豪ドル/円押し目買い。中東混乱の為替への
影響は産油国通貨が若干強くなる程度!?

2011年03月03日(木)11:45公開 (2011年03月03日(木)11:45更新)

今井雅人

みなさん、こんにちは。

■順調に推移してした先進国の株式市場だが…

中東情勢の混乱がますます拡大してきました。リビアでは反政府勢力と政府サイドの激しい攻防が続いています。

革命指導者と庶民を気取りながら、アメリカに300億ドル（日本円で約２兆5000億円）もの個人資産を隠しもっている悪徳指導者を一刻も早く倒さなければいけませんが、情勢は混とんとしています。

リビアをはじめ、中東での政治不安が原油価格の高騰を招いているのはみなさんご存知のとおりです。当面、この傾向は続いてしまいそうです。

これだけ原油価格が上昇してくると、私たちの生活にも大きな影響が出てきます。ガソリンの値段もこれから上がってくると思いますので、車を運転する人には痛手となります。

もう少し大きく広げてみると、経済全体にもマイナスの影響が出てきます。そうなれば、株価にはマイナス要因となります。

これまで順調に推移してした先進国の株式市場ですが、これからはアタマ打ちとなってくるかもしれません。

さて、為替相場への影響ですが、多少の影響はあるかもしれませんが、それほど大きなものとはならないでしょう。

あえて言えば、原油産出国の通貨は若干強くなってくるかもしれません。

豪ドル/円日足

（リアルタイムチャートはこちら → ＦＸチャート＆レート：豪ドル/円日足）

加ドル/円日足

（リアルタイムチャートはこちら → ＦＸチャート＆レート：加ドル/円日足）

代替燃料の石炭を持っている国も恩恵を受ける可能性があります。主要通貨では、豪ドル、加ドルなどでしょうか？

また、資源国と思われているニュージーランドですが、この国はエネルギー資源はあまり取れませんので、蚊帳の外です。むしろ地震の影響で景気が落ちこんできているので、ＮＺドルには下落の圧力がかかっています。

ＮＺドル/円日足

カダフィー大佐の資産がアメリカで凍結されたことを受けて、中東マネーがアメリカから逃げ出すとすれば、これは米ドル安に作用します。

もう１つ、考えておく必要があるのは、欧州における利上げ期待の高まりです。イギリス、ユーロ圏ともにインフレが進み、中央銀行が利上げに踏み切る時期が早まるのではないかという観測が高まっています。

その一方で、アメリカの利上げはまだまだ先のことのようです。

そうなると、ユーロや英ポンドが米ドルに対して上昇するということになるわけですが、直近の動きを見ると、実際にそのようになってきています。

ユーロ/円日足

（リアルタイムチャートはこちら → ＦＸチャート＆レート：ユーロ/円日足）

英ポンド/円日足

今後の相場は、中東情勢の行方と各国のインフレの進行度、中央銀行の動きに注目をしておいたほうがよいでしょう。

米ドル/円日足

（リアルタイムチャートはこちら → ＦＸチャート＆レート：米ドル/円日足）

個人的には、米ドル/円の戻り売りと、豪ドル/円の押し目買いという方針を、これからも維持しておきたいと思います。

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