMIは、IHSマークイットと提携して発表されているものになります。

 PMIでは主に、製造業・非製造業・サービス業などの業種別に集計されたものと、それらをまとめた総合PMIが発表されるのが普通です。

 PMIの見方はISM製造業景況感指数やISM非製造業景況感指数と同じで、指数が50を上回ると企業活動が拡大、50を下回ると企業活動が縮小していると判断されます。

 また、企業の景況感を表すPMIに似たデータとしては、米国のニューヨーク連銀(NY連銀)が発表するNY連銀製造業景況感指数(エンパイア・ステイト景況感指数)やフィラデルフィア連銀が発表するフィラデルフィア連銀製造業景況感指数(フィリー指数)、ドイツのIfo経済研究所が発表するIfo景況感指数やZEW(欧州経済研究センター)が発表するZEW景況感指数などが注目されます。

 日本でもauじぶん銀行がIHSマークイットと提携して、auじぶん銀行日本PMIを発表しています。しかし、その知名度は低く、日本の景況感を示す経済指標としては別のものが有名です。その1つは日銀(日本銀行)が四半期ごとの調査をもとに集計した日銀短観や短観と呼ばれているものです。正式名称は「全国企業短期経済観測調査」といいます。また、内閣府が毎月発表する「景気動向指数」、「景気ウォッチャー調査」もよく知られています。

 ただし、日銀短観は売上高や預金といった計数の実績値も調査対象に含まれるため、PMIと違ってハードデータ的な要素も盛り込まれているという特徴があります。また、景気動向指数は聞き取り調査ではなく、さまざまな経済指標を統合して算出されます。景気ウォッチャー調査はPMIと似たような景況感を表すデータですが、聞き取りの対象が企業担当者だけでなく、タクシー運転手やテーマパーク職員など、地域の景気に関連深い動きを観察できる立場にある人も含まれていて、地域ごとの景気動向を的確に把握できることでも知られています。

PMIのポイント

政策金利や金融政策方針を決める中央銀行の会合

 各国の中央銀行は、自国の政策金利や主要金利の水準、当面の金融政策方針などを決めるための会合を、定期的に開催しています。中央銀行の決定事項は、その内容によっては金融市場全体に影響を及ぼす可能性があるため、非常に注目されるイベントです。

 以下、為替市場で注目されることが多い、米国・日本・ユーロ圏・英国・オーストラリアの会合を紹介します。

【クリックすると詳しい解説へ移動します】
米国…FOMC(米連邦公開市場委員会)
日本…日銀金融政策決定会合
ユーロ圏…ECB理事会
英国…英MPC(金融政策委員会)
オーストラリア…RBA理事会

★ 米国…FOMC(米連邦公開市場委員会)

FOMC(Federal Open Market Committee)は、米国の中央銀行に相当するFRB(米連邦準備制度理事会)が、米国の政策金利に相当するFF(フェデラル・ファンド)金利や当面の金融政策の方針を決定する会合です。日本語では「米連邦公開市場委員会」などといいます。

 通常は年に計8回、6週間に一度のペースで火曜日と水曜日の2日間にわたって開催され、水曜日の会合終了後に、決定事項をまとめた声明文の発表と、FRB議長の記者会見が行われます(日本時間では木曜日未明)。

 さらに、2会合に1回の割合で、FOMCに参加したメンバーの経済予測をまとめたレポート(Economic Projections)が公表されます。ここには「ドット・チャート」と呼ばれる、参加メンバー全員の金利見通しも掲載されていて、先行きのFF金利の変動を予測するうえで、多くの市場参加者が注目しています。

 また、FOMCが終了した日の3週間後には、より詳細な議論の中身などが記載された議事要旨(議事録)が公表されます。

FOMCのポイント

【FOMCの詳しい解説はこちら】
FX初心者のための基礎知識入門:FOMC


★ 日本…日銀金融政策決定会合

日銀金融政策決定会合は、日銀(日本銀行)が当面の金融政策の運営方針などを決定するために開催する会合で、主に金融市場の調節方針や金融政策手段などが議論され、当面の方針が決定されます。

 通常は各会合とも2日間の日程で、年に計8回、6週間に一度のペースで開催され、2日目の会合終了後に決定事項の公表と、日銀総裁による記者会見が行われます。また、2会合に1回の割合で、参加メンバーの先行きの経済や物価の見通しをまとめた「経済・物価情勢の展望(基本的見解)」が公表されます。

