そうした問題も十分に考慮した上で利上げを予告したトリシェ総裁のタカ派的コメントに対しては、マーケットも追随せざると得ないといったところでしょう。
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ただ、トレーディングにおいては、ユーロ/米ドルの高値追いは禁物です。
ユーロ/米ドルは1.4050ドル、1.4100ドル、1.4150ドル、1.4200ドルに断続的に巨大なバリアがあると言われていますので、一方的にユーロ/米ドルが上昇する可能性は低いと考えています。
今週も1.4050ドルのバリアに阻まれて、いったん反落しています。高値は1.4036ドルでした。
当面、ユーロ/米ドルは丁寧に押し目買いといったところでしょうか?
■ユーロ/円も上値余地が拡大しそう
さて、米ドル/円ですが、前回のコラムにも書いたとおり、依然として明確なトレンドは出ていません。それから1週間が経った本日、3月10日(木)も82.70円近辺にあり、レンジ圏での推移となっています(「ヘッジファンドでも読みづらい投資資金の行方。豪ドルはダウンサイドか」を参照)。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
また、ユーロ/米ドルが当面のレジスタンスであった1.3900ドルのバリアを上抜けていますので、結果的に、ユーロ/円も上昇しています。
115.00円のバリアを突破して、一時は116.00円近辺まで上昇する場面もありました。
その後、ユーロ/米ドルの反落とともに115.00円を割り込みましたが、こちらも底堅い展開と言えるでしょう。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/円 日足)
金利面から見て、利上げを予告したECBと、利上げがかなり先の話になりそうな日銀(BOJ)との関係から考えると、ユーロ/円もスイスフラン/円同様に上値余地が拡大しそうです。
もちろん、南欧のソブリンリスクが緊迫化する局面では、ユーロ/円が大きく値を下げる局面もあるでしょう。しかし、下値は限定的で、最終的には117円、118円へと上昇して行くのではないでしょうか?
当面、ユーロの動きに注目ですね。
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