■景気悪化&インフレ一服で、米国の低金利政策は続く
まずは、現地時間で6月22日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されましたので、その件からお話しをしたいと思います。
公表された声明文の中に、次のようなコメントがありました。
「4月の前回会合以降に入手した情報から、景気回復は緩やかなペースで進行中であるが、委員会が予想していたよりは、幾分かペースが遅い。最近の労働市場の指標も予想より弱くなっている」
これは、FRB(米連邦準備制度理事会)がアメリカの景気が悪化していると感じているということです。
先週のコラムでもアメリカの景気が悪化してきているということを説明しましたが、FRBも同じ認識を持っているようです(「『4つのリスク』で世界の株式市場は低迷が続きそう。『株高→円安』にはなりにくいか」を参照)。
また、インフレに関しては次のように述べています。
「インフレは最近上向いたものの、過去のエネルギーなどの商品価格高騰による影響が後退するにつれ、FRBの2つの責務に一致していると委員会が考える水準に、もしくはそれを下回る水準に落ち着くとみている」
つまり、インフレに関しては、現在は高いがこれは今後落ち着いてくるとFRBが考えていることがわかります。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国経済指標の推移)
景気は悪化し、インフレは落ち着くとなれば、低金利政策は続けるということになります。
(詳しくはこちら → 経済指標/金利:各国政策金利の推移)
長期にわたって「FF(フェデラル・ファンド)金利」の異例な低水準を正当化する可能性が高いと、FRB自身も認めています。
当然、米ドルの長期金利(10年もの国債の金利)は低水準にとどまっており、米ドルは「漬け物石」を頭に乗せられているような状況なのです。
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