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原則固定スプレッドは例外時にどれだけ
広がる? 日本時間早朝、相場急変動時、
重要経済指標発表時を徹底調査!

2022年01月29日(土)08:30公開 (2022年01月29日(土)08:30更新)
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【副業FXで勝つためのメルマガ】田向宏行さんのFXメルマガは儲かるのか? ダウ理論の転換トレードで検証したらこうなった!

忽然と姿を消した米ドル/円の買いポジション。いったい何が起こったのか

 重要経済指標の強弱を事前に予想して、結果発表直前のタイミングでポジションを建てたことがある、というFXトレーダーは結構いるのではないでしょうか。

 記者自身も、米雇用統計が市場予想より強いだろうからと、結果発表直前に米ドル/円の買いポジションを建てたことがありました。その際、もし結果が弱くてもすぐ逃げられるように、買いポジションのレートより5銭下に、ストップロスの売り注文を発注しました。
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 そして、記者の思惑どおり、米雇用統計は市場予想より強い結果となり、米ドル/円は急上昇。シメシメと思ってポジションを確認してみると―――ない、ない、どこにもない!!! あるはずだった米ドル/円の買いポジションが、忽然と姿を消していたのです。

 いったい何が起きたのか、茫然自失となってしまったのですが、米ドル/円の買いポジションが決済された時間をよくよく見てみると、米雇用統計発表予定時刻の1秒前だった22時29分59秒でした。

 つまり、22時29分59秒に、米ドル/円の買いポジションのレートより5銭下に発注した、ストップロスの売り注文がヒットしてポジションが決済され、その後、米雇用統計の強い結果を受けて米ドル/円が急上昇した、ということのようなのです。

 そうは言っても、記者が見たかぎり、米雇用統計発表直前の米ドル/円相場は、結果発表待ちのムードが色濃く、ストップロスの売り注文がヒットするほど、米ドル/円が下落したようには思えませんでした

 何が起きたのかを改めて確認してみても、まったくわけがわからない…そんな謎現象を解明するカギは、いったいどこにあるのでしょうか。

謎現象を解明するため、スプレッドのことを細かく徹底追求!

 さて、謎現象を解明するため、ここから一歩一歩進んでいきたいと思いますが、それにはまずスプレッドについて細かく細かく調べ、深掘りしていく必要があるのです。FXトレーダーならスプレッドのことはわかっているという人も多いかもしれませんが、ここからスプレッドについて徹底追求していきますので、最初にスプレッドの基本をおさらいしておきましょう。

 FXで取引される通貨ペアには売値(BID)と買値(ASK)の2つのレートがあります。この2つのレートの差がスプレッドです。

 たとえば、米ドル/円の売値が114.800円、買値が114.802円であれば、スプレッドは0.2銭ということです。

スプレッドはユーザー側に発生する取引コストになります。買いでも売りでも新規のポジションを建て、レートが変わらなかったと仮定して、すぐそのポジションを決済するならば、上の例でいえば1通貨当たり0.2銭の為替差損が発生します。

 一方、FX会社側から見てみると、スプレッドは収益となります。売買手数料無料が主流のFXでは、スプレッドがFX会社の大事な収入源の1つとなります。
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 そんなFXのスプレッドには「原則固定制」と「変動制」の2種類があります。

 先に「変動制」から見ていくと、取引時間中は常にスプレッドが広がったり狭くなったりするしくみです。スプレッドがかなり狭いタイミングもあれば、思った以上に広くなることもあり得ます。

 また、「原則固定制」というのは、スプレッドの幅が原則として一定の水準で固定されているしくみです。あくまでも原則なので、例外的な場合もあり、為替レートが大きく動いたときや、市場の取引が薄いときなどはスプレッドが広がることはあります。そして、原則固定の水準よりも狭いスプレッドが発生することは通常はありません。

