まず、東北関東大震災でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々のご無事をお祈りいたします。
加えて、今後の余震情報にも十分にお気をつけください。
■市場の関心は「リパトリ」に集まっている
為替相場は、日本の巨大地震の影響で大きく円高に振れています。
この円高の動きは、日本の保険会社が巨額の外貨資産を円転する可能性があることが要因として挙げられています。
つまり、市場の関心は「リパトリエーション(本国への資金送還)」に集まっています。
1995年に阪神・淡路大震災が発生したときを振り返ると、その後、米ドル/円は3カ月で約20%も円高が進み、4月に79.75円の史上最安値をつけました。
ただ、当時は機関投資家の外貨資産ヘッジ比率が3割程度しかなかったため、ヘッジ売りが重なり、それがさらなる円高を呼ぶという悪循環を繰り返したことが円急騰劇の要因です。
現在の彼らのヘッジ率は70%に達していると言われており、当時とは相場環境がかなり違うため、 単純に前回の震災時と比較することはできないと考えています。
そもそも、地震の被害が確定していないのに、生保が円転するわけはなく、 「リパトリエーション」に関しては中期的な円高要因ということでしょうか?
■米ドル/円は「パニック相場」に陥り、76.25円まで暴落
短期的には、海外勢からの円高圧力が高まっています。
その要因は、福島の原発に対する警戒が高まっているためです。
3月16日(水)の海外市場では、EU(欧州連合)のエッティンガー委員(エネルギー担当)による「日本の原子力機関の状況、制御不能」との発言、天野・国際原子力機関(IAEA)事務局長の「日本の状況は非常に深刻で、緊急IAEA会議を招集する」との発言が伝わりました。
さらに、カーニー米大統領報道官が「在日米国人に、原発から50マイル退避するよう勧告」と発言したことも報道され、米ドル/円は「パニック相場」に陥りました。
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 5分足)
3月17日(木)早朝、米ドル/円は79.50円のバリアを突破すると、78円台、77円台のバリアを次々にヒットし、一時は76.25円まで暴落しました。
しかし、東京市場に入ると、当局による介入への懸念が高まり、現執筆時点で米ドル/円は79円台前半で推移しています。
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