 他の主要な中央銀行の会合とは異なり、日銀金融政策決定会合は開催される曜日が決まっておらず、また、決定事項の発表時刻が決まっていません。会合終了後に直ちに決定内容を公表するしくみとなっているため、政策の変更などが予想されている会合のときは、市場参加者が日銀の政策発表を、固唾を飲んで待ち構えるといったこともあります。

 会合が終了した日の6営業日後には、会合内で出た主要な意見を取りまとめた「主な意見」、次の会合の3営業日後には議事要旨(議事録)が公表されます。

日銀金融政策決定会合のポイント


★ ユーロ圏…ECB理事会

ECB理事会は、ECB(欧州中央銀行)の主要メンバーと、ユーロ圏各国の中央銀行総裁らが参加して開催される会合です。

 通常、政策金利を含む主要金利の水準や当面の金融政策方針などを決定する会合は、年に計8回、6週間に一度のペースで毎回木曜日に開かれ、会合終了後に金融政策方針が発表されたあと、ECB総裁の記者会見が行われます。

 また、2会合に1回の割合で、ユーロ圏の成長率やインフレ率の予想が示された「スタッフ予想」が公表されるほか、理事会の4週間後には議事要旨(議事録)が公表されます。

ECB理事会のポイント

★ 英国…英MPC(金融政策委員会)

英MPC(金融政策委員会)は、英国の中央銀行であるBOE(イングランド銀行)が、政策金利や当面の金融政策方針などを決定するために開催する会合です。MPCは「Monetary Policy Committee」の頭文字をとった名称で、通常は年に計8回、およそ6週間に一度のペースで、毎回水曜日と木曜日の2日間にわたって開催されます。

 木曜日の会合終了後に、決定事項をまとめた議事録が発表されます。MPCの政策は、投票権を持つ9名のメンバーの賛成多数決で決定されますが、議事録では誰が政策の決定に賛成したか反対したかが、わかるようになっています。そして、賛成票と反対票が拮抗していた場合などは、次回の会合に対する市場参加者の思惑が交錯して、英ポンドの相場に影響を与えることもあります。

 また、2会合に1回の割合で、先行きの物価や経済成長の見通しが示された「四半期インフレ報告」の公表と、BOE総裁による記者会見が行われます。この、金融政策の発表とあわせて四半期インフレ報告公表とBOE総裁の会見が同時に行われる日は「スーパーサーズデー(Super Thursday)」と呼ばれ、特に市場参加者の注目を集めることで知られています。

英MPCのポイント

★ オーストラリア…RBA理事会

RBA理事会は、オーストラリアの中央銀行であるRBA(Reserve Bank of Australia)が、オーストラリアの政策金利にあたるOCR(オフィシャル・キャッシュレート)や当面の金融政策方針などを決定するために開催する会合です。RBAは日本語では「オーストラリア準備銀行」、「豪準備銀行」などと呼ばれます。

 通常は年11回、1月を除く毎月第1火曜日に開催され、会合終了後に決定事項をまとめた声明文が発表されます。会合での議論の内容が詳細に記された議事要旨(議事録)は、会合の2週間後に公表されます。

 主要国の中央銀行とは異なり、RBAは声明文の中で、自国通貨である豪ドル(オーストラリアドル)の為替レートの水準に言及することがあります。過去と比べて直近の豪ドルの水準が割高だった場合は、通貨高牽制と捉えることができる内容が盛り込まれることもあり、政策金利や金融政策の決定事項よりも、豪ドル相場を動かす材料にされることがあります。

 また、四半期に一度、通常は2月・5月・8月・11月のRBA理事会が開催された週の週末に、「金融政策に関する声明(Statements on Monetary Policy)」と呼ばれる、物価や経済の見通しが記されたレポートが公表されます。

RBA理事会のポイント

 上にご紹介した内容は、通常時に行われる会合の内容をまとめたものです。各中央銀行とも、緊急を要すると判断した場合は、臨時の会合を開いて金融政策の変更などを行うことがあります。

 また、これ以外にも、ニュージーランド・スイス・カナダ・トルコ・南アフリカのなどの金融政策を決める会合が、為替相場を動かす可能性のあるイベントとして注目されることがあります。

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