 そして、2022年1月下旬現在、FX会社の多くが採用しているスプレッドのしくみは「原則固定制」なのです。

一口に「原則固定制」といっても、じつはFX会社によってその細部は異なっている

 もっとも、一口に「原則固定制」といっても、その細部はFX会社によって異なるようです。

 たとえば、外貨ex byGMO「外貨ex」の米ドル/円スプレッドは0.2銭原則固定ですが、原則固定の時間帯は「午前9時から翌午前3時」と定められています。そして、原則固定の時間帯を定めているFX会社は外貨ex byGMO「外貨ex」以外にも存在します。

 一方、原則固定の時間帯を定めず、基本的に24時間ずっと原則固定のスプレッドを提供するFX会社もあります。

 その1社がGMOクリック証券「FXネオ」です。米ドル/円のスプレッドは0.2銭原則固定で、24時間原則固定となっています。

 もっとも、GMOクリック証券「FXネオ」の公式サイトを確認してみると、以下のような注釈が書いてあります。

 上記スプレッドは完全固定されたものではございません。例外的に、市場の急変時(震災などの天変地異、各国中央銀行の市場介入、その他外部要因)や市場の流動性が低下している状況(米国東部時間午後5時前後、年末年始、クリスマス時期など)、重要指標発表時間帯などにより、スプレッドが拡大する場合があります。

引用元:GMOクリック証券「FXネオ」公式サイト

 つまり、GMOクリック証券「FXネオ」のスプレッドが基本的に24時間原則固定だとしても、実際にはスプレッドが拡大する時間帯はある、ということなのです。

 そこで今回は、原則固定のスプレッドを提供している主要FX会社の、スプレッドが広がりやすいタイミングや実際のスプレッドを調査したいと思います。

FX会社のスプレッドは日本時間早朝、重要経済指標発表時、相場急変動時に広がりそうなイメージ

 今回、FX会社のスプレッドが広がりそうなタイミングとして、記者がイメージしたのは以下の3つです。

FX会社のスプレッドが広がりそうなタイミングのイメージ
1、日本時間早朝
2、重要経済指標発表時
3、相場急変動時

 まず、日本時間早朝から見ていくと、日本時間早朝はニュージーランドのウェリントン市場や豪州(オーストラリア)のシドニー市場にあたる時間帯です。世界の三大市場である東京、ロンドン、NY(ニューヨーク)より、市場流動性が低いという特徴があります。
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市場流動性が低いということは、スプレッドの広がりやすさにもつながってくるのですが、日本時間早朝のスプレッドをくまなく調査することは難しいです。

 そこで今回は、日本時間早朝の範囲内にある「日足始値」を調査することで、日本時間早朝のスプレッドを便宜的に調べてみたいと思います。

 日足始値は、週明けのタイミングだったり、前日のFX市場終了後、スワップポイントが付与された直後に訪れるタイミングですから、スプレッドが不安定そうな感じがだいぶしますが、実際にはどうなのでしょうか。

 今回の調査では、米ドル/円の原則固定スプレッドを0.2銭以下で提供している主要FX会社において、2022年1月3日(月)から1月7日(金)の日足始値のスプレッドがどうなっていたのかを調べました。
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 実際に、日足始値スプレッドを見ていく前に、米ドル/円の原則固定スプレッドを0.2銭以下で提供している主要FX会社と原則固定スプレッドを列挙すると、以下のとおりです。

米ドル/円の原則固定スプレッドを0.2銭以下で提供している主要FX会社とそのスプレッド
マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」…0.0銭原則固定(100通貨から3万通貨)
SBI FXトレード…0.09銭(1通貨から1000通貨)
GMOクリック証券「FXネオ」…0.2銭原則固定
DMM.com証券「DMM FX」 …0.2銭原則固定
ヒロセ通商「LION FX」…0.2銭原則固定(~2/1までのキャンペーン)
外為どっとコム「外貨ネクストネオ」…0.2銭原則固定
トレイダーズ証券「みんなのFX」…0.2銭原則固定(午前8時から翌午前5時)
外貨ex byGMO「外貨ex」…0.2銭原則固定(午前9時から翌午前3時)
セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」…0.2銭原則固定(午後4時から翌午前1時)

