■アメリカの経済指標があまり芳しくない
先週のコラムでは、米ドルの戻り売り、特に、米ドル/円で82円台でのショートメークを推奨しました(「金融引き締めが先になりそうな米ドルは戻り売りか。豪ドルは緩やかに上昇と予想」を参照)。
基本的には、今週に入っても、その考えは変わっていません。
その理由は、なんと言っても、アメリカの経済指標があまり芳しくないからです。
5月17日(火)に発表された4月の住宅着工件数は、年率換算で52万3000戸にとどまっており、市場予想の56万9000戸を大きく下回っていました。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
また、3月と比べても10.6%のマイナスと大幅な落ち込みを見せています。
同日発表された4月の建設許可件数に関しても、年率換算で55万1000戸にとどまり、市場予想の59万戸を割り込んでいます。前月と比べても4%のマイナスとなっています。
■米長期金利が低水準で推移し続けているということは?
私はかねてから、アメリカの景気回復のカギとなるのは、雇用環境と住宅市場だとお話ししてきました。
その住宅市場の低迷が続いているということは、当面、金融政策の転換はなさそうだと市場関係者は考えてしまいます。
実際のところ、アメリカの長期金利(10年もの国債の金利)を見てみますと、低水準で推移し続けていまして、反発して上昇する様子は今のところはありません。
これから上昇するためには、かなり良い結果の経済指標が出てくる必要がありそうです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足)
米ドルは一般的に、米国の長期金利の動向に大きく影響されると、よく知られています。ある程度は、今回もその影響を受けるでしょう。
ですから、当面ということで言えば、米ドル/円の上値は重いと思われます。
■米ドル/円は戻り売りを中心に戦略を練るべき
ただ、これから「米ドル安・円高」の方向に向かっていくかというと、そうでもなさそうです。
IMMのポジション動向を見ていただきたいのですが、マーケットではすでに、米ドル/円がショートポジション(売り持ち)になっていることがわかります。

このように、米ドル/円が下落方向にポジションが傾いている状況下では、なかなか、すんなりと下落してくれないのが世の常です。
そうであるならば、米ドル/円は当面のところ、レンジ相場になると考えておきたいと思います。
基本的には、「米ドル安」の方向にリスクがあると思いますので、米ドルの戻り売りを中心に戦略を練る時期ではないでしょうか?

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足)
売りのメドとなるゾーンとしては、82円台前半から半ばあたりとしておきたいと思います。
あまり、大きく取れる相場ではありませんので、少し手間ですが、目標をしっかり設定した上で、こまめに売り買いをする時期ではないでしょうか?
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