■クロス円は「レンジ相場」に入ってきた
先週のコラムでは、これから1カ月程度は「レンジ相場」となる可能性が高いという見方をしました(「急激な円安のスピード調整でもみ合いに。次の展開に向け、何らかの材料が必要か」を参照)。
その後、多少のバラつきはありますが、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)は「レンジ相場」に入っています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:世界の通貨 vs 円 日足)
ドルインデックスを見ると、74前後まで低下してきています。これは、2008年以来の低水準です。
豪ドル/円は86~89円のレンジの中にあり、ユーロ/円は一時116円台まで下落する場面もありましたが、その後は戻していて、「レンジ相場」になってきつつあります。
その他のクロス円も、だいたい似たような動きをしています。
■米ドル/円は81円台半ば~82円台前半が下値のメドか?
そのような中で、米ドル/円はどちらかと言えば、弱めに推移しています。
先週のコラムを執筆している段階では83円台半ばあたりでしたが、このコラムを書いている現在は82.00円近辺まで下落しています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
1週間で、1円半程度の「米ドル安・円高」となっています。
米国の利上げ期待が後退したことで、全体的に米ドル安傾向が鮮明になっていることが原因となっているようです。
それでは、米ドル/円はどこまで落ちるのでしょうか?
正直、途中の段階でよくわからない部分もありますが、3月の85円台までの上昇が81円レベルから本格化していることを考えると、81円台半ばあたりから82円台前半あたりを1つの下値のメドと考えておきたいと思います(はずれたら、すみません!)。
イメージとしては、米ドル/円もその後、他のクロス円に少し遅れて「レンジ相場」になるのではないかと思っています。
ただ、来週25日(月)に米国の新築住宅販売件数、26日(火)にS&Pケースシラー指数が発表になります。
そこで、米国の住宅市場の低迷が明らかになると、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げがますます遠のいて、さらに米ドル安が進むかもしれませんので、注意しておきたいところです。
■南欧の財政懸念があっても、ユーロが買われるワケは?
最後にユーロについて書いてみます。
ユーロ/米ドルの上昇が止まらず、約1年ぶりの高水準となっています。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
最近、ギリシャなど南欧諸国の長期金利(10年もの国債の金利)が急上昇しています。それだけ財政が危ないと金利・国債市場が警告しているわけですが、為替市場はまったく意に介しません。
この点については、ギリシャなど財政懸念のある国が、EU(欧州連合)やIMF(国際通貨基金)から支援を受けることで、当面の資金繰りにメドがついているからだと思います。
もし、そうでなければ、資金調達ができないのではないかという懸念から、ユーロは大きく売られていたと思います。
以前も申し上げたかもしれませんが、この「PIIGS」の問題は、当面は横のほうにおいて考えたほうがよいと思います。
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