 上記のFX会社のうち、SBI FXトレードは1通貨から1000通貨が0.09銭となっており、原則固定という表記はされていません。

 けれど、SBI FXトレードによると、2021年12月1日(水)7時から2022年1月1日(土)6時30分における、米ドル/円の1通貨から1000通貨までのスプレッド実績値は、0.09銭で100%提供されていたとのこと。そのため本記事では、SBI FXトレードの1通貨から1000通貨の米ドル/円スプレッドである0.09銭を実質的な原則固定とみなして扱うことにします。

SBI FXトレードの米ドル/円の1通貨から1000通貨までのスプレッド実績値

(出所:SBI FXトレード)

 また、SBI FXトレードとマネーパートナーズ「パートナーズFX nano」は、取引量によってスプレッドが変化しますが、今回は米ドル/円のスプレッドが一番狭くなる取引量でスプレッドを調査することにします。

 なお、ゴールデンウェイ・ジャパン(旧FXトレード・フィナンシャル)「FXTF MT4」「FXTF GX」は、米ドル/円の原則固定スプレッドを0.1銭で提供しているFX会社ですが、チャートで確認できるレートが買値のみでした。売値を確認できないと、買値と売値の差であるスプレッドを算出できないため、今回の調査からは外しました。

日足始値スプレッドの平均値はDMM.com証券、トレイダーズ証券「みんなのFX」、外貨ex byGMO、GMOクリック証券だと、だいたい3~4銭前後

 それでは、米ドル/円の原則固定スプレッドを0.2銭以下で提供している主要FX会社において、2022年1月3日(月)から1月7日(金)の日足始値スプレッドがどうなっていたのかを、傾向別に紹介したいと思います。

 まず、日足始値で連日同じスプレッドを提供していたFX会社と、そのスプレッドは以下のとおりです。

トレイダーズ証券「みんなのFX」の日足始値スプレッド
外貨ex byGMO「外貨ex」の日足始値スプレッド
SBI FXトレードの日足始値スプレッド

 

セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」の日足始値スプレッド

※日足始値の時刻はメンテナンス時間などの影響により、各FX会社ですべて同時刻ではない

 トレイダーズ証券「みんなのFX」、外貨ex byGMO「外貨ex」、SBI FXトレード、セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」はいずれも、新年1発目の取引となる2022年1月3日(月)の日足始値スプレッドこそ例外的に広かったものの、1月4日(火)から1月7日(金)の日足始値スプレッドは同じでした。

 なかでも、トレイダーズ証券「みんなのFX」は、1月4日(火)から1月7日(金)の日足始値スプレッドが3.9銭、外貨ex byGMO「外貨ex」は4.0銭と、今回調べた主要FX会社のなかでは狭いほうのスプレッドだと言えます。

 通常時だと、トレイダーズ証券「みんなのFX」は0.2銭原則固定(午前8時から翌午前5時)、外貨ex byGMO「外貨ex」は0.2銭原則固定(午前9時から翌午前3時)であるわけですが、日足始値というタイミングだと、これぐらいの幅まで広がってしまうようです。

セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」だと、通常時は0.2銭原則固定(午後4時から翌午前1時)ですが、1月4日(火)から1月7日(金)の日足始値スプレッドは10銭まで広がっています。

 次に、日足始値で日によって異なるスプレッドを提供していたFX会社と、そのスプレッドは以下のとおりです。

DMM.com証券「DMM FX」の日足始値スプレッド
GMOクリック証券「FXネオ」の日足始値スプレッド
ヒロセ通商「LION FX」の日足始値スプレッド
外為どっとコム「外貨ネクストネオ」の日足始値スプレッド
マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」の日足始値スプレッド

※日足始値の時刻はメンテナンス時間などの影響により、各FX会社ですべて同時刻ではない

 上のFX会社の日足始値スプレッドは1月3日(月)から1月7日(金)まで毎日異なるものだったわけですが、新年1発目だった1月3日(月)を除いた、1月4日(火)から1月7日(金)の日足始値スプレッドの平均値を比べてみると、DMM.com証券「DMM FX」が3.375銭と、今回調べたFX会社のなかでは一番狭い結果となりました。

