■ギリシャの財政危機はひとまず一服へ
いま、ギリシャのアテネでは、催涙弾まで飛び交うような激しいデモが起きています。
これは、ギリシャ政府が進めている緊縮財政案に反発した官民の労働組合が起こしているもので、逆に言えば、それぐらい激しい緊縮財政案だということでもあると思います。
歳出削減と資産売却を盛り込んだ総額は780億ユーロ(日本円で約9兆円)規模であり、ギリシャの経済規模を考えるとかなりの金額です。
6月29日(水)の議会で、この法案は155対138で可決されました。そして、もう1つの法案がありますが、こちらも通りそうです。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:ユーロ/米ドル 日足)
そうなると、ベニゼロス財務相は7月3日(日)のユーロ圏財務相会合に出席し、昨年合意した救済融資の第5回目の実行について話し合うことになります。
ギリシャは8月に66億ユーロの国債償還を控えていたため、その手当てが懸念されていました。
しかし、これで危機から何とか逃れることができそうな気配となってきました。
■日米で株式市場が反発してきたが…
この2カ月間ほど、米国の株式市場は下落傾向に入っていましたが、最近はこのようなやや明るいニュースに反応して、3日続伸となっています。日経平均株価もその影響を受け、上昇しています。

(出所:株マップ.com)
全体的に弱気ムードの中にあったために、こうした材料に反応したのでしょう。
しかし、その影響はあまり長くは続かないと個人的には思っています。
■クロス円はそろそろ売り場に来た!?
これからは、アメリカの経済指標に注目したいと思います。
まずは7月1日(金)発表の6月分のISM製造業景況指数(予想:51.8)で、7月6日(水)に発表される6月分のISM非製造業景況指数(予想:53.7)にも注目したいと思います。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
より重要なのは7月8日(金)に発表される6月分の雇用統計で、市場予想では、失業率は9.0%、非農業部門の雇用者数変化は9万人の増加となっています。

(詳しくはこちら → 経済指標/金利:米国主要経済指標の推移)
個人的な見方は、先週からあまり変わっていません(「FRB自身が長期の低金利を認めている。ドル/円、クロス円の戻り売り方針を継続!」を参照)。
株式市場の回復は一時的なものであるととらえ、それによって若干クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)を中心に円安になってきているので、そろそろ売り場に来たと考えたいと思います。
先週のコラムで、英ポンド/円の戻り売りがよさそうというお話をしましたが、それは継続します(「FRB自身が長期の低金利を認めている。ドル/円、クロス円の戻り売り方針を継続!」を参照)。

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:英ポンド/円 日足)
英ポンド/円のチャートを見ると、非常に重要なポイントに差し掛かっているように見えます。
130円でアタマを打って上昇が止まれば「下落トレンド」は続くでしょう。
その一方で、130円を超えて、さらに131円を超えてくるとトレンドが壊れてしまうので、見方を修正する必要が出てきます。
今後の動きを楽しみにしておきましょう。
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