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第6章 ファンダメンタルズ

GDPを見ればその国の景気がわかる!
実質・名目の違いは? 個人消費にも注目

2019年01月08日(火)17:20公開 [2019年01月08日(火)17:20更新]

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このページの概要
GDPは、国内で一定期間に生み出されたモノ・サービス・財などの付加価値の合計を表したデータです。その国の経済規模を表す指標で、経済の成長度合いや景気の動向を総合的に把握できるため、中長期的な景気の見通しを判断するためのデータとしても高い注目を集めます。
目次

GDPとは

GDP(Gross Domestic Product)は、国内で一定期間に生み出されたモノ・サービス・財などの付加価値の合計金額を表したデータです。ここでいう付加価値は、消費者が支払った最終的な価格(値段)から、原材料や生産にかかったコストを差し引いたものを指します。日本語では「国内総生産」と呼ばれます。

 GDPは、その国の経済規模を表す指標です。経済の成長度合いや景気の動向を総合的に把握できるため、中長期的な景気の見通しを判断するうえでも、非常に高い注目を集めます。

 かつてはGNP(国民総生産)が、経済規模を表す指標として、世界中で使われていました。GNPは、米国なら米国民が生み出す付加価値の合計金額で、米国内に限らず、海外に支店などがある米国企業が生み出した付加価値も含まれます。しかし、人やモノ、資本のボーダレス化が進む中、GNPでは国内の経済規模を正確に把握しづらくなったことから、米国では1991年12月からGDPに切り替えられました。GDPには、米国企業の海外支店などの付加価値は含まれませんが、海外企業の米国支店の付加価値は含まれます。

 GDPは金額ベースでも発表されますが、一般的に米国では「前期比年率(%)」の数字が注目されます。前期比というのは、前期(前の四半期)から付加価値の合計額がどれだけ増えたか減ったかを表したものです。そこから、前期比と同じ増減率が1年間続いたと仮定した場合、年間でどれぐらいになるかを推計したものが前期比年率になります。

GDPがプラスの推移を維持していれば、景気が拡大を続けているということです。反対に、マイナスが続けば、景気後退の局面にあると判断します。一般に経済学的には、GDPが2四半期連続でマイナスになると、リセッション(景気後退)に入ったと定義されます(日本は異なります)

 米国のGDPは、米商務省経済分析局(BEA)が四半期(3カ月)ごとに発表します。米国以外の先進国も、ほとんどが四半期ごとのデータを発表していますが、カナダのように四半期ごとのデータのほかに、前月比のGDPを毎月、発表している国もあります。

名目と実質の違い

 GDPでもっとも注目されるのは、FX会社の速報系ニュースなどがヘッドラインで伝える「実質GDP」です。GDPには、実質GDPと名目GDPの2種類がありますが、名目GDPは一定期間内に生み出された付加価値の単純な合計で、名目GDPから物価の影響を除いたのが実質GDPになります。

 たとえば、前期に生み出された付加価値の合計金額が100億ドルで、今期が102億ドルだったとします。前期より2億ドル増加したので、今期の名目GDPは前期比+2%です。しかし、前期から物価が2%上昇していれば、物価の影響を除いた今期の実質GDPはゼロ%となり、経済規模自体は前期から変わっていないということになります。新聞やニュースなどでよく聞く「経済成長率」や「成長率」というのは、一般的に実質GDPの伸び率を指します。

 以下は、1970年以降の米実質GDPの推移を表したグラフです。

米実質GDP(前期比年率)の推移(1970年~)

※米商務省経済分析局が発表した前期比年率のデータをもとにザイFX!が作成
※発表元により、過去のデータは修正されることがあります(最終情報取得日:2020年2月6日)

GDPデフレーターとは

 実際の計算はもっと複雑で、名目を実質に評価しなおすときは、物価がどれだけ変動したかを示すデフレーター(価格指数)という指数が使われます。デフレーターがプラスなら物価が上昇、マイナスなら物価が下落していたことになります。GDPの統計には「GDPデフレーター」と呼ばれる指数が使われ、実質GDPは名目GDPをGDPデフレーターで割ることで算出されます。GDPデフレーターも、GDPと同時に発表されます。あわせてチェックしておきたい項目です。

 以下は、1970年以降の米GDPデフレーターの推移を表したグラフです。

米GDPデフレーター(前期比)の推移(1970年~)

※米商務省経済分析局が発表した前期比年率のデータをもとにザイFX!が作成
※発表元により、過去のデータは修正されることがあります(最終情報取得日:2020年2月6日)

個人消費にも注目

 GDPは「個人消費(個人消費支出)」、「設備投資」、「住宅投資」などの、さまざまな項目で構成されていて、さらに項目ごとにデータを細分化した、多種多様な数値が発表されます。

 その中でも特に重要なのが、GDP構成比率の7割近くを占める「個人消費」です。これは、個人が購入した財やサービスの付加価値の合計金額を表したもので、景気の動向を予測するうえでは全体のGDPより、個人消費の数値に注目する参加者もいます。個人消費の結果も、ほとんどのFX会社の速報系ニュースなどで、実質GDPの結果とあわせて伝わります。こちらにもぜひ、注目してみてください。

 以下は、1970年以降の米実質GDP個人消費の推移を表したグラフです。

米実質GDP個人消費(前期比)の推移(1970年~)

※米商務省経済分析局が発表した前期比年率のデータをもとにザイFX!が作成
※発表元により、過去のデータは修正されることがあります(最終情報取得日:2020年2月6日)

速報値・改定値・確定値の違い

 米国のGDPはその期が終了した翌月末に「速報値」、速報値の翌月末に「改定値(暫定値)」、改定値の翌月末に「確定値(確報値)」が発表されます。結果的には毎月、なんらかのGDPが発表されることになりますね。市場がもっとも注目するのは速報値ですが、改定値や確報値も大幅に変更されると、為替市場にそれなりのインパクトを与えることがあります。

 発表時間は、NY時間の午前8時30分です。日本時間だと午後10時30分、米国がサマータイム(夏時間)の期間は午後9時30分になります。

米GDPの概要

 GDPが速報値・改定値・確報値と3段階で発表されるのは、まずは速報性を重視して早い段階で入手できる基礎的な材料で推計したあと、その後に入手するより詳細な材料で推計値を改定していくことにより、最終的に正確性の高い統計データが提供できることになるからです。こうした手法は米国だけでなく、各国で取り入れられています。

 それ以外にも、米国のGDPは、毎年7月に過去3年分の改定が行われます。また、GDPに限らず、経済統計には時代の流れにともなって、取り入れられている項目が時流にそぐわなかったり、成長著しい新たな分野を取り込むことが望ましいといった、全体の算出基準(ベンチマーク)の変更・修正が必要になることがあります。ベンチマークが変更されると、過去に発表されたデータが新しい基準に沿って推計し直され、過去のGDPの結果が変わることがあるという特徴も覚えておきましょう。

(最終更新日:2020年2月10日)

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第2章 FXの基礎知識を身に付ける
第3章 FXをはじめよう
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