 そして、DMM.com証券「DMM FX」の3.375銭に続いたのはGMOクリック証券「FXネオ」の4.225銭でした。先ほど連日同じスプレッドを提供していた会社は別にご紹介しましたが、そちらではトレイダーズ証券「みんなのFX」が3.9銭、外貨ex byGMO「外貨ex」が4.0銭でしたから、全部合わせるとGMOクリック証券「FXネオ」は4番手の狭さということになります。

 また、マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」は9.6銭で、連日同じスプレッドを提供していた会社の1つであるセントラル短資FX「FXダイレクトプラス」の10銭に迫る広さまでスプレッドが拡大していました。

 今回の調査において、米ドル/円の0.2銭以下の原則固定スプレッドを、基本的に24時間配信しているのはマネーパートナーズ「パートナーズFX nano」(100通貨から3万通貨)、SBI FXトレード(1通貨から1000通貨)、GMOクリック証券「FXネオ」、DMM.com証券「DMM FX」、ヒロセ通商「LION FX」、外為どっとコム「外貨ネクストネオ」なのですが、日本時間早朝はさすがに0.2銭以下というような狭いスプレッドを維持することはできず、1月3日(月)から1月7日(金)の日足始値においては、いずれも3銭以上にスプレッドは拡大していたということになります。

 記事冒頭で書いたとおり、GMOクリック証券「FXネオ」の公式サイトでは、例外的にスプレッドが拡大する場合があるとの注釈があり、その他のFX会社においても、日本時間早朝にスプレッドが拡大する可能性があるということは、多くのFXトレーダーがなんとなく知っていることだと思います。

 そこで、日本時間早朝の日足始値というタイミングでスプレッドが具体的にどれくらい拡大するのか、そのなかでも、どのFX会社が比較的狭いのかを調べてみたら、一番狭くても3~4銭前後だということがわかりました。

 ここまでをまとめると、米ドル/円の原則固定スプレッドを0.2銭以下で提供している主要FX会社において、1月4日(火)から1月7日(金)までの日足始値スプレッドの平均値は、DMM.com証券「DMM FX」、トレイダーズ証券「みんなのFX」、外貨ex byGMO「外貨ex」、GMOクリック証券「FXネオ」だと、だいたい3~4銭前後で、それ以上に広がるFX会社もある、ということになりました。

 多くのFX会社では、祝日などがない通常の週であれば、水曜日から木曜日に日付が変わるタイミングで、3日分のスワップポイントが付与されます。付与直後にスワップポイント分の利益を確定させようと、木曜の日足始値あたりで決済したくなるトレーダーもいるかもしれません。

 ですが、1月3日(火)から1月7日(金)の日足始値を調べたかぎり、日足始値は通常時よりスプレッドが広い傾向がありましたから、木曜の日足始値でスワップポイント3日分の利益を確定させるというのは、あまり得策ではないと言えるのではないでしょうか。

米CPI発表時の米ドル/円スプレッドは、セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」が1.9銭で一番狭かった

 次に、FX会社のスプレッドが広がりそうなタイミングとして重要経済指標発表時刻を見ていきます。

重要経済指標の結果次第で、相場が上下に大きく動く可能性がありますから、それに備えてFX会社はスプレッドを広くしているかもしれないわけですが、実際にはどうなのでしょうか。

 今回は2021年12月分の米CPI(消費者物価指数)が発表された、2022年1月12日(水)22時30分の30分足始値のスプレッドを調査したところ、以下のようになりました。

2022年1月12日(水)22時30分の米ドル/円30分足始値のスプレッド

 2021年12月分の米CPIが発表された、2022年1月12日(水)22時30分の30分足始値において、米ドル/円のスプレッドが一番狭かったのは、セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」の1.9銭でした。

 1月4日(火)から1月7日(金)の日足始値スプレッドにおいて、セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」の米ドル/円スプレッドは10銭まで拡大し、今回調べたFX会社のなかで一番広かったのですが、米CPIの発表時では逆に、今回調べたFX会社のなかで一番狭かったというのは、ちょっと意外な結果と感じます。

