■ギリシャ問題一服で、相場が急反転した
先週、ギリシャの中期財政計画の法案が議会で可決されました。280億ユーロの歳出削減と500億ユーロの国有資産売却で、国有財産の売却の代表的なものは国有企業の民営化です。
この法案が可決されたことを受けて、EU(欧州連合)は87億ユーロの融資をギリシャ向けに実行することを決めました。
また、IMF(国際通貨基金)も33億ユーロの融資を承認する予定となっています。
これで、当面の資金繰りにメドがつき、ギリシャにしてみればホッと一息というところでしょう。

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市場はこれを好感し、特にアメリカを中心とした株式市場が上昇しています。ニューヨークダウあたりは激しい反転を見せており、不安材料が解消されると相場が急反発するという典型のような例でした。
■ユーロも英ポンドと同様に、戻り売り通貨
しかし、それでも私はユーロに強気になれません。ギリシャの問題は、一時的に落ち着いただけであることは誰の目にも明らかです(「ギリシャ危機一服で株価は回復したが、長くは続かない。クロス円は売り場到来か」を参照)。
いずれまた、課題が浮かび上がってくるでしょう。
さらにギリシャ以外の国も心配で、米国の格付け会社であるムーディーズは今週に入って、ポルトガルの信用格付けを投機的水準まで引き下げました。
それを受けて、ポルトガルの国債の利回りが上昇しており、特に、短期から中期の国債の利回りの上昇が顕著となっています、たとえば、2年もの国債の利回りは15%を超えてきています。
市場関係者の中では、ポルトガルばかりではなく、イタリア、スペインも財政危機予備軍として控えているという見方が広がってきています。
近い将来、これらの国の格付けが引き下げられる可能性は非常に高いと思っています。そうなれば、ユーロはまた下落するでしょう。

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また、イギリスの様子もよくありません。このところ、私は英ポンド/円を中心に戻り売りを推奨していますが、その気持ちは変わっていません。
ユーロも英ポンドと同様に、戻り売り通貨だと思っています。
英ポンド/円は130円台での売りを推奨していましたが、一応その水準まで達しました。今度は下値で買い戻すことを考え、また戻り売りができるチャンスを狙っていく戦略を軸としておきたいと思います。
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