 加えて、セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」は通常、米ドル/円のスプレッドを0.2銭原則固定(午後4時から翌午前1時)で提供していますが、今回調査した主要FX会社のなかで一番、0.2銭原則固定の時間帯が短いFX会社です。

 ということは、狭いスプレッド配信には消極的なのかな…と思いきや、1月12日(水)22時30分の米CPI発表時の、米ドル/円スプレッドは一番狭かったわけで、そういう意味においても意外な結果だったと言えるかもしれません。

 続いて、トレイダーズ証券「みんなのFX」が2.9銭、GMOクリック証券「FXネオ」が3銭、DMM.com証券「DMM FX」が3.2銭とだいたい3銭程度、外為どっとコム「外貨ネクストネオ」と外貨ex byGMO「外貨ex」は4銭になりました。

 ここで、本記事冒頭で紹介した、わけがわからない謎現象が解決することになります。

 記者が体験した謎現象は、米雇用統計が市場予想より強いと事前に予想し、結果発表直前に米ドル/円の買いポジションを建てたものの、米雇用統計発表予定時刻の1秒前だった22時29分59秒に、買いポジションのレートより5銭下に設定した、ストップロスの売り注文がヒットして、米ドル/円の買いポジションが決済されてしまったというもの。

 その理由は、米雇用統計発表予定時刻の1秒前に、米ドル/円の原則固定スプレッドが大きく拡大し、記者の買いポジションより5銭下に発注したストップロスの売り注文にヒットした、ということに他ならないのでした。

実際に、米CPI発表時だとマネーパートナーズ「パートナーズFX nano」では9.9銭、SBI FXトレードでは7.8銭と5銭以上に広がっています。今回の調査は米雇用統計発表時ではなく、米CPI発表時のものですが、米雇用統計発表時も同じようにスプレッドが拡大する可能性がありそうです。

 また、1月4日(火)から1月7日(金)の日足始値スプレッドの平均値においても、マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」は9.6銭と、セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」の10銭に次ぐ広さでした。マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」は例外的にスプレッドが拡大する場合、その幅が広いものになる傾向があるのかもしれません。

 そもそも、マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」は、100通貨から3万通貨の米ドル/円スプレッドを基本的に24時間、0.0銭原則固定で提供しているスゴイFX会社です。
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 スプレッドが0.0銭ということは、ユーザー側からすれば取引コストがかからず、非常にありがたいこと。一方で、マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」からすれば、収益がないのではないかと思われます。

 マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」は通常時、収益なしの0.0銭原則固定で提供している分、例外的にスプレッドを拡大する場合、その幅を広いものにしているのかも…しれませんね。

 逆に言えば、この口座は例外的にスプレッドが拡大するようなときでなく、通常時に使った方がいいと言えるのかもしれません。「0.0銭原則固定」のマネーパートナーズ「パートナーズFX nano」は使いどころを考えたほうがよさそうですね。

相場急変動時のスプレッドは、日本時間早朝や重要経済指標発表時のスプレッドより狭い傾向がありそう

 最後に、FX会社のスプレッドが広がりそうなタイミングとして、相場急変動時を見ていきましょう。

 米ドル/円の原則固定スプレッドを0.2銭以下で提供している主要FX会社は相場の急変動時、どのようなスプレッドを提示していたのでしょうか。

 今回は、2022年1月18日(火)11時45分の米ドル/円15分足高値のスプレッドを調べてみました。

 なぜこのタイミングを選んだのかというと、1月18日(火)11時46分前後に日銀金融政策決定会合の結果が発表され、米ドル/円が急上昇したからです。日銀は金融緩和の維持を決定したのですが、事前に日銀の利上げに関する報道が話題になっていただけに、米ドル/円が急上昇したのです。
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 つまり、1月18日(火)11時45分の米ドル/円15分足高値は、相場の急上昇中についたレートですから、FX会社によってはスプレッドが広がっている可能性が否定できません

 そこで、実際にスプレッドを調査したところ、以下のようになりました。

1月18日(火)11時45分の米ドル/円15分足高値スプレッド

 1月18日(火)11時45分の米ドル/円15分足高値のスプレッドは、マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」、DMM.com証券「DMM FX」、ヒロセ通商「LION FX」が0.2銭でした。

DMM.com証券「DMM FX」、ヒロセ通商「LION FX」の米ドル/円スプレッドは通常、0.2銭原則固定ですから、日銀の金融緩和維持を受けた米ドル/円急上昇のなかでも、通常時のスプレッドを提示してくれたことになります。

 一方、マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」の米ドル/円スプレッドは基本的に24時間、0.0銭原則固定ですが、1月18日(火)11時45分の15分足高値では、スプレッドが0.2銭にじわりと広がっていました。

 そして、外貨ex byGMO「外貨ex」は0.3銭、GMOクリック証券「FXネオ」は0.4銭、SBI FXトレードとトレイダーズ証券「みんなのFX」は0.5銭、外為どっとコム「外貨ネクストネオ」は0.6銭、セントラル短資FX「FXダイレクトプラス」は0.9銭と、通常時の0.2銭以下の原則固定スプレッドよりやや広がっていたことがわかります。

 もっとも、1月3日(月)から1月7日(金)の日足始値スプレッドや、米CPIが発表された1月12日(水)22時30分の30分足始値スプレッドの広がり方に比べれば、1月18日(火)11時45分の15分足高値スプレッドは全体的にかなり狭いものにとどまっているとも言えます。

 FX会社にとってみれば、日足始値や重要経済指標発表時刻などは事前にタイミングがわかっているため、スプレッドを広げやすい面がある一方、相場の急変動は原則固定スプレッド配信中に急に訪れるため、スプレッドを広げるにしても、原則固定に近いスプレッドになりやすい、といったことがあるのかもしれません。

まとめ

 ここまで、米ドル/円の原則固定スプレッドを0.2銭以下で提供している主要FX会社において、1月3日(月)から1月7日(金)の日足始値スプレッド、米CPIが発表された1月12日(水)22時30分の30分足始値スプレッド、日銀の金融緩和維持を受けて急上昇した1月18日(火)11時45分の15分足高値スプレッドがどうなっていたのかを調査してきました。

 1月4日(火)から1月7日(金)までの日足始値スプレッドの平均値を調べてみると、DMM.com証券「DMM FX」、トレイダーズ証券「みんなのFX」、外貨ex byGMO「外貨ex」、GMOクリック証券「FXネオ」がだいたい3~4銭前後で、それ以上に広がるFX会社もあることがわかりました。

 多くのFX会社で、木曜の日足始値は3日分のスワップポイントが付与された直後にあたり、その場ですぐにスワップポイント分の利益を確定したくなりますが、日足始値のスプレッドが広い傾向を考慮すると、お得なタイミングとは言えなさそうです。

 また、1月4日(火)から1月7日(金)までの日足始値スプレッドの平均値と、1月12日(水)22時30分の30分足始値スプレッドのいずれにおいても、マネーパートナーズ「パートナーズFX nano」は10銭ほど広がっていました。

「0.0銭原則固定」のマネーパートナーズ「パートナーズFX nano」は、例外的にスプレッドが拡大するようなときでなく、通常時に使った方がいい口座と言えるかもしれません。

 そして、1月18日(火)11時45分の米ドル/円15分足高値のスプレッドはというと、DMM.com証券「DMM FX」、ヒロセ通商「LION FX」が0.2銭と通常どおりで、その他のFX会社では若干広がりました。

 日本時間早朝や重要経済指標発表時のスプレッドの広がり方に比べれば、相場急変動時のスプレッドは全体的にかなり狭いものにとどまる傾向があり、取引条件はまだよい可能性が感じられました。

 最後に、今回の内容は、2022年1月という期間において、米ドル/円のスプレッドが広がりやすそうなタイミングに着目したものです。本記事で取り上げたスプレッドの傾向が今後もずっと変わらないかどうかはわかりません。

 とはいえ、直近では本記事で取り上げたようなスプレッドだったことは事実です。米ドル/円をトレードする際は、スプレッドが広がりそうなタイミングに十分注意しながら、トレードしてみてはいかがでしょうか。

(ザイFX!編集部・藤本